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Liar_2
ララちゃん。
ねぇ、ララちゃん。
名前を呼ぶたび笑顔で駆け寄ってくるね。
どこに行く時も嬉しそうに後ろをついてくるね。
ねむたくて倒れちゃいそうな時でさえ抱き着いてくるね。
甘えん坊で、泣き虫で、いっつも、おかぁさん大好きって言うね。
ママも、ずっと、ずっと、ずっと…大大大好きだよ。
ずっと…傍に居るから……
だから もう 泣かないでね
***
もしかしたらメノさんは「余計なことだ」と言うかもしれない。
きっとこんなことする必要なんて、もう微塵もなかっただろう。
だってもう、ライラは自分の母親の愛情の深さを理解していたし、母親が嘘つきでないことも理解していた。
じゃぁなぜこんなこと――
それはきっと俺が、母親の最後の願いを、その最後の想いを、この泣き虫な少女に、どうしても届けたかったから。




