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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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憂鬱な雨

遠出にもすっかり慣れた様子の雪樹。

足で行く事もあれば交通機関を使う事もあり、身体能力の高さが光る。

そんな最近は梅雨だからなのか雨も多い季節。

猫の亜人だからなのか水に濡れるのは好かない様子でもある。


「雨というのは億劫なものだな」


「今は梅雨ですからね、もう少ししたら夏本番だと思いますけど」


「凛音は雨なのに特に変わった様子もないな」


雨の日は耳や尻尾が濡れるので雪樹は苦手な様子。


その一方で凛音はインドア派なのもあり雨の日は部屋で過ごしている様子。


「雨の日は遠くに行くわけにもいかないから暇だ」


「そういえば猫でしたっけ、雪樹さん」


「ああ、だから耳や尻尾が濡れるから外には出たくない」


「傘…は厳しそうですね、この場合はレインコートの方がいいでしょうか」


「レインコートというとあのビニールの服のようなやつか?」


雪樹の場合は傘よりもレインコートの方が向くと凛音は考える。

とはいえ猫だから濡れるのは嫌がるのは分かる。


尻尾をしまうのが難しそうだと凛音は思っていた。


「それにしても凛音の部屋はいいな、漫画やゲームが多くて捗る」


「元々外に出て遊ぶのは好きではないので」


「雨の日はこういうものがあると暇が潰せていい」


「雨の日は憂鬱ですからね」


「しかし凛音は生粋のインドア派なのだな」


凛音は運動は得意な方ではないが、バンドをやっているだけあり体力は凄い。

そういうトレーニングをしているという事なのは分かる。


この細い体のどこにそんな体力があるのかと雪樹もたまに驚く事がある。


「こっちの世界は娯楽が多くて飽きないな、いい事だ」


「雪樹さんの世界にもこういうのではなくてもゲームとかはないんですか」


「あるにはあるが一人で遊べるものが少ないな」


「ゲームなんかだとボードゲームとかですか?」


「ああ、こっちの世界で言うチェスのようなものは平民にも貴族にも親しまれている」


雪樹の世界にもゲームなどはあるが、一人で遊べるものが少ないという。

それもあり娯楽とは複数人で遊ぶものという考え方が一般的だとか。


本も小説などの文章を読むものはあるが、漫画のようなものは珍しいとのこと。


「僕の世界だとゲームは複数人で遊ぶというのが基本だからな」


「ボードゲームがメインなら確かにそうですよね」


「小説なんかはあるが、漫画はまず見なかったな」


「そういうのは文化の発達の違いなんでしょうか」


「絵を楽しむというのは基本的に絵画を見るものだからな、僕の世界では」


娯楽の違いは世界でかなり違うようではある。

雪樹の世界にはイラストのようなものがない。


絵といえば絵画なのだ。


「こっちの世界には娯楽が多すぎて遊びきれんな、それがいいのだが」


「雨の日は外で遊ぶわけにも行きませんからね」


「ついでに言えばどこかに出かけるのも面倒だからな」


「引きこもるに限りますね、雨の日は」


「凛音は外に出ると言えば本屋とかだろうからな」


元々インドア派なので外に出ると言えば本屋や電器屋が多い凛音。

電器屋に行くのはもちろんゲームを買いに行くためである。


凛音はゲームと言えば電器屋に買いに行くとのこと。


「それにしても意外と凛音のイメージとは違うゲームも多いのだな」


「これでも雑食ですから、ソロプレイのゲームは大体嗜みますよ」


「それでいろいろあるのか」


「協力プレイをするならオンラインゲームでいいですからね」


「オンラインゲームにも手を出しているのか、仕事があるのに凄いな」


凛音はコンシューマーゲームは基本的に一人で遊ぶようである。

だからなのか複数人で遊ぶ時はもっぱらオンラインゲームに潜るのだとか。


プレイ歴も長くオフ会に行った事もあるらしい。


「しかし仕事で忙しいはずなのにオンラインゲームをやる時間はあるのだな」


「はい、休日の昼間は基本的にログインしてます、毎回ではないですが」


「料理のおすそ分けに来るという事を考えても時間はきちんと考えて配分しているのだな」


「料理は基本的にまとめて作って温め直して食べる事が多いですよ」


「おすそ分けに来てオンラインゲームにも潜れる理由がそれか」


どうやら思っている以上にガチゲーマーの様子の凛音。

仕事をこなす一方で休みの日はまとめて料理を作りログインする。


インドア人間の休みの日の過ごし方である。


「凛音は思っているよりも凄いのだな」


「休みの日に外に出るのも面倒ですから」


「筋金入りだな、これは」


凛音の思わぬ一面を見た雪樹。

とはいえ雨の日は凛音の部屋に入り浸るのが好きらしい。


ゲームや漫画がたくさんある凛音の部屋は雨の日には最適なのだ。


雪樹も雨の日の過ごし方を覚えたようである。

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