表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/114

第八十六話 上陸、そして脅威の出現

現在、夕刻となりサトルは船の船室から起き出している。

そして、先ほど集まった部屋へと移動を始めた。

そこには既に、龍斗に銀二と殆どの者が集まっていた。


「おはようございます。もしかして寝坊しました?」

「いや、時間は問題ない。みんなも今来たばかりだ。」


挨拶が終わり銀二は龍斗に問いかけた。


「それで、龍斗さん。話と言うのは?」


サトルはそれを聞いて龍斗の顔を見る。


「そうだな。全員揃ったことだし話すとしよう。」


そう言って龍斗は先ほど受けた無線の内容を話し出した。


「先ほどリンダから連絡があり、本社側のメンバー。

すなわち、獣人が襲撃を受けたと連絡があった。」


それを聞いてサトルを含む何名かは驚愕する。

さらに、龍斗は話を進めた。


「しかし、心配はない。

現在、襲撃者は全員返り討ちにして予定通りサトルの家に避難を完了している。

それに助っ人として、紅蓮が護衛に付いている。

まあ、しかし、あの家の守りを突破して獣人を攫える奴は、世界中探してもそうはいまい。

あちらはこれで安心できる。」

それを聞いて周りのメンバーの表情がゆるむ。

「それともう一つ。

これは総理からの連絡だが現在、本島で女性が3名、行方不明らしい。

そちらの捜索を依頼された。

もし見つけた場合は救助する必要がある。

見つけたら必ず連れ帰ってくれ。」

「龍斗さん、もしその人が死んでいた場合は?」

「島へ置いておくと証拠隠滅で一生見つからないだろう。

無理な場合は仕方ないが、可能な限り回収を頼む。」


そう言って龍斗はいったん話を切り。船内の大型テレビの電源を入れる。

するとそこには島の地図が映し出された。


「それでは、これから島への突入計画を説明する。

意見があれば言ってほしい。」


龍斗がそう言った時、彩が手を上げ龍斗に話しかけた。

「私は今、水の魔獣ケルピーと、空の魔獣グリフォンを精霊から与えられています。

有効活用出来るのではないですか?」


「そうか、それは助かる。

それでは彩さんは美雪とホロとローリーを連れて空から頼む。

ホロとローリーは犬の姿ならなんとか行けるだろう。

他は悪いが海を進んでもらう。

そのため、ケルピーを水中移動中の護衛につけてくれないか。

この辺りはサメが多い。

敵にはならないが絡まれたら面倒だ。」

「分かりました。」

「それと、ウェットスーツは人数分揃えたが不要なものはいるか?」


そう龍斗が言うと、サトルの両親とエリザが手を上げた。

「私達は海の上を走っていくから大丈夫。」

「私も海の上を進めるから大丈夫よ。」


それを聞き、それ以外の者にウェットスーツを配る。

それが終わると龍斗は説明を続けた


「それでは、今回の目標はこの屋敷だ。

見ての通りこの島の山頂にある。

先に鳥による捜索を行ったが、見える範囲では発見できなかった。

そのために島に上陸後、銀二が屋敷内をネズミで捜索する。

ドワーフの場所を特定出来しだい奇襲をかけてドワーフを救助し離脱する。」


それを聞いてサトルは質問を投げかける。


「今回は殲滅ではないのですか?」


「ああ、ドワーフにもしもの事があれば日本が危ないからな。

まずは撤退だ。

それで、脱出のために港に船を付ける。

サトル達には港の制圧を頼む。

制圧終了後は船へ合図を送れ。

そうすれば船が港に入る。」

「分かりました。」


「それと、もう一つ気がかりな報告がある。

獣人を襲った者が一人、秘薬により龍人と言う物に変身したそうだ。

紅蓮が相手にした者は体に鱗が生え、ステータスが大きく上昇した。

だが理性はなくなり獣のようになったそうだ。

他にも所持している者がいる可能性がある。

サトル達は特に気を付けてくれ。」


そう言ってミーティングは終了した。


そして日は沈み、島へと向かうため、サトル達は船の甲板へと出ていた。

ホロとローリーは犬の姿で美雪に抱えられ彩と一緒にグリフォンへ乗り込む。


前回のグリフォンを見ていれば心配しか浮かばないが、今回は理由が理由だけに積極的に協力してくれている。

そして海の中にはケルピーが待機していた。

彼は最初から協力的だったので心配はない。

そしてサトルは海へと入る。

3人ほど海の上に立っているのでなんだか羨ましい。

今度教えてもらおうとサトルは心に誓う。

龍斗は水の上を走れるが目立つので今回は水中を進む。


その時、ケルピーが水に潜る。

しばらくするとサトル達の横に3メートルほどのサメが浮いてきた。

そして、その横にケルピーが顔を出しこちらへと向く。

サトルはケルピーに頼もしさを感じ、後で何か好物を食わせてやろうと決意した。


そんな一幕もありサトル達は島へと向かう。

夜の海は不気味で何も見えない。

ただ一つ。龍斗の持つライトだけがサトル達を誘導している。

サトルの両親とエリザは先行して上陸ポイントを確保してくれている。


