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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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不思議なお店

最近はすっかり遠出するようになった雪樹。

そんな遠出先で店などに入る事もあると最近は言っている。

お金は現金と電子マネーを一定の金額を渡されている。

その外出先で見た不思議な店が気になったようだ。


「なあ、明らかに採算が取れてなさそうな店はなんなんだ」


「それってもしかして金物屋とか駄菓子屋みたいな店かな?」


「ああ、明らかに利益が出てるとも思えないんだが」


それは遠出先で見たどう見ても利益が出ていなさそうな不思議な店。


二郎なら何か分かるかもしれないとそれを聞いてみる。


「あの店は売れているとも思えないんだが」


「あれね、あれは別に売れなくても潰れないからくりがあるのよ」


「売れなくても潰れないからくり?そんな裏技のようなものがあるのか?」


「店主がおばちゃんだったりとそんな若くない人じゃなかった?」


「ああ、確かにお世辞にも金持ちに見える人ではなかったな」


金物屋や駄菓子屋がなぜ潰れないのかという不思議。

流石に店主が病気になったりすれば休業はするでああろうが。


それでも明らかに利益が出ているとは思えないそのからくりとは。


「それでその秘密というのはなんなんだ」


「あれは不動産でたんまりお金を得てる事が多いね、だから完全な道楽なんだよね」


「不動産というのは確か土地を所有しているとかそういう話だったか」


「そうそう、それでお金が入ってくるから潰れる心配も特にないのさ」


「そんなからくりだったのか、凄い話だな」


不動産という仕組みは雪樹の世界にはないシステムだ。

土地を所有していてそれを貸し出したりするというシステムはあるにはある。


ただこっちの世界で言うような不動産システムはない。


「だがそれでも客が来なければ意味がないのではないか」


「個人経営の喫茶店なんかも基本的には金持ちの道楽だからね、収入は二の次さ」


「つまり別に店の収入がロクになくても生活していけるという事でいいのか」


「そういう事だね、あくまでも金持ちの道楽っていうところが大きいもんだからね」


「金持ちの道楽、こっちの世界の金持ちは余裕があるというのが分かるな」


金持ちにも様々いるのが世の中でもある。

ただお金を使ってくれる金持ちは大切にしろというのが二郎の持論だ。


使い道がどうであれ、金を貯め込む金持ちは信用ならないという。


「そういう人は金持ちとしてはどうなんだろうか」


「そうねぇ、経済ってのは金持ちがお金を使わないと回らないもんだぜ」


「つまりどんな使い方であれ金を使ってくれる金持ちはありがたいという事か?」


「そうそう、投資家は投資に金を使ってるから投資家なんだぜ」


「金を使ってくれる金持ちはありがたい、その考えは大切にすべきなのか」


投資家は投資に金を使ってるから投資家なのだという。

だからこそお金は循環させるものだとも二郎は言う。


このラーメン屋やアパートもそんな二郎なりの投資が関係しているのだとか。


「二郎も投資をしていたりするのか?」


「一応してるよ、このアパートとラーメン屋も道楽に近いしね」


「碧流達に貸しているのも家賃は取っているのか?」


「一応家賃は取ってるけど、一般的に比べるとかなり安いからね」


「金持ちの道楽というのも何かとあるのだな、この世界は広いな」


家賃は一応取っているが、相場に比べるとかなり安いのだとか。

ラーメン屋とアパートも基本的には道楽である。


ただこの国で生きていくと決めた時からそういった事も手を出したのだという。


「なんにせよ金持ちの道楽だというのは意外な答えだったな」


「慈善事業に近いものもあるわよね、店は赤字でも困らないんだから」


「まさに採算が取れなくても困らないという事なんだな」


「そうそう、だからこそ金持ちの道楽なのよ」


「金持ちだからこそ出来る道楽、秘密とはそういう事だったのか」


二郎はそういうからくりについても当然知っていたわけで。

金持ちの道楽だからこそ赤字でも全く構わないし困らないという話。


お金があるからこそ出来る道楽なのだと。


「金をきちんと使っていて収入があるから赤字でも困らない、凄い話だな」


「不動産ってそういうもんだからね」


「そのシステムについても勉強すべきか」


「その店主とかも実はお金持ちなんだよね、そう見えないだけで」


「老人や初老の人が実は富豪というのは見た目では分からんな」


まさに人は見た目では分からないの典型である。

赤字だろうと潰れる事がない理由。


どう見ても売れていないのに潰れない不思議の話だ。


「さて、また少し出かけてくる」


「あまり遠くまで行きすぎないようにね」


「ああ、ではな」


雪樹も金を使わずとも遠出出来るのはその身体能力だからこそ。

走るだけで風のように速く走れるのは亜人であり忍者だからだ。


高い身体能力は走るだけで鉄道の駅で数駅先まであっという間に行ける。


お金も節約出来る走って遠くまで行くのが雪樹流である。

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