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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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花粉の季節

こっちの世界では春に入り始めた季節の変わり目。

そんな春へと変わる際に避けては通れないものがある。

言うまでもなく花粉の事なのだが、どうやら卯咲子が花粉症の様子。

雪樹もそんな花粉症というのが気になっているようだ。


「ずびー!」


「卯咲子、ずいぶんと辛そうにしているな」


「あー、うん、この季節は花粉が本当に辛いんだよねぇ」


卯咲子の部屋のゴミ箱には鼻をかんだティッシュが山ほど入っていた。


花粉症はモデルの仕事にも直結しているので辛いようである。


「ぐずっ、あー、花粉なんて滅びればいいのに」


「その花粉というのはなんなんだ」


「雪樹の世界だと花粉ってないの?そもそも杉の木が植えられてないのかな?」


「スギか、僕の世界にはそういう木はあると思うが、花粉は飛ばないぞ」


「羨ましいなぁ、鼻が詰まるしティッシュはどんどんなくなるし」


卯咲子の花粉症もなかなかに深刻な様子。

鼻炎薬なんかも持っているものの、辛い事に変わりはない様子。


雪樹には分からない悩みとも言えよう。


「雪樹の世界にもスギに似た木はあるんだよね?」


「木はあるにはある、ただ花粉は飛ばないと思う、そういう症状は知らんからな」


「羨ましいなぁ、花粉のない世界に行きたい」


「それだけ深刻という事か」


「うん、この季節は目も鼻も地獄だよ」


花粉症に悩まされるのはこの世界特有なのかもしれない。

雪樹の世界には花粉症はないらしいので、少なくとも花粉症とは無縁だ。


なお花粉症はスギに限らないので、別の花粉症も当然ある。


「私はスギ花粉症みたいだけど、世の中にはヒノキの花粉症とかもあるからね」


「つまり花粉症というのは一つではないのか」


「あとこの国特有のものでもなくて、世界だと他の植物で花粉症になったりとかあるって」


「だが花粉と言うからには花なのだと思うが、木なのか?」


「一応ね、スギとかヒノキはこの国特有みたいで海外だと他の植物でもなるみたい」


花粉症は何もスギやヒノキだけではないのだ。

海外に行くとそんな木が植えられていたりするのは珍しい。


それでも花粉症は存在するのでやはり花粉症は難敵のようだ。


「鼻炎薬を飲んでおけば少しは楽になるけど、寝てる時が辛いんだよね」


「眠っている時にまで鼻が詰まるというのは辛いだろうな」


「うん、起きてる時でも一日でティッシュが一箱なくなるのに」


「鼻というのはそれだけ辛いという事か」


「ついでに目も痒くなるから、どっちもきついよ」


卯咲子も鼻炎薬などで凌いでいるものの、辛さは変わらないらしい。

それは花粉症という地獄を語るには充分な話でもある。


マスクは欠かせないし、鼻炎薬も欠かせないのである。


「花粉の季節は外に出たくなくなるよねぇ、とりあえずマスクとサングラスは必須かも」


「そういえばマスクをしている人を多く見ると思ったが、そういう事か」


「そういう事だね、この国だと冬にマスクをしてる人は多いけど、春も多いよ」


「花粉が飛ぶからだな」


「私もマスクしてないと鼻が死にそうだからね」


花粉の辛さは花粉症の人にしか分からないのかもしれない。

そんな雪樹は自分の世界には花粉症がないからなのかその苦しみは分からない様子。


それでも外でマスクをしている人を多く見るので、なんとなくは察している様子。


「外に出たくないなぁ、この季節は外が地獄に見えるよ」


「そういえば気象予報でも花粉の情報を出していたな、そういう事か」


「それだけ花粉症は国民病みたいな感じなんだよね」


「だがかからない人はかからないものなのだろう?」


「うん、花粉症はアレルギーの一種だからね」


雪樹も医学にそこまで詳しくはないがアレルギーはなんとなく分かる。

花粉症はそういう病気でもあるという事だ。


なんともなかった人が突然花粉症になるという事も当然あるのだから。


「あ、ティッシュがなくなった、新しいの出さなきゃ」


「本当にあっという間になくなるな」


「それが花粉症だからね」


「辛いものだな、この季節は」


「本当だよ、目も鼻も地獄だもん」


卯咲子の地獄はまだ続きそうである。

花粉の季節が地獄なのは花粉症の人にしか分からないのかもしれない。


この世界は何かと大変なのだなと雪樹は感じていた。


「ずびー!」


「花粉症というのはそれだけ辛いという事か」


「ぐずっ、そういう事だよ」


そんな卯咲子の花粉症もなかなかの重症の様子。

雪樹もマスクをしている人が多い理由が分かったのもある。


そんな雪樹はピンピンしている。


花粉のない世界が羨ましい卯咲子の気持ちも分かるのだ。

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