表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
27/90

こっちの世界の悪い人

近所なら自分の足で見て回れるようになった雪樹。

そんな中こちらの世界にも悪い奴はいるのかと聞かれる。

それについては二郎に聞くのがいいのではないかと伝える。

雪樹は仕事のついでにそれを聞いてみる事に。


「出来たぞ」


「はいよ、助かったよ」


「雪樹って家賃代わりに働いてるんだよな?おっさんも人がいいよな」


仕事も終わり今は客も少なくなる時間。


二郎の作るまかないは雪樹も気に入っている。


「そういえば雪樹ちゃん、こっちの世界の悪い人について聞きたいのよね」


「ああ、この国の民はいい人が多いが、それについても学んでおきたい」


「悪い人ねぇ、だとしたら反社会的な政党とか帰化してない隣国の人とかかな」


「それだと定番すぎないか?」


「でもこの国でマフィアとか中東辺りのテロリストって言っても実感ないでしょ?」


二郎の言う事もまあ間違ってはいない。

実感のない悪人より身近な悪人を教えた方がいいのはある。


それもあっての説明なのだろう。


「まず歴史的に言うならこの世の一番の悪は共産主義者かねぇ」


「共産主義者って歴史において大抵は大量虐殺みたいな事やらかしてるんだよな」


「そうそう、俺の元いた国だとそれこそ1000万単位で殺した指導者がいてね」


「1000万単位で人を殺した…そんな恐ろしい国の指導者がいるのか」


「他の共産主義の国でも大体は相当にやばい事が行われたのは有名よね」


二郎はこれでも歴史についてはそこそこ詳しい方だ。

この国に帰化するに当たりそういった事も勉強している。


だからこそ恐ろしさも知っているという事なのだろう。


「この国でもその思想を持つ人達は一定数いるのよ、公安にマークされたりしてるしね」


「普段生活する分にはともかくだけど、信者の高齢化が進んでるとは言うよな」


「そうそう、だからあと30年もすればみんな高齢で亡くなるとは言われるわね」


「若い者達はその恐ろしさを知っているから共感などしないという事か」


「次に言えるのは帰化してない隣国の人達かしらね」


二郎の言う帰化してない隣国の人達。

それは歴史において隣国というのは基本的にいがみ合うものとも言う。


それについての説明はデータが示しているとのこと。


「帰化してない隣国の人っていうのはまず犯罪を犯した人の数のデータがある」


「それって外国人の割合が圧倒的に高くて、特に隣国の人ってやつだよな」


「そう、その隣国の人達はこの国を敵だと思ってる、それが国内にいるのよ」


「なぜ敵国の人間が国内にいるのだ」


「多くは密航してきた連中、それが二世三世ってなってるわけ」


二郎が言うにはこの国の政治や司法にも入り込んでいるとの事。

それにより重要なところにはそいつらが巣食っているという事だという。


そもそもそうなった経緯もあるとのことらしいが。


「そいつらは暴力で権利を得たからその味を占めちまってるって事ね」


「そういえば役所に集団でつめかけて暴力で権利を認めさせたとかあったな」


「そんでなんで帰化しないか、それは特権がなくなるからなのよね」


「つまりそいつらへの特権を国が認めているというのか、とんでもないな」


「結局はこの国の人達の国民性ってもんを利用されたに過ぎない話だけどね」


二郎曰く性善説で接していたからこそ付け込まれたのだろうという。

こっちの世界の悪い人についての話だが、まずは身近からという事だ。


国内の悪についてまずは知る事からだというのが二郎の考えでもある。


「ただ敵国ってのは向こうが一方的に言ってるだけんだぜ」


「でもこっちも敵国に認定してもいいような事は散々やられてるよな」


「政治にも入り込んでるから、そいつらが猛反対するから無理なんだろうね」


「むぅ、この国の闇は思っているよりも深いな」


「スパイを摘発する法律もないからスパイ天国なんて言われてるしね」


技術を持ち帰るという任務を受けている雪樹も人の事は言えないのか。

とはいえ異世界人の雪樹と隣国の人間とではそもそもが違う。


そういった国内に巣食う帰化してない隣の国の人間や共産主義者こそが注意すべき相手だ。


「この国はしがらみとかも多いから思うようにいかないのは焦れったいわよね」


「おっさんもそういうのを分かってるから言えるんだろうしな」


「想像以上に巣食われているという事か、むぅ」


二郎は歴史についても学んだからこそそれを悪と言うのだろう。

この国の隣国の人間の性質は痛いぐらい知っている。


それはこの国を憎むという歴史における岐路。


国民性という言葉にも変えられるこの国の特異さでもあるのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