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第九十二話 家庭菜園 ②

朝目が覚めると、お腹のあたりに重みを感じた。

目を開けて確認すると、先に目を覚ましたホロが、お腹の上でブラシをくわえてサトルの顔を見ている。

どうやら朝のブラッシングのおねだりのようだ。

サトルがブラシに手を伸ばすと口から離して鼻先でこちらへと寄せてくる。

これは獣人になる前からしていた仕草だ。

サトルはそれを見て可笑しくなってブラシをもって笑ってしまう。

ホロはそんなサトルを見て首をかしげている。

サトルはその仕草が可愛くて頭を撫でた。

ホロはしばらく頭を撫でられると横になって前足を(クイッ、クイッ)とする仕草をして再度ブラッシングの催促をする。

こういう時の二人には会話はいらない。

ホロのしてほしい事がサトルには何処となく分かった。


そしてしばらくブラッシングをしていると扉の外から食事へのお呼びがかかる。

その途端ホロは立ち上がりベットからジャンプ。

人間の姿になると華麗に着地して扉から出て行った。


サトルも急いで服を着て食堂へ向かう。


「おはようございます。」

言いながら部屋に入り適当な席へと座る。

するとアクアが今日の朝食を運んできてくれた。

今日の朝食はご飯に味噌汁、きゅうりの漬物に目玉焼きにキャベツと人参の千切り。

サトルは漬物を食べながら今日の予定を考えた。


昨日、ノームに種を貰ったため家の庭の一角に畑を作らなければいけない。

しかし、この家には農具はない。

最低限サトルの住んでいた家には無かった。

そのため、まずはアクアに確認を取ることにした。


「アクアちょっと聞きたい事があるのだけど今いいかな?」

そう言って向かいで食事中のアクアに話しかける。

「何でしょうか?」

アクアはいったん食べるのをやめてサトルへと聞き返す。

「実は家庭菜園を作ろうと思うのだけど農具はあるかな?」

サトルは自分の家には無くても、アクアが解体した他の家に農具がある可能性を考えて確認を取る。

「たしかあったと思います。」

アクアは少し考えた後サトルに答えた。

「それじゃあ、食事が終わった後にでも出してもらってもいいかな?」

「分かりました。準備が出来たらお呼びします。」

「ありがとう。」

そう言って二人は再び食事を続けた。


食後、サトルはお茶を飲みながら居間でくつろいでいた。

準備が出来れば呼んでくれると言う事なので、のんびりテレビのニュースを見ている。

するとなぜかサラマンダーが近づいてきて横に座った。

サラマンダーは他の3人と違い目的はないが彼らのためにこの家に加護を与えてくれた存在だ。

本人は目的はないと言っているが実際は不明で、よくこうやってこの家で寛いでいる。

彼女達には明確な仕事はなく、あえて言えば存在する事が仕事だと言っていた。

彼女たちの存在が地上に活力を与え世界を支えてくれているらしいのだ。


「どうしたのですか?」

サトルは少し警戒しながら話しかけた。


「そう警戒しなくてもいいよ。ちょっとウィンディーネから聞いてね。家庭菜園を作ることにしたんだって。」

サラマンダーはニコニコしながら本題に入る。

「はい。彼女に相談したところ、この方法を教えてもらいました。

俺もこの方法が安全で確実だろうと思って今日から始めようと思っています。」

サトルはあえてケルピーの事は言わずに彼女へ答えた。

「そうだね。魔力が多く含む食材を手に入れるのは君だとまだ命がけになるだろうから僕も賛成だよ。だから、僕も君に協力しようと思ってね。」

そう言って彼女は外が見える窓へと歩いて行く。

そして、窓を開けて外へ向かい息を吹きかけた。

すると彼女の口から火の粉が広がり庭全体へと広がる。

それが終わると窓を閉めてサトルの傍まで戻ってソファーに座りなおした。


「今何をしたのですか?」

