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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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オシャレと機能性

最近は遠出先の距離も長くなりつつある雪樹。

身体能力の高さを活かし隣の県まで足を伸ばし始めているようで。

交通機関とその身体能力を使えば県を跨ぐのも簡単な事である。

とはいえ最近は冷え始めてきたようで。


「なあ、卯咲子がモデルで着る服は暖かかったりするのか」


「モデルの服の事?オシャレに機能性を求めたら駄目だと思うよ」


「身も蓋もない事をモデルが言うのか」


雪樹も出かけ先で様々な店を覗いたりしている。


そんな中冬服にしては薄手だったりするものを見たりしているようで。


「卯咲子はモデルをしているわけだが、冬服も着たりしているのだろう」


「うん、まあオシャレって基本的に見栄えが最優先だからね」


「美しく見せるものであって、暖かさなどはまた別という事なのか」


「そりゃ冬服だから暖かいんだけどね、ただ機能性って意味だと他にも服はあるし」


「選択肢があるというのはいい事ではあるのだろうな」


卯咲子も割と身も蓋もない事を言うものだ。

とはいえシンプルに暖かくなりたいのならオシャレでなくてもいい。


服というのはきちんとターゲット層があるのだという事だ。


「だとしたら卯咲子がモデルで着ている服もメインターゲットがあるのだな」


「そうだね、よく言われる安い服みたいなのは着られればいい人向けとかだし」


「そういうのはオシャレに興味がない層を狙っているのだろうな」


「私も女性向けのオシャレな服のモデルやってるから見に来るお客が凄く分かるんだよね」


「服というのも何かとあるのだな、僕の世界に比べると考えている人も多い」


雪樹の世界における服は基本的に身分を示したりするものでもある。

いい服を着られるのはそれだけの身分でもあるという事。


その一方で繊維ながら金属のように丈夫なものなどもあったりする。


「卯咲子は割といい服を着ているが、自分で買っているのか?」


「仕事で着た服は少し安く買い取る事も出来るから、買い取ってるだけだよ」


「そういう事も出来るのか、いいシステムだな」


「碧流の服も仕事で着たりしてるけど、それだけじゃないからね」


「仕事相手からの注文もあるという事か、そこは楽でもなさそうだ」


卯咲子は仕事で碧流の服を着る事も多い。

それはそれだけ気に入っているという事でもある。


だからこそ服についてはそれなりに詳しいつもりらしい。


「しかしオシャレというのは何かと大変なものなのだな」


「世の中にはオシャレに命を懸ける人とガチの無頓着な人がいるからね」


「僕の場合服というのは身を守るものだからな、そういうのはよく分からん」


「雪樹はオシャレとか関心なさそうだもんねぇ」


「ないな、身を守れればそれでいい」


そういうところは雪樹らしいとも言える。

オシャレには関心はないし、服は身を守るものである。


ただ技術を持ち帰るという意味では服についても学んでいるようだ。


「卯咲子は気に入っている服とかはあるのか?」


「うーん、二年前に着た夏服は気に入ってたかな、今だとサイズ合わないけど」


「そんな育ったようにも見えんが」


「二年前に比べると体格は少しよくなったんだけどねぇ」


「身長はそこまで変わっているようにも見えんが、成長はしたという事か」


服は割とあっという間にサイズが合わなくなるものだ。

だから買い取っても一年着られれば御の字だという。


ついでに言えば流行とは激流の如く速く流れていくのもある。


「それで、オシャレに機能性を求めてはいけないというのはなぜなんだ」


「流行ってあっという間に廃れていくからね、去年の服なんてもう過去のものだよ」


「流行り廃りのサイクルがそれだけ速いからというのも理由の一つなのか」


「そうだよ、だから着られればいい人向けの服の方がロングセラーになるんだよね」


「オシャレや流行とは流行り廃りの速度が速いから、またなんともな話だな」


卯咲子もそれを知っているからこそ服を大切にするところがある。

実際去年流行った服は来年にはもう過去のものになっているのだ。


オシャレとは流行であり流行とは激流の如く流れていくものなのだと卯咲子は言う。


「オシャレに着飾るというのは刹那的な勢いなのだな」


「そうなんだよね、だから売れる時に売り切れはこの業界のあるあるだよ」


「服を作る人も売る人も大変な業界だな、少し闇を覗いた気分だ」


業界人が語るオシャレな服のあれこれ。

流行とは刹那的に過ぎていくものである。


定着しないからこそ流行であるとも言えるのかもしれない。


長く愛されるものの凄さも同時に感じていた。

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