Yukio_1
「そう、俺がこの業苦に最初に気付いたのはまだほんの5歳の時だった。」
は?
「あの頃、俺の家はすごい貧乏だった。」
「一日の食事は痩せたバナナ、それ一本だけ。」
「それを毎日夜の8時に食べるのが、俺の唯一の楽しみだった。」
ておい!
なにどさくさに紛れて過去の回想入ってんだコラァ!
おまえそんな重要なキャラじゃねぇだろが!
んだ「Yukio_1」ってよぉ!
あ? てことは「Yukio_2」もあんのかこれ!
なぁ!!!
「けど、その日は違った。」
おいっ!!!
「その日だけ――違ったんだ……。」
「そう、かぁちゃんは――いっつも我慢してたんだ……。」
「いっつも無理してたんだ……。」
なげぇぞこれ! ぜったい!
「その日、かぁちゃんは空腹と疲労で、倒れちまった。」
「俺がいつもの様にバナナを食べようとした時、かぁちゃんが目の前で倒れたんだ。」
「俺は慌ててかぁちゃんを起こしてバナナを食べさせようとした。」
「そしたら、かぁちゃんは言うんだ。」
なげぇ!!!
「アタシのことはいいから、バナナを食べるんだ、ユキオって……。」
「アタシの分まで、生きなさいって――」
「そして――」
俺のかぁちゃんは…