サトルは庭に一瞬目を向け彼女に問いかけた。

「今のでこの敷地内の気温が年間を通してある程度一定になったよ。もう少しで寒くなるだろ。そうなると植物を育てるのも大変だからね。」


そう言って彼女は再び立ち上がり扉へと向かう。


「それじゃ頑張ってね。」


そして、扉から出て去っていった。


サトルはさっそく窓を開けて外の気温を確認してみる。

たしかにここ最近の猛暑を感じない。

寒いのは問題だがこれなら冬になっても大丈夫だろう。

そして窓を閉めようとすると、ちょうど外にいたアクアが準備ができた事を伝えてきた。


「サトルさん準備が出来ました。」

それを聞いてサトルは外に出てアクアの元へと向かった。


「準備ありがとう。さっそく始めるよ。」

そう言ってサトルは鍬を手に取る。

「アクアは何処に作るといいと思う?」

サトルは畑作りは初めてのためアクアに聞いてみた。

「私も畑は作ったことがないですね。ちょっと待っていてください。」

そう言うとアクアは家に入っていった。

少ししてアクアは風子を連れて戻って来る。

「風子は生前、家で家庭菜園をしていたそうです。この子をサポートにつけます。」

「仕事は大丈夫ですか?」

「そこは問題ありません。皆様、何かと手伝ってくれますしシルフ様からも是非にと言われております。」

そう言ってアクアは風子を前に出す。

「あの、頑張りますのでお願いします。」

そう言って緊張気味に頭を下げて挨拶をした。

「こちらこそよろしく。俺は初心者だから色々教えてね。」

そう言ってサトルは微笑んだ。

挨拶が終わるのを見てアクアは一礼した後に家へ戻っていく。

そしてサトルは、庭の状況や種についての情報を風子に説明をした。


「それならまず土を耕す範囲を決めましょう」

そう言って長さ2メートルほどの鉄の棒を4本持ってきた。


「これを4隅に指してロープを張りその中の土を耕します。」

そう言って風子は家の南側に5メートル四方の範囲で棒を地面に刺し、それにロープを張って範囲を決めた。



「まずは試しにこの範囲で栽培しましょう。数日で収穫できるならこれで足らなければ増やせばいいだけですから。」


そして、サトルと風子は土を50センチほど掘り返し土を耕していく。

サトルはクロの故郷で穴掘りの経験があるので土を耕す作業はすぐに済んだ。


「それでは植物の種の種類が4つあるので畝を4っつ作りましょう」

「畝って何?」

サトルは初めて聞く言葉が分からず風子へ問いかける。

「ああ、すみません。畝と言うのは植物を植えるところです。

まず幅は肩幅くらいで深さ50センチほどの範囲で土を掘り起こしてください。」

風子は手本として土を掘り起こし溝を作っていく。

掘り起こしは土は掘った溝の左右に積んでいき土が柔らかいためすぐに一本の溝が出来た。


「分かったやってみるよ。」

それを見てサトルも溝を掘っていき合計4本の溝を掘った。


「それでは少し休憩しましょう。」

「もう休憩?」

「はい。少し土を空気に触れされるといいと、昔読んだ本に書いてありました。」

「そうなんだね。それじゃあ、ちょっと水分補給して作業再開しようか。」

そう言って二人はお茶お飲んで30分ほどで作業を再開する。


「それでは先程掘った土を溝に戻してください。」

「戻してもいいの?」

「はい。このようにふんわり戻してください。」

風子は先ほどと同じように手本として溝を埋めていく。

空気を含んだ土は溝を掘った時よりも嵩が増えたため、戻すと20センチほど盛り上がった。


「こうすれば自然と土が盛り上がって畝が出来上がります。これが今から植える野菜のベットになります。」

「分かった。やってみるよ。」

そして、二人はは協力して畝を作っていった。


「それでは種を植えましょう。」

それを聞いてサトルは4種類の種を風子に渡した。


