表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
20/90

綺麗な水

しっかりとこちらの世界の技術を吸収している雪樹。

そんな雪樹は様々なものに興味を示す。

前から気になっていたのはこちらの世界では綺麗な水がある事。

とはいえそれも国の事情というものらしい。


「こちらの世界では綺麗な水は当たり前なのか?」


「ん?綺麗な水が珍しいかね」


「でも水道水が飲める国って珍しいんじゃないの?」


水道から普通に綺麗な水が出て飲めるという事。


それは雪樹からしたら凄い事なのだろう。


「水道水が飲めるって何気に凄い技術なんだよね」


「この国では当たり前のようなのにか?」


「外国に行くと水道水が飲める国って意外と珍しいよね」


「それだけこの国の水に関する技術は進んでいるのか」


「そうなるかな、僕の国なんかだと赤い川なんて言われたりしてたし」


水道水が飲める国は実は珍しいというのは嘘でもない。

この国は衛生に関しては海外から見たら潔癖に見えるぐらいだ。


水道水が飲めるというのはそれだけ浄水や水道関係の設備が整っているとも言える。


「まあ水道水はカルキ臭いとか言われるけど、それは綺麗な証拠ってやつだよね」


「僕の世界だと水を綺麗にする技術はあるが、基本的には井戸水だな」


「そういえば田舎の方に行くと水道水がミネラルウォーターみたいに美味しいよね」


「それは自然の水という事なのか?」


「この国の上下水道は凄いけど、綺麗に見える川の水とかは意外と危険なんだよね」


二郎が言う綺麗に見えて実は危険な川の水など。

それは自然の水とはいえどこで汚れが混ざっているか分からないからだ。


だからこそ水道水の安全性がこの国では言われている。


「外国だとそれこそ危険と分かってても泥水を飲まなきゃならん国とかもあるものだし」


「こちらの世界も国によって貧しかったりはあるのか、意外と変わらないな」


「だから上下水道の設備が整ってる国は意外と珍しいんだよね」


「むぅ、綺麗な水は素直に凄いと思っていたが、事情はあるのだな」


「水道自体は通ってる国も多いけど、水道水が飲める国ってなると別だからね」


この国はそれだけ衛生というものを強く意識している。

夏は高温多湿になる事もあり、生物はあっという間に駄目になる。


だからこそそんな環境でも食べられるものが生まれ、飲める水が生まれたのだ。


「そういえばこっちだと生卵も食べるのだろう?僕の世界からしたら信じられん」


「そもそも生卵を食べる国なんてこの国ぐらいだよね」


「外国でも生卵は食べないのか」


「生でも食べられるっていうのはそれだけ綺麗にしてる証拠、そういうものだぜ」


「綺麗にしている証拠、この国は水といい食文化といい凄いな」


そもそもこの国が特殊すぎるとも言えるのはある。

生魚や生卵を食べるというのは海外から見れば特異に見えるのだろう。


今でこそそれも受け入れられているが、同時にそれはこの国だから発達した文化とも言える。


「普通は生で食べると大体食中毒をやらかすもんだ、生食はそれだけのリスクなのさ」


「それなのにこの国では生卵に生魚、僕の国でもそれは食べていたが改めて凄いな」


「雪樹の国でも生卵や生魚は食べてたんだ」


「僕の国ではな、他の国からは頭がおかしいと言われていたが」


「でも反応としては普通だと思うよ、魚や卵を生なんて正気じゃないってね」


この国だからこそ食べられるものといえばやはり卵かけご飯だろう。

刺し身などは今は外国でも食べられる国はある。


しかし卵かけご飯はこの国特有と言うしかない文化だ。


「水道も卵も魚もそうだけど、それだけ先人達の努力があるもんだよね」


「そうだな、それだけ清潔にしているという事でもある」


「二郎さんも今じゃこの国から離れたくないって言ってるもんね」


「この国は居心地がいい、それも無理はないな」


「まあ元々国に帰るつもりがないから帰化したわけだし」


この国の凄さを改めて感じているのは雪樹も二郎も同じなのだろう。

それだけ恵まれている国という事でもある。


綺麗な水というものはそれだけの素晴らしさとも言えるのだから。


「さて、雪樹ちゃんはまたどこか行くのかしら」


「ああ、食事はすまなかった、また必要な時は声をかけてくれ」


「技術を持ち帰るって言ってるけど、上手くいくものなのかな」


この世界も隣の芝生は青く見えるもの。

雪樹から見たこの国の素晴らしさと話に聞く外国。


世界はこの国だけではないという事。


それも興味を示している。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