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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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秋の味覚が出始める

最近はすっかり遠出にも慣れてきた雪樹。

遠くに行けばまた変わったものが見られる問のを学んだ。

身体能力の高さもあり走ったり跳んだりして移動するのもお手の物。

そして美味しいものにも興味を示す。


「む?それは食材か?」


「はい、秋の味覚がそろそろ出始めるので、何か作ろうかと」


「それはいいな、せっかくだから僕も手伝っていいか」


凛音は料理が得意でおすそ分けにもよく来てくれる。


その一方で雪樹も和食の腕前はこれでもかなり高い。


「さて、では何を作るか」


「きのこや芋類が多いですからね、煮物や炒めものなんかがいいのでは」


「なら僕の世界の料理でも作ってみるか、多分作れるだろう」


「なら少し興味はあるのでお願いしてもいいですか」


「ああ、任せろ」


とりあえずそのまま調理を開始する。

雪樹の世界で言う和食はこっちの世界の和食とは少し違うのだろう。


だからこそ凛音も興味を示す。


「とりあえずきのこ類は味噌汁だな、きのこ汁は美味しいぞ」


「きのこ汁ですか」


「ああ、割と簡単に作れて知識があれば山でのサバイバルでも作れる」


「なるほど」


「とりあえずそのまま行くぞ」


そのまま手際よく調理を進め味噌汁は先に完成する。

続いてさつまいもの調理を始める。


さつまいもは焼いて食べると言うが。


「さつまいもは焼くといい、焼いて今から作るタレで食べると美味しいぞ」


「焼いたさつまいもにタレですか」


「とりあえず輪切りにして焦げ目がつくぐらいに焼いてくれ」


「はい、分かりました」


「さて、タレも作ってしまうか」


焼いたさつまいもをタレで食べる。

雪樹曰く甘いさつまいもとしょっぱいタレで食べるのがいいバランスなのだとか。


そもそも甘い芋というのは雪樹の世界では珍しく、こっちで感じた美味しさらしい。


「うむ、この匂いが美味しさの理由だな」


「醤油と塩、あとはとろみを付けているんですか」


「ああ、僕の世界だと別の材料を使うがこっちには便利ものもあるからそれでな」


「なるほど、それで代用しているんですね」


「こっちは便利なものが多くて料理も楽が出来ていいぞ」


世界が変わると食材なども変わる。

雪樹の世界だとシンプルな味付けの方が多い。


だからなのか使う食材もそこまで多くないのだと。


「芋も焼けたな、試食してみてくれ」


「ん、これ美味しいですね、料理というよりお菓子みたいです」


「僕の世界だと甘いものと塩気のあるものを合わせて食べる事が多いからな」


「そうなんですか?だからこういう料理を作るんですね」


「そもそも甘い芋が僕の世界にはないからな、もっとあっさりしている」


そもそも野菜も果物も雪樹から見たら甘いという事が凄い事なのだ。

この世界では野菜も果物も甘くしなければいけない信仰心でもあるのかと思うぐらいに。


だからこそなんでも甘くするという事を不思議に思っているのだ。


「この世界の食材はどれも美味しいが、甘いものばかりなのは少しくどいな」


「甘くしたのは農家などの努力の結果ですが、なんでも甘いというのはくどいですか」


「ああ、だからたまには自分の世界の同じ食材が恋しくもなる」


「甘くない野菜とか果物ですか」


「果物は甘いものもあるが、もう少し酸っぱかったりしてもいいと思っているからな」


雪樹が言うには甘いだけのものよりある程度の酸っぱさなどがあった方が美味しいとのこと。

そういう甘味と酸味のバランスが整っている方が雪樹の好みなのだ。


そこはこっちの世界で感じた困惑でもあるという。


「とりあえずきのこの味噌汁と芋の茅の輪焼きの完成だな」


「茅の輪焼きって言うんですね、このさつまいものやつ」


「僕の世界ではな、こっちでは別に呼んでもいいぞ」


「私はそれでいいですよ、あと他にも何か作れます?」


「そうだな、鶏肉は赤鬼焼きにするか」


雪樹の言う鶏肉の赤鬼焼き。

それは辛めの醤油ダレで鶏肉を炒めた料理。


食材は違うがこっちの世界でも作るのには問題はないとのこと。


「赤鬼焼きは少し辛くするのがコツだ、舌がヒリッとする程度でいい」


「分かりました」


「さて、では始めるか」


そんな雪樹と凛音が作った料理の数々。

完成品はみんなにおすそ分けして美味しくいただいた。


雪樹の世界の和食にも興味を示した凛音。


こっちの世界でも代用可能な調味料や食材はあるのだという事である。

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