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【超工事中!】てんさま。~転生人情浪漫紀行~  作者: Otaku_Lowlife
第二部 終章 ブリング ミー ザ ホライゾン
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Bring Me The Horizon



随分と長いひとり語りだけど仕方ないと思う。




ウホ(なんて)……ウホウホ(こうやって)ウホウホホ(必死に話しても)ウホウホホウホ(なんかゴリラみたに)ウホウホウホホウホウホ(言ってるようにしか)ウホホウホホホイ(聞こえないんだってさ)……。」




――当然、想いは言葉に直さなければ、人の心には届かない。




ウホ(ホント)ウホホイ(笑っちゃうよね)。」




 いや、言葉にせずとも伝わる場合もあったのかもしれない。

しかし多くの想いは、その形を成すより前にただ無へと還ることとなる。




「……。」




 また言葉が相手に届いたとして、それが正しく伝わることは極めて稀であろう。

それは血の繋がりのある家族とて、例外ではないのだ。




「……ウホホ(他にも)ウホウホウホホ(色々あったんだよ)。」




だってほら――現に今だって、届かない。




ウホウホウホホ(花火大会に行ったり)ウホウホウホ(クソだせぇラップ)ウホホウホホイ(でバトルしたり)。」




今だって、全然なんにも届いてないんだ。




ウホウホホ(オバケ騒動に)ウホホホイ(見舞われたり)ウホホホホ(アケチコの)ウホウホホ(野郎のせいで)ウホウホウホ(殺人の冤罪)ウホホホウホイかけられたりもしたっけ。」




そして俺の想いは――こうして酷い嗚咽をどれだけ吐き散らかしても、きっともう届かない。




だけど、父さん――




ウホウホウホホ(パーティングギフト)ウホ(って)ウホウホホウホホ(俺を殺す為だけに)ウホホイウホホウホ(存在する最悪な技)ウホホ(もあってさ)……。」




この世界へ放り出された時、記憶も名前も空っぽだった。




ウホ(ホント)ウホホウホ(何から何まで)ウホウホホイ(最悪なんだ)……、ウホウホ(この世界)……。」




時々脳裏に浮かび上がる記憶を求めて彷徨って、空っぽのまま旅をする。




ウホホ(他にも)ウホウホホウホ(まだ他にもある)……ウホウホ(飛行機)ウホホイウホイ(作ったりもした)……。」




お世話になった村を出る時、共に行く仲間が出来て。




ウホ(あとは)……ウホホ(この間)ウホホホウホウホ(みんなでワイワイ)ウホウホホ(野球したんだ)。」




まだ旅の途中、大勢のヒトビトの悩みに触れて、悩んだり、助けたり、助けられたり、助けられなかったり。




ウホホ(他にも)ウホホ(他にも)ウホホ(他にも)……。」




まだ旅の途中、何かできたり、何も出来なかったり。




ウホ(まだ)ウホウホ(まだある)……。ウホウホウホホ(まだまだあるよ)……。」




まだ旅の途中、後悔も過ちも、二度と取り戻せない幸せな日々もある。




ウホホ(本当に)……。ウホホ(本当に)ウホウホホィ(楽しかったなぁ)……。」




まだ旅の途中、思い起こせば、たらればだらけの人生だった。




「……。」




けれど別れより、出会いの方が多かったのは、とても幸せなことだろう。




「……ウホ(ねぇ)ウホホイ(父さん)。」




 そう思えたのはきっと、一人ぼっちじゃなかったからなんだよ。

そして俺は、俺の為に――




ウホ()ウホホイウホホ(父さんにちゃんと)ウホウホウホホウホ(謝らなきゃいけない事)ウホホ(があるんだ)。」




この結末を、絶対のロマンにしたいから――




ウホホウホ(父さんの事)ウホウホ(最後まで)ウホホウホ(誤解したまま)ウホホウホ(だったから)。」




例え届かなくても――




ウホホウホウホ(アンタは俺のこと)ウホホ(捨てて)……ウホホウホ(母さんのことも)ウホホ(捨てて)……、ウホウホホウホホ(全部スッカリ忘れて)ウホウホホ(全部捨てて)ウホホウホホ(逃げたんだって)ウホウホホイ(そう思ってた)。」




