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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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病気を根絶したもの

最近は遠出の距離も少しずつ遠くなっている雪樹。

そんな遠出先で医療などについても見たりしているようで。

この世界の医療や薬のレベルの高さには感心しているようだ。

自分の世界の技術もそのレベルが低いわけではないが、それでも驚く様子。


「予防接種というのはなんなんだ?」


「予防接種?雪樹もなんにでも興味を示すわよね」


「ああ、技術というのは範囲が広いからな」


雪樹はそんな医療にも興味を示し始めている様子。


ただ門外漢には分からない事も多いものではある。


「名前の通り病気を防ぐ措置みたいな事でいいのか?」


「大体そんなところよ、分かりやすく言うと病気にかかりにくくなる薬を投与するの」


「かかりにくくなるという事は完全に防げるというわけではないのか」


「ええ、でも予防接種やワクチンはそれだけで病気になる人を大きく減らしたのよ」


「まさに病気になりにくい体を作ったという事なんだな」


予防接種やワクチンというのはあくまでも病気になりにくくなるものである。

完全にその病気にかからなくなるというわけではない。


だがそれによって感染症などが根絶された歴史もある。


「しかしそんな薬を作ってしまうというのは凄いのだな」


「薬っていうのは副作用とか副反応の問題は避けて通れないものでもあるけれどね」


「その薬を摂取すると本来の効果とはまた別の効果が出るというやつか」


「でもワクチンの話だとそれこそ病気を根絶したっていう歴史があるのよ」


「病気になりにくい体を作る事で病気そのものにかかる人がいなくなったという事だな」


薬は必ずしもそれが効くわけではない。

だが薬が発明された事で救われた命の数はとても多い。


昔は助からなかった病気も助かるようになったという事だ。


「病気を根絶したのが特効薬ではなくワクチンというのはまた興味深い話だな」


「そもそも特効薬がそんな簡単に出来てたまるかっていう話でもあるのよね」


「僕の世界では伝承に伝わる霊薬というのも聞くが、本当かどうかは分からないからな」


「霊薬ねぇ、アムリタとかそういう話はこっちにもあるにはあるわよ」


「こちらの世界にも霊薬の伝承があるのか」


霊薬と言えばアムリタは外せないのだろう。

とはいえ霊薬なんてものは伝承であり本当にあるかは胡散臭いものだ。


ただ世界が変わってもそうした伝承はあるのだろうという事である。


「霊薬などとは言うが、そんなものがあるかは誰にも分からんからな」


「そんなものがあっても手に入らないから人は普通に薬を作ったんだと思うわよ」


「まあそうなんだろうな、伝承に出てくるようなものを探すより楽だろうからな」


「結局はそんな霊薬なんていうものはあったとしても普通は手に入らないわよ」


「そんなものに頼るぐらいなら普通に薬を開発した方が安そうだしな」


こっちの世界でもそうした伝承があっても薬は多く発明されてきた。

ぶっちゃけ霊薬なんかを当てにしても仕方ないのだろう。


それなら素直に薬や医療器具を開発した方が手っ取り早く病気に対抗出来るのだ。


「だがワクチンというのはそれだけ歴史を変えてきたのだな」


「そうね、少なくともそれで救われた人の数は計り知れないわ」


「薬は病気や怪我を治すだけでなくその病気になりにくくなる、なるほどな」


「それこそ人類の発明の歴史よね、大勢が亡くなった感染症を根絶したりしたんだから」


「感染症とは恐ろしいな、僕の世界でも疫病で滅んだ村などがあったものだが」


疫病とはこっちの世界で言う感染症なのだろう。

医療の発達の具合が違うであろうことからそれへの考え方も異なってくる。


疫病と呼ばれるそれは恐らくは感染症なのだろうと夏花は思った。


「疫病が発生する土地は衛生環境に問題があった、それが答えなのだろうな」


「ええ、たぶんその疫病は感染症よ、それが広まって多くの人が亡くなるの」


「感染症というのは細菌やウイルスが体に入り込み病を引き起こすという事だろう」


「大体そんな感じね、感染症は投薬治療よりワクチンや予防接種で解決してきたものだもの」


「つまりワクチンで感染症への抵抗力を強くする事で疫病に打ち勝ったという事なんだな」


こっちの世界でも疫病が流行った歴史がある。

それから人類はそれと戦い薬を開発し病気を根絶、またはその患者を減らしてきたのだ。


雪樹の世界で起きた疫病もまた感染症なのだろうから。


「防ぐ事で病に打ち勝つというのもまた面白い話だな」


「病気は治すだけが勝利ではないという事よね」


「抵抗力を身につける、病との戦いも様々だな」


そんな医療の話は奥が深い。

病気との戦いはそんな薬学の歴史。


根絶したのは特効薬ではなくワクチン。


抵抗力の大切さという話である。

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