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荒廃した世界を救うもの  作者: あさしおやしお971号
技術の発展した世界
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ただの口説き魔

雪樹にこちらの世界を見せ始めてからしばらく。

こっちの世界にも慣れてきたのか、近所ぐらいなら一人で出歩けるようになった。

そんな今日は咲夢と夏花が手が空いているので二人と息抜きに外食に。

そこで咲夢の毎度のような話を聞く事に。


「誘ってもらってすまなかった」


「たまにはこういうのもいいでしょ」


「だね、まあファミレスだけど」


近所のファミレスに雪樹と咲夢と夏花で食べに来ている。


夏花が奢ってくれるという事もあり、雪樹も甘えておく事に。


「それで咲夢、あんたこの前の収録でまた共演した子を口説いてたわよね」


「咲夢は同性の人気も高いとは聞いているが、自分から口説きに行くのか」


「ただ挨拶をしただけなんだけど、それが口説いているように見えるのかな」


「ルックスというやつか?」


「本人はそのつもりでも相手は顔赤くしてたのよ、罪作りな人よね」


どうやら先日の番組の収録の際に共演者の顔を赤くさせていたらしい。

本人はただ挨拶をしただけらしいが、言葉の魔力である。


夏花曰く女の子と共演すると甘い言葉がスラスラと出てくるのだとか。


「咲夢って学生時代も女の子に人気だったらしいのよ、王子様って呼ばれてたとか」


「まあ確かに凛々しさが際立つ感じはする」


「女子校だったんだから、女の子しかいないからね、私は普通にしてただけなのに」


「普通にしているだけで向こうから惚れるのか、恐ろしい奴だな」


「その癖が今でも抜けてないんじゃないかしら、だから相手の事務所に注意されるのよ」


そんな話をしていると料理が運ばれてくる。

とりあえず料理に手を付けて話の続きが始まる。


夏花曰く咲夢は口説き魔の如く相手を落としていくのだとか。


「私は別にそんなつもりはないんだけどね」


「美しさは罪とはよく言ったものだと思うぞ」


「そのせいで共演したいっていう女の子が多いのよね、事務所は慎重らしいけど」


「同性人気の高さが分かる話だな」


「私は全然ウェルカムなんだけどね」


夏花が言うには相手を褒めるのがとにかく上手いのだとか。

そんなトークスキルもあってかその界隈では口説き魔と言われているらしい。


凄いところでは色魔とまで言われているそうで。


「メンバーでさえ咲夢のやりたい放題は凄いって認めてるものねぇ」


「まさに口達者と言うに相応しいという事か」


「別にお持ち帰りしたりはしないけどね、あくまでもコミュニケーションの一環だよ」


「口が上手いというのは立派な武器だぞ、スパイにでもなればいいのではないか」


「雪樹が言うと冗談に聞こえないから、やめておきなさい」


なんにしてもそんなエピソードがこれでもかと出てくるのが咲夢らしい。

しかも歳下どころか、歳上までも口説きに行くという。


本人はあくまでも挨拶、コミュニケーションだと言って譲らないが。


「そういう夏花だって熱く語ろうとして止められていただろう」


「そうなのか?」


「私って趣味の話になるとどうもね、うちのメンバーが基本そんな感じだし」


「好きな事になると熱くなれるのは素晴らしいと思うぞ」


「夏花は趣味の話になると止まらないんだよ、それで司会に止められたりするんだ」


どうやらメンバー自体が濃いメンツの集まりの様子。

夏花も趣味の話で熱くなってしまった事もあるとか。


とはいえ咲夢のエピソードはまだまだあるらしい。


「ただ咲夢はどうやったらそんなスラスラと言葉が出てくるのよ、不思議よね」


「教養があるという事でいいのではないか」


「別にそんな立派な学校に通ってたわけでもないんだけど」


「こちらの世界は教育がきちんと行き届いているのは素晴らしいと思うが」


「実は悪魔なんじゃないかって言われたりしてるわよね」


悪魔は人を堕落させて破滅させるもの。

咲夢の普段を見ていると夏花はそう思ってしまう事もあるとか。


やはり他の事務所に警戒されるというのは伊達ではないらしい。


「さて、食べ終わったし払って帰るわよ」


「だね、長居しても失礼だ」


「すまなかったな」


外食に誘われた先で聞いた咲夢のエピソード。

それは他の事務所のアイドルや女優などをやたら口説く咲夢の凄さ。


本人はそんなつもりは一切ないのも罪作りな人だという事が伝わってくる。


一部界隈で口説き魔や色魔とすら言われる咲夢の凄さは知る人ぞ知るという事らしい。

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