鉄を使った様々
こっちの技術についても様々を学ぶ雪樹。
そんな技術については昔のものなどにも興味を示していた。
何に興味を示したかというと、それは軍事関係だった。
それについて詳しい人を碧流から聞いたようで。
「失礼する」
「はい、どうぞ」
「ここが凛音の部屋か、また雰囲気が違うな」
碧流に言われて話をつけたのか、凛音の部屋にやってきた雪樹。
興味を示したものについても尋ねてみる。
「えっと、軍事関係の事が聞きたいんですよね」
「ああ、ネットというので見たのだが」
「なるほど、それで何が知りたいのですか」
「主に海軍の事について知りたい」
「海軍ですか、少し待っててください」
気になったのは海軍だという雪樹。
凛音は漫画やゲームを好むタイプなので、それから趣味も広がったという。
そこで資料なども買い漁ったと夏花が言っていた。
「それで資料は簡単なものだとこんな感じですが」
「資料だけでこんなにあるのか」
「はい、軍艦の事から軍隊の事、戦争の資料なんかもありますね」
「ふむ、この軍艦というのは鉄の船という事でいいのか?」
「そんな感じですね、当時はそれこそ500隻を越える軍艦を所有していたとか」
歴史というよりは技術に興味があるのが雪樹だ。
なので軍艦や戦闘機といったものに興味を示しているようではある。
その数にすら圧倒されているようで。
「軍艦には戦艦や巡洋艦、空母や駆逐艦などがあるが、これは目的に合わせてか?」
「はい、目的に合わせて重さや装備が変わってきますから」
「他にも潜水艦や海防艦、まだ何かとあるのか」
「役割に関してはここにまとめてあります、海戦というのは沈め合いですからね」
「僕の世界でも海戦は普通にある、ただ鉄の船というのはまだないな」
雪樹の世界では魔法が発達しているが、それは戦いに優先して使われる。
船による海戦も行われているものの、基本的には木造船だ。
戦闘機も当然なく、飛空艇による空戦が行われているという。
「役割があるのは理解したが、鉄で作るというのはどうやって作るのだ」
「主に造船所ですね、船を専門に作る大型の設備です」
「造船所、僕の世界でも船は造船所だが、こちらとはずいぶん違うな」
「あと強さよりも数を優先して作られた駆逐艦などもありますよ」
「つまり短い時間で量産していたというのか、凄いな」
歴史において等級などもあるものの、量産を可能にしたものもある。
海外に行くとそのクラスだけで100を越えるクラスなどもある。
過去の戦争における海戦から、現代におけるまで今でもアップグレードされているのだ。
「現代の海軍でもこういったものは最新技術で現役ですよ」
「現代でも意外と変わっていないのか?」
「設備なんかが最新になっていますけど、そこ以外はそんなに変わってませんね」
「ふむ、やはり鉄というのは時代などに関係なく求められるものなのか」
「役割は分かりましたよね?製造なんかも設備は当時でも凄かったとは言われてますから」
雪樹もその役割などを覚え、現代においても最新の技術で生き残っていると知る。
この世界の文明の発達を見てもそういったところは変わっていないのも意外に思う。
ただこういったものを造れるようになれば自分達の国も一気に大きくなれると感じた。
「こういったものは僕の世界にも持ち帰りたいものだな」
「雪樹さんの世界だと海戦はあっても軍艦はないんですね」
「しかし役割に応じて船のサイズも変わってくる、それは覚えないとな」
「でもこれは昔の資料ですから、現代のものはこれよりも凄いですよ」
「昔でこれだけの数と性能を誇っていたのは素直に凄いと思ったな」
そんな中それなら面白いものがあると凛音がそれを見せてくれる。
それは自衛隊の見学だった、流石に機密は見られないがある程度は見られる。
他にも海上自衛隊の内部見学などもある。
「この国では民間人が軍隊の中を見られるというのか」
「はい、今度休みを取って行こうと思うんですが、ご一緒します?」
「いいのか?」
「そちらさえいいのなら」
「なら見に行きたいな、ぜひとも頼む」
凛音は今ではそういったものも趣味になっている。
雪樹はぜひとも見に行きたいと答える。
なので予定が決まったら改めて計画を立てようという事になった。
「では申し込んでおきますね、ただ抽選なので外れたらごめんなさいという事で」
「分かった、当たるように祈ろう」
「はい、当選したら一緒に行きましょうね」
思わぬ話を持ちかけられた雪樹。
スパイ行為になるのかとも思うが、異世界人なのでまあいいのかとも思う。
凛音が自衛隊の見学に申し込み、当たったら休みを取って行く事に。
戦争や軍隊における事情もこちらの世界とは違うからこそ技術を持ち帰ろうとする。




