Plot in you
暫くは更新ではなく改稿に時間を費やします。
これまでに溜めに溜めた100万文字に及ぶ負の遺産を清算しなければなりません(いや無理だろ)。
※このパートは人物の精神的ストレスを表現するべく過度にストレスフルな行間詰めをしています。
予めご理解頂きますようお願いします。
結婚をして子供を作ったのははやく家を出たかったから。厳しい親から開放されてはやく自由になりたかったから。子供は好き。結婚して間もなく娘が産まれた。数年後には保育所に娘を預けて旦那と私は共働き。育児送り迎え仕事家事世間体。全部私のタスクで自分の時間はない。旦那は仕事が忙しくてあまり帰ってこない。私は破裂するまで張り詰めた。唯一の安らぎは職場の男友達が誘ってくれる月に一度の飲み会。けれど私が祖父母の家に預けて彼らと遊んでいると旦那は目ざとく怒るようになった。俺はお前達のためにこんなにも必死にお金を稼いでいるのにお前は遊ぶばかりか浮気までしてって恨めしそうに言われた。違うのに。彼らは本当に心が優しいだけで邪な気持ちなんて持っていないのに。仕事と育児で疲れている私を気遣って遊んでくれてるだけなのに。そんな彼らとの清楚な関係すらも頑なに許されなくなった。大切な居場所をひとつひとつ順番に奪われた。私の世界はみるみるうちに小さくしぼんだ。帰ってくる度に憎悪を剥き出しにした旦那が私の頭を力任せに殴る蹴る。そんな時には娘は自室に丸一日引き籠もった。けれどご飯時にこんな揉め事が起こると逃げ場を失った娘の笑顔は一転無表情で私達の殺し合いをひっそりと見つめていた。喜怒哀楽の何も無い娘の真っ黒で虚ろな瞳が脳裏に焼き付いて旦那の怒号に気が狂いそうだった。現実逃避の出来る仕事の時間だけが安らぎ。だけど時と場合を選ばずにトラブルはいつも向こうの方からやってくる。私の親譲りの「魔性」が困難な問題ばかりを選りすぐりわざわざ私の元へ引き寄せる。何も知らない他の部所の男たちは私が当たり障りのない愛想を振りまくと誘っているのだとすぐに勘違いした。だからといって下手に距離を取ろうとすると今度はお高く止まっているとキツく突き放され職場での居場所が失われる。病的で神経質な空気の隙間。まるで針の穴に糸クズを通すように世間を上手く渡れるほど私はそんなに器用じゃない。もう疲れた。限界も超えて耐えきれない日々が続く。唯一の救いは旦那がいない時の娘の笑顔だけになった。旦那はよく仕事を変えた。理由はだいたい人間関係の不和。新しい仕事になって暫くしていよいよ旦那が帰ってこなくなった。仕事が忙しいからと何ヶ月も帰ってこなくなった。娘は口数も笑顔も減り独りで遊ぶようになった。私がご飯を作らなくなっても泣き言も嫌味も何も言わず他人事みたいにケロッとしている。それが私を苛立たせた。みんな勝手だ。何故私だけ我慢しなければならないの。全部私に押し付けて。私だけに背負わせて。それなら私だって自由にやらせてよ。そう思うようになってから私のタガは少しずつ外れて行った。娘も放ったらかしにして夜の街で男と朝まで遊んだ。毎日のように酒を煽り私だけに優しい男と寄り添って寝た。我慢していたブランド物もたくさん買った。娘が私に迷惑を掛けた時は叩いて踏んづけた。なりふり構わず身も心も自由になって魂まで洗われるように気が楽になった。悠々自適。あっという間に借金まみれになったけど罪悪感なんてカケラもない。むしろ清々しい。だって私以外の皆好き勝手にしてるから。何を言われても何も思わない。そういえばもう何日も帰ってない。まぁもういいか、あんなお荷物。どうせアレも私と同じ魔性の道をこれからずっと辿るのだから。未熟なうちに自分の未来を私と旦那の無意味な人生とその末路に見ることが出来たお陰で心構えが出来るのだからむしろ幾分か幸せなことだろう。
私は最低だ。
だけど私だって、自由でいたかったんだよ。
ついにヨシネンパパの前に姿を現したゴニョゴニョ大帝国総帥、フクヤーママ・サハール。
彼の口から衝撃的な真実が告げられる。
そんな……まさかヨシネンパパがショーグン家の血を引く勇者だったなんて。
ショーグン家の血筋を根絶やしにすべく全精力を持ってヨシネンパパに襲いかかるゴニョゴニョ大帝国。
ピンチのお父さんの元へ駆けつけたヨシネンもあまりの敵の数にビビって逃げ出しちゃった。
一目散に尻尾を巻いて逃げる我が子、その背中を悲しげな表情で静かに見送った時、ついに我が子への怒りに震え立つヨシネンパパの隠されていた真のショーグンパワーが覚醒する。
筋肉モリモリ、ブチギレヨシネンパパのバーサーカーっぷりに、さすがのフクヤーママ・サハールもたじたじ。
やっちゃえヨシネンパパ! 打ち砕かれた親子の涙で世界を救うのよ!!
次回!! ヒケコイ999999話!!
「玉砕ヨシネンパパ!! 親子の涙!!」
お楽しみに!!




