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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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格闘技の腕前

遠出の距離もどんどん遠くになっている雪樹。

そんな中夏花のトレーニングにも付き合っていたりする。

夏花は護身術として格闘技も嗜んでいたりする。

一方で雪樹も基本的には格闘技が得意なので。


「夏花の格闘術は護身術という事でいいのか?」


「そうよ、自分の身ぐらいは守れるようにしておかないとね」


「ふむ、僕の格闘術とはまた違うという事か」


雪樹の格闘術は忍者という事もあり暗殺拳でもある。


護身ではなく諜報活動に適した格闘術なのは必然だ。


「夏花は護身として格闘術を修めているが、実際役に立っているのか?」


「それなりに役立ってるわよ、自分より大きい相手でも投げ飛ばせるし」


「ほう?見た目に反して意外と腕力があるのだな」


「そういう雪樹の格闘術って護身じゃないわよね」


「僕の格闘術は暗殺拳だ、諜報が主な仕事な以上顔を見られた相手を殺さねばならん」


そういうところは生きてきた世界の違いを感じさせる。

ついでに言えば武器を奪われても戦えるように格闘術を覚えたりもする。


なので暗殺拳であると同時に武器がなくても戦えるようにという側面もある。


「この世界でも暗殺拳のような武術はあるのだろう」


「あるにはあるけど、そんな物騒でもないわよ」


「それもそうだな、ただ護身術というのは覚えておくに越した事もないだろう」


「ただ格闘家でも武器を持った相手なら全力で逃げろって教わるわよ」


「ふむ、まあ格闘術で武器を持った相手と戦うのは得策ではないからな」


どんなに優れた格闘家でも相手が刃物を持っていたら逃げろ。

それは雪樹の世界でも変わらないのだろう。


武器を持った相手に格闘術で勝てるほど甘くはないという事だ。


「ただ格闘術を修めておけば不測の事態には対応出来る、そういうものだ」


「あら、言うのね」


「僕も刀を持ってこそいるが得意なのは格闘だ、武器を奪われても戦えるのは大きいぞ」


「そういう考え方が出来るのは戦いの世界で生きてきた人って感じよね」


「武器というのはそれを奪われれば一気に弱くなるものだからな」


そういう世界で生きてきた雪樹。

格闘術というものへの考え方もそうなるのは必然だ。


夏花も格闘術を使えるからこそ身の危険を感じたら対応出来るに過ぎない。


「そういえばこちらの世界は格闘術にも様々なものがあるのだな」


「足技メインのものもあれば投げ技メインのものとかね」


「足をメインにした格闘術はなかなかに興味深い、手を封じられても使えるからな」


「実際そうした状況を想定して生み出されたものだったりするのよ」


「ふむ、足技が主な格闘術にはそうした状況が想定してある、考えたものだな」


空手から合気道、カポエラやムエタイ、骨法に柔道など他にも多様なものがある。

それぞれ目的に応じた発展をしてきた格闘術でもある。


この世界の格闘術とは国の文化的なものもあるのである。


「格闘術の大会などもあるという事はそれを競う文化もあるのか」


「オリンピックとかね、あとそれの国体とかあるし」


「だがそうした事が出来るのはある程度の平和な世界だからなのだろうな」


「実際そういう大会に内乱で参加出来ない国が出たりするもの」


「平和というもののありがたさが分かるな」


平和だから出来る事がある。

ただそうした世界でも争っている国はある。


世の中そう上手くは行かないものだ。


「そういえば格闘術はそれを教える人や施設があるのか」


「階級とか帯とかあるからね、私もこう見えて有段者なのよ」


「つまり一定の実力が認められているのか」


「雪樹には勝てないと思うけど、それなりには出来るわよ」


「まあ僕に勝てたら大したものだろうに、育った環境が違うからな」


そこは当然の話なので夏花が雪樹に勝てるはずもなく。

ただ身を守る手段として格闘術を修めるのは悪い事でもない。


夏花もそうした不審者を投げ飛ばした経験があるらしい。


「鍛えているだけあって腕っぷしは強そうだな」


「自分より大きい男の人も投げ飛ばせるわよ、それぐらい教わったもの」


「平和な世界でも危ない奴はいる、自衛が出来るに越した事はないな」


そんな夏花と雪樹の格闘術の違い。

雪樹の暗殺拳は確実に相手を仕留めるためのもの。


生きてきた世界が違えば覚えるものも変わる。


格闘術にも世界の違いがあるのだ。

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