しかしこのケルピーは有能だ。

ケルピーは夜の海でも問題なく目が見えるようで、目印のライトを見失いかけるとケルピーが誘導してくれる。

サメが来れば追い払ったり、しつこければ始末してくれて俺たちは安全に島まで到達できた。

サトルはこの礼に好物を食わせるではなく、腹いっぱい食わせるに変え、決意を新たにした。

一行は陸に上がりウェットスーツを脱いでアイテムボックスにしまう。

その間にグリフォンは俺たちの前に下りてきて彩達を降ろした。


そして、銀二は早速ネズミを使って屋敷と周囲を捜索し始めた。

その結果、屋敷には地下があり、そこにドワーフが捕らわれている事が分かった。

それを銀二は龍斗に伝える。


「龍斗さん、地下室にドワーフがいた。

見張りはないがかなり疲れているようだ。

恐らく逃げられないように食事を与えていないのだろう。

獣人たちの扱いといい、あいつ等に人の心はないのか。」

銀二は今までの事も含め憤る。

「あの国の教育のせいだろう。自分たち以外は人間と認めているかも怪しい。」

「そうだな、彼らも犠牲者か。」

そう言って銀二は落ち着きを取り戻す。


そう2人が話していると銀二が更なる発見をした。


「龍斗さん、あそこの二つの建物にそれぞれ人がいる。」

「敵か!?」

「そうだな一つの建物には武装した人間が3名いる。

しかし、もう一つの建物には女性が3人いるみたいだ。

ただ・・・」

「どうした。」

「乱暴をされた跡があるようだ。服も着ていない。」

「そうか・・・。だが生きているなら救出だ。」


「サトル、ここは任せたぞ。」


そして、龍斗達が屋敷へ向かおうとする時、寅は龍斗に話しかけた。


「龍斗さん、俺はここに残る。少し嫌な予感がする。」


それを聞いて龍斗は周りを見回し、そして答える。


「そうか、その直感を信じよう。寅さんはサトル達と行動してくれ。」


そう言って龍斗たちは屋敷へと向かっていった。


サトル達は建物へと近づく。

一つの建物からは明かりが漏れ、もう片方は真っ暗だ。

そして、明かりがついている建物からは声が聞こえてくる。

サトル達はその声に耳を澄ませた。


「おい、アイツらどうするんだ?」

「アイツらは本国行きだ。あれだけやれば子供も孕むだろ。」

「そうか。それにしても運がよかったな。帰る途中であんな上玉が手に入るなんてな。」

「そうだな。この国の連中は危機意識が低いからな。攫うのも簡単だ。」

「ああ、ちょっと親切にしてやればコロッと騙される。」

「それじゃ、また暇つぶしでも行くか。」

「はは、まだヤリたりねえのかよ。」

「あまりやり過ぎるなよ。死なれたら大目玉だぞ。」

「その時は追加を攫ってくるさ。」


男たちはそう言って彼女たちのもとへ行くために移動を始めた。

サトル達はその会話を聞いて、この3人の男を始末することに決めた。


攻撃するのはサトル、彩、クロの3人。

そして、サトル達は扉の死角で待ち構えた。

男たちは扉から出てきてこちらに背を向け歩き出す。

サトル達はそれぞれの獲物を手に握り、不意打ちをかけるべく一気に駆け寄った。

その直後、不運な事に屋敷から警報が聞こえ、男たちはこちらへと振り向く。

敏捷のステータスが高い彩とクロは何とか振り向きざまの男を二人始末した。

だが、サトルの一撃は相手の胸から腹への傷は刻むが僅かに致命傷にならず、男は傷を押さえ地面に膝をついた。

その時死んだ男のポケットから薬瓶が転がり落ちる。

死にかけている男はそれをポーションと思い飲み干した。

すると男に変化が起きた。

体には鱗が生え黒く変色する。

しかし、変化はそこでは終わらなかった。

男は自分の服から同じ薬瓶を取り出しそれも飲み干す。

すると体は人から蜥蜴のようになり始め、巨大化を始めた。

さらに横にある二つの死体を貪りくらい、とうとう姿は人からかけ離れ、四足の蜥蜴へと変わった。


「なんだこれは」

サトルはとっさにそう口にした。


それに寅が答える。


「恐らく、紅蓮さんの情報にあった龍人と言う奴だろう。

一瓶では人の姿を保てるが、過剰摂取をするとこうなるのだろうな。」


そして、ここまで来ればもはや蜥蜴ではなくレッサードラゴン並みである。サイズこそ5メートルほどだが受けるプレッシャーはその比ではない。


そして、今回の相手はサトル達に口を開けた。

口内は光り、次の瞬間ブレスを放つ。

そのブレスは大地を抉りサトルへと襲い掛かる。

とっさにサトルはスキルを全力発動して盾を構える。

そしてホロもサトルにブーストを施しステータスを強化した。

更に水の魔法を使いブレスに対抗する。


しかしその直後、皆の盾となったサトルにブレスが直撃する。

高められたステータスで何とか踏ん張りブレスを盾で散らした。

しかし、盾は3秒と持たずに砕けた。

その瞬間サトルは剣に魔力を注いでブレスに切りつける。

ブレスは左右に切り裂かれて大地を抉る。


その数秒後、ブレスは収まり全員が敵を見た。

その姿はさらに変化しており、レッサードラゴンからドラゴンへと変わっていた。

翼はないが体は漆黒