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【超工事中!】てんさま。~転生人情浪漫紀行~  作者: Otaku_Lowlife
第一部 4章 ホールディングアブセンス
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In Circles_7

「お爺さん、誰ですか? このヒトは……。なぜ、お爺さんの家で眠っているんです?」


 チトさんが扉を開いて、眠るナツの部屋へ足を踏み入れた時だった。

洗い物を終えた2人が、俺の後ろから現れた。

眠るナツを見たアスは、それに歩み寄りその傍に無表情のまま立ち尽くしていた。


「アス、これはお前の弟じゃ。」


「? ――お爺さん、いま僕はナツです。それに、僕に弟はいません。

 えっと、意味がよく解らないのですが――」


「いいか、よく聞け。」


 チトさんの声は震えていた。

今までとは違う、怯えたような、何かを怖がるような、そんな声だった。 

目を見開いてアスの目をジッと見据え、必死にその歪みと向き合っているのだろうと解った。


「よく聞け、アス! お前は、決して悪くない。悪くないのだ……。

 悪くないが、ズルをした。その償いを今、させてやろうと言うのだ。」


ハッキリと声を張り、どこか悔しさを滲ませてそう言い終えると、チトさんは俺の方に向き直る。


後は頼んだぞ――


そう言う様に、俺の目の奥をじっと強く見据えていた。


はい。確かに頼まれました――


 しっかりと頷いて、俺は前へ出る。

ベッドの脇でアスの隣に立った時、アスは震えていた。

戸惑ったように肩を震わせ、呼吸が乱れている。

今にも逃げ出しそうだった。

けどここに立っている――向き合おうとしている。

それだけで、もう十分なはずだ――


「シーヴ、さん……? なにを――」


俺は錯乱気味なアスの手を取り、安らかに眠るナツの顔に触れた。




ー アス、一緒に帰ろう…… ー




ぶっちゃけヒケコイの次回予告が一番面白いと思う。

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