ちゃんと、全部伝えたいんだよ――




ウホウホホウホイ(微塵も疑わなかったよ)……。ウホ()ウホウホホホイ(救いようのない)ウホウホイ(クズだからさ)……。」




 別に無駄だって良い。

だけど無意味なものにはしたくないから。

ちゃんと、伝えたいのに――




「……ウホ(けど)ウホホ(違った)ウホウホホ(アンタは逃げて)ウホホホホウホホ(なんかいなかった)ウホホウホ(父さんはずっと)ウホウホ(俺の事を)ウホホウホホ(想ってくれてた)……。ウホウホ(俺の事)ウホホウホ(最後まで)ウホウホホホイ(思ってくれていた)ウホホウホ(忘れてなんか)ウホウホホホイ(なかったんだよ)……。」




なのに――




「――なのに(ウホ)……。なのにさ(ウホホ)……。」




やっぱり俺は――




「……おかしいだろ(ウホホウホ)アンタ(ウホホ)。」




まだまだガキなんだ――




やっと(ウホ)やっとだよ(ウホホイ)やっと会えたのに(ウホウホホイ)なんでなんだよ(ウホウホホ)……。」




俺は子供なんだよ――




なんで(ウホ)俺の事(ウホウホ)覚えてないんだよ(ウホホホイウホ)、アンタ……。」




生まれ変わったって、いつまでもアンタの子供なんだ――




「生まれ変わっても絶対に忘れないって、言ってたじゃんかよ……。」




生まれ変わったって、アンタの事がすきなんだよ――




「こんなところで何してんだよ……。」




絶対に、忘れられるわけないよ――




「もっと頑張れよ……。あと一息じゃねぇかよ……。」




アンタが俺に残してくれたもの――




「なんで俺の事、覚えてないんだよ……。大事な家族の事、なに忘れてんだよ……。」




俺が……父さんの想いを裏切ってしまったこと――




「全部忘れて、新しい生活まで始めて……。

 あんなに元気な子供たちまでいてさ……。

 俺、やっと思い出したのに……。

 やっとここまで来たってのに、バカみたいじゃんか……。」




謝罪も、後悔も、感謝も、独りよがりな手向けの言葉も――




「1人だけ、バカみたいじゃんか、ホントに……。」




ホントは全部、聴いて欲しいのに――




「これじゃぁ、あんまりだ……。あんまりだよ……。」



 

――もう、いつから涙が流れていたかはわからない。




「俺、やっと自由に動けるようになって、好きなだけ喋れるようになって。

 父さんに話したいこと、山ほどあったんだ。

 本当に、腹を抱えて笑っちゃうような話が、山ほどあるんだよ。」




ただそんな事よりも、喉が焼けるように熱く痛く、嗚咽すらも、どうにか音にするのがやっとだった。




「全部話したい、全部聞いて欲しい。

 父さんの話なんてどうでもいいくらい、時間も忘れるくらい笑える話が沢山あるんだよ。」




こんな俺の様子は、端から見たらウホウホ言いながら泣いてて、さぞ滑稽なんだろうな――




「なのに、なんで――」




けど、それももうすぐ――




「なんでもう、何も、届かないんだよ……。

 こんなに……。こんなに近くにいるってのに……。

 これでやっと、言葉で伝えられるのに……。」




もうすぐ、終わる――




「俺、結構頑張ったんだ……。こんなに頑張ったんだよ……。」




もう、終わるんだ――




「なのになんでアンタ、ここに居ないんだよ。

 最後くらい待っててくれたって、良いじゃんかよ……。」




だから、会いたい――




「俺……父さんに、会いたいよ……。」




最後に一目会って――




「母さんに……お礼が言いたいよ……。」




ちゃんと、ありがとうって――




「あ……。」




ありがとう――俺はただ、それだけ。




「あ、あり……。」




それだけ、ちゃんと言いたかったんだ。






今更だけど、台詞の合間にリアルタイムで心の声入るの読み辛いよね。

知ってたよ、ごめんね。



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