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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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クリスマスは戦争

最近はすっかり遠出先の距離が伸びてきている雪樹。

そんな一方で最近はすっかり冷えるようになってきた。

とはいえここは都会であり雪は降るかは微妙な土地でもある。

そしてこの時期はすでに戦争が始まっている。


「なあ、この時期はおもちゃ屋は忙しい時期なのか?」


「ん?おもちゃ屋?ああ、なるほどね」


「おもちゃ屋がこの時期に忙しい理由でもあるのか?」


おもちゃ屋が商品を積んでいるところでも見たのだろう。


愛依はそれについて理解したようで。


「おもちゃが売れる理由でもあるのか?」


「来月にはクリスマスだからね、親が子供へのプレゼントを買う時期なんだよ」


「来月のものを今から用意するのか?」


「12月になってからじゃ間に合わないんだよ、だから今から用意するの」


「そもそもクリスマスというのは確か宗教の教祖の生誕祭だと聞いたが」


クリスマスは正しくはそれなのだが、この国ではそんな事も特にない。

寧ろその宗教に入信してなくても普通に祝ったりする。


この国のあらゆるものを受け入れてしまう空気を甘く見てはいけない。


「しかしクリスマスか、一年というのも早いものだ」


「だよねぇ、またチキン屋が賑わう時期だよ」


「クリスマスに鶏を食べるというのはクリスマスのお約束なのか」


「本来は七面鳥だよ、この国だと七面鳥は手に入りにくいからチキンなんだよね」


「なるほど、代替品という事なのか」


この国でのクリスマスにチキンというのは七面鳥が手に入りにくいのも理由の一つ。

それと同時に商売になると踏んだそうした業界もあるのだろう。


だからこそ広まった習慣とも言えなくもないかもしれない。


「しかしおもちゃか、サンタクロースだったか?」


「うん、まあ基本的に親がサンタであるって事は多いけどね」


「親がプレゼントを用意してそれをクリスマスの夜にこっそり枕元か」


「そういう事、ただ欲しいものがもらえる保証もないけどね」


「そういうのは子供心的にはどうなのかとも思うが」


そんなクリスマスはそれこそ売る側からしたら戦争なのである。

商戦という言葉があるぐらいにはクリスマスは書き入れ時なのだ。


ただ当日になってから買おうとしてもまず間に合わないのもある。


「クリスマスは宗教的な行事なのにこの国ではただの祭りなのだな」


「教会で結婚式をやってハロウィンで騒いでクリスマスやったら神社に初詣する国だけど?」


「そう言われると別に本来の形式に沿う必要はないと分かるな」


「この国はそういう国だもん、外国の文化だろうとなんでも受け入れてきたからね」


「そんな寛容な国があるというのも驚きではある、僕の世界なら異端審問官が来るぞ」


そういう発言もまんざらでもないのが雪樹の世界である。

国によると言えばそれまでの話ではある。


ただ国には国の文化や風習がある事が多いのが雪樹の世界なのだ。


「ただこの国のように外国にも寛容なら世の中多少は平和になるのかもしれんな」


「戦争って重火器でドンパチやるだけじゃないしねぇ、商売の戦争で商戦だし」


「どの店も売れる時に売る、そして客が多く来るタイミングを理解しているのだな」


「飲食店だってランチメニューを用意するのはその時間にお客がたくさん来るからだしね」


「商売の戦争で商戦、言ったものだな」


特にクリスマスはそんな戦争も活発になるシーズンである。

チキン屋からおもちゃ屋、さらには本屋やホテルなども書き入れ時なのだ。


まさにクリスマスは戦争という事である。


「だがそういう事が出来る文化的な土壌があるのはいい事だ、寛容と言うべきか」


「外国の文化を取り入れて魔改造しまくってる国だもん、受け入れるのは得意だよ」


「魔改造、まあ自分の国に合うようにアレンジしていくのも国民性か」


「実際外国の料理に見えてこの国で生まれた料理がたくさんある理由だよね」


「宗教的な話が凄くしっくり来た、なんでもありなのだなと」


愛依も割と楽しむものはなんでも楽しむタイプである。

年相応の性格とも言えるが、たまに大人の顔も見せたりする。


ギャルも何かとあるのだという事のようだ。


「なんにせよクリスマスシーズンか、もう冬なのだな」


「だね、凛音の作った美味しいご飯でも食べながらまったりしようか」


「そういえばクリスマスや正月はオフにしてもらっているんだったな」


バンドメンバーは正月などは仕事を休む事にしている。

普段は音楽活動以外もしているので、そうした時は全員で集まろうという事らしい。


なのでカウントダウンや新年のコンサートはやらないし、テレビの仕事もない。


年末年始は完全なオフにするというのがバンドメンバーである。

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