「通常は一カ所に何粒か種をまくのですが今回は一カ所に一つだけ蒔きましょう。」

そして風子は人参と大根の種を20センチ間隔で埋めて行った。


「次はキャベツとナスですね。それはサトルさんにお願いします。」

そう言うと風子は種の入っている袋をサトルへと手渡した。


「この野菜は横幅があるので50センチほど開けてください。」

「分かった。」

サトルは言われたとおりに種を埋めていく。

そして、キャベツの種を蒔き終えるとナスへと取り掛かる

すると風子は金属の棒を数本持ってきた。


「ナスは背が高くなると支柱がいります。もしかしたら明日には必要になるかもしれないので今日一緒に刺しておきましょう。」


そして種まきが終わり水をかける。

すると次の瞬間には目が出てきた。


「早」

サトルは異常な発芽の速度につい声が出る。


「でも、数日で収穫出来るならこれ位が当たり前かもしれませんね。」

そして風子は畑全体に水を撒いて行く。


「それでは今日はこれ位にして終わりにしましょう。」

そう言われて時間を確認すると時刻は12時となっていた。


「今日はありがとう。」

サトルは風子に感謝を伝え一緒に家へと歩いて行く。

「いえ、私はこういうの好きなので楽しかったです。シルフ様にも言われていますので今後、畑は私が管理しますね。サトルさんは仕事があるので毎日は無理でしょうから。」

そう言って笑顔で今後の管理を風子は請け負う。

「それは助かるよ。きっとあの成長速度だと俺では管理しきれないから。」


話していると家についたので二人は食堂に向かい準備されていた昼食を食べながら今後の予定を決めた。


収穫は手が空いていればサトルも手伝うが通常はアクアと風子がしてくれる事となった。

そして、食事中にノームがやって来てサトルと風子に言った。

「欲しい野菜があったら種は作れるから言ってね。それとその袋の種は尽きないけど袋を失くさない様に気を付けてね。」

そして、自分の部屋へと戻っていった。


昼食後、汚れた体を綺麗にするためにサトルはお風呂へと入った。

するとそこに水着姿のエリザが突撃してくる。

サトルは驚き風呂を出ようとするがその直後に彩、舞、ホロの3人も突撃してきたため逃げ道を塞がれてしまう。


「あの、これはどういう事ですか?」

サトルが聞くとエリザが胸を張って答えた。

彼女も舞に負けないほどに胸が大きい。

その光景に一瞬気を取られるが誘惑に耐え説明に耳を傾ける。


「私だけサトルと水着で遊んでないのは不公平でしょ。だからたまにはこんなのもいいかなってみんなで話したの。」

エリザは感がいいのでサトルの視線に気づいてドヤ顔だ。


「私たちも今年一度しか着ないのは勿体ないと思いまして。まだ日も高いので突撃することにしました。」

彩はそう答えてエリザを見る。

どうやらエリザを意識しているようだ。


「今夜は私の番だから今のうちに誘惑しとこうかなと・・・。」

「そうですか、楽しみにしていますね。」

サトルがそう言うと真っ赤な顔になって湯船につかって隠れる。

舞は普段とのギャップが可愛い。


「私は新作水着を見てほしくて来たの」

ホロは魔力で服を作れるのでこうやって色々な服を見せてくれる。

なぜか今日は白のスクール水着だ。

ホロは何処で情報を手に入れてくるのか、体操服やブルマ等のコスプレ衣装で攻めてくることがある。


そしてここまで来れば仕方なくエリザを入れた5人で風呂につかる。


(なんだかエリザの術中にハマってる気がする。)


そんな事を思いながら全員で潜水で競ったりサトルがみんなの頭や背中を洗ったりして午後を過ごした。


そして、夕食後のサトルの部屋で予告通り舞が訪れた。

そして、サトルと互いに愛を確かめあい、眠りへと落ちて行った。

読んでいただきありがとうございます

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