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【超工事中!】てんさま。~転生人情浪漫紀行~  作者: Otaku_Lowlife
第二部 終章 ブリング ミー ザ ホライゾン
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Holding absence


 次の任務で、今度はアスとナツって名前の「お互いが入れ替わっちゃう」とかいう、ふざけた双子のリンネに会ったんだ。

しかもアイツら、助けてやった恩も忘れやがってさ、今も俺の事「ハゲ」とか「変態」とか言ってバカにするんだよ。

まぁ、それはもういいんだけど……。

それでチトさんていう双子を育てたお爺さんから話を聞いたら、思った以上にややこしい事態になってて。

挙句、協力者になる筈だったチトさんからも「この件から手を引け」って、冷たく拒絶されちゃってさ。




 どうにか説得しようと思ったんだけど――でも俺に何かを言えるほど、深い考えや言葉の重みなんて無くて。

結局、またファラに助けられた。

俺は自分の無力さを思い知っただけだった。

俺にはまだ、何もないんだって、そう思い知らされた。

まだまだ、半人前にすら届いてないんだって。




 最終的に俺の奇跡で、どうにか双子を和解させることが出来たけど。

あのとき俺のしたことは結局、出来レースに便乗した程度の事だった。

けれどチトさんは、そんな自信のない俺を勇気づけようとして「あの子に見合うパートナーになれ」って、そう言ってくれて。

あのセリフ――すげぇカッコいいんだけどさ……今にして思うと、なんだか笑えてきちゃうよ。




 でもこんなダサい俺の事を、ファラはずっと信じてくれていた。

皆は信じてくれていた。

だから俺も信じられた。

自分の事も。

皆の事も。

自分が手を差し伸べようとしている相手の事も。




 あの一件、ボキボキに心をへし折られるくらいマジで怖かったんだけどさ。

けどその経験が、それからの出来事を支える一本の柱になってた。

自分に足りないもの、自分にできない事、だんだん解ってきて。

そして自分にできる事、探すようになって。

俺は、俺のこと、少しずつ解ってやれるようになってた。




なんて……それもきっと、自惚れてただけだったんだけどね。




だから……俺は、今だったら解る……。




フレンさんの気持ち、今だからこそ、痛いほどわかるんだ……。







これアニメ化したらいきなり総集編で笑えるやつ。



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