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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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凛音の亀

最近は遠出するようにもなった雪樹。

お金が足りなくなっても最悪走って帰ってこられるのは雪樹の強み。

異世界の忍者というのはそういうところは規格外である。

そんな中凛音の部屋にお邪魔しているようで。


「凛音、この亀はなんだ?」


「その子ですか?デビュー当時から飼ってる(あかり)ちゃんですよ」


「この亀は明という名前なのか」


凛音が部屋で飼っている亀の明。


犬や猫といったペットは無理だと二郎に言われたが亀なら大丈夫だったらしい。


「ここはペット禁止だと二郎は言っていたが」


「犬や猫みたいなのは無理みたいです、亀とか魚みたいなのは大丈夫だそうで」


「どういう基準なんだろうか」


「それは分かりませんが、幼稚園や学校でもうさぎや亀を飼育していたりはしますし」


「基準が分からん、どんな基準なんだ」


基準については分からないようだ。

ただ亀が平気というのはサイズ的な問題だったりするのか。


それとも内装を傷つけたりしないためなのか。


「ただ亀とは意外だな」


「亀はペットだと世話は楽な方ですから、仕事もありますしね」


「意外と食べなくても平気な生き物なのか?」


「鶴は千年亀は万年とも言いますからね」


「そんなに長生きするのか?」


鶴は千年亀は万年、もちろんそこまで生きるわけではない。

とはいえ亀が長く生きる生き物なのは事実だ。


凛音が自分のパートナーに選んだ理由がなんとなく分かる気がする。


「亀を選んだ理由がなんとなく分かった気はするな」


「ええ、私の成長を見ていて欲しいという気持ちも込めてですね」


「しかし亀か、僕の国でも亀は長寿のシンボルと言われていたな」


「そうなんですか?」


「亀のようにどっしりと生きていくようにという願いはあるらしい」


亀に対する見方は雪樹の国にもあるらしい。

そういう神の使いのような扱いをされる生き物がいるのは変わらないのだろう。


亀は長生きするからこそ子供と共に成長するパートナーにも相応しい。


「そういえばこちらの世界だとペットショップもあるのだったか」


「ええ、亀はそこで最初のお給料で買ったんです」


「凛音らしいな、最初の給料をそういう事に使うというのも」


「せっかくですからね、パートナーを選ぶのもいいでしょう」


「しかしこの亀が凛音の成長を見守ってくれると思うと面白いな」


パートナーを選ぶのに最初の給料を使う。

それは凛音らしいとも言える。


この亀は凛音だけでなくバンドの成長も見ていくのだろうという事だ。


「そういえば学校でうさぎや亀を飼育しているというのはなんなんだ」


「小学校でうさぎを飼育していたり、幼稚園で亀を飼育していたりはあるんですよ」


「つまり子供の頃からそういった教育をしているという事でいいのか?」


「だと思います、私も小学校の時にはうさぎを学校で飼育していましたから」


「なるほど、こちらの世界の学校はそういう事も教えているのか」


学校や幼稚園で生き物を飼育している。

それはそういう教育も含んでいるのだろう。


凛音も小学生の時に学校でうさぎを飼育していたという。


「だが亀の飼育はそこまで簡単でもないだろう」


「そういうのを教えるのも教育なんだと思ってますよ」


「ふむ、しかし亀が長生きするから選んだというのは凛音らしさが出ているな」


「子供が生まれたらペットを飼うと成長を見守るパートナーになるって言いますから」


「子供は生まれていないが、バンドの結成に合わせてという意味なら納得だな」


子供が生まれたらペットを飼う。

成長と共にそれを見守るパートナーになる。


バンドの成長を見届けるその役目が亀の明に託されたという事である。


「この亀がバンドの成長を見届けると思うと楽しみだな」


「雪樹さんも亀は無下には扱わないんですね」


「僕の国だと神獣の一体は亀だからな」


「神獣ですか、それも興味深いですね」


「だから亀は偉大な生き物という認識なのでな」


雪樹の国では神獣の一体が亀なのだという。

なので亀に対しては畏敬の念もあるのだろう。


要するに玄武的なあれなのかもしれない。


「それにしても可愛い奴め」


「愛くるしいですね」


「亀もこれから大きくなる、それも楽しみだな」


凛音の飼っている亀の明。

それはこれからバンドメンバーの成長を見守っていくのだろう。


亀は長生きする生き物。


鶴は千年亀は万年とは言ったものである。

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