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【超工事中!】てんさま。~転生人情浪漫紀行~  作者: Otaku_Lowlife
第一部 3章 エンバー
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Feed The Wolf_4

暗い洞窟から這い出た時、月明りに照らされた私は、醜い獣だった。


けれど不思議なことに、朝日の訪れと共にヒトの姿になっていた。


それから私はここが元居た場所でないことを悟った。


街に溶け込み暮らすようになった。


そしてまた満月の夜が訪れると、一層醜い獣の姿となった。


私は満月を恐れて暮らすようになり、獣となる夜には逃げるように小さな森へ身を隠した。


獣になる度に、ヒトを食いたい衝動に駆られた。


その欲望は満月が訪れる度に強くなり、日々爛れていく醜い獣の姿に震える夜を過ごした。


そんな日々を誰にも正体を見られる事無く、どうにかやり過ごしていたある夜。


獣となった私はいつものように小さな森へ身を隠した。


そこで不自然な鳴き声を聞いた。


声のする方へ近づくと、美味しそうな赤ん坊を見つけた。


魔が差した。


食べる。


汚い唾液を垂らしながら、柔らかく肉厚な赤ん坊を掴んだ時、何故か涙がこぼれた。


食べたくて、食べたくて、食べたくて食べたくて食べたくて――仕方がなかった。


私はヒトなのに――この柔らかくて新鮮なお肉を食べたい。


獣なのに――その御馳走を食べる事が心苦しかった。


御馳走が大きな悲鳴を上げるたび、その柔らかな骨肉に齧り付きたい衝動に駆られた。


醜く爛れた、太く大きな手で新鮮で柔らかな極上の肉塊を掴んだまま、私は朝を迎えた。


伊豆行きてー。

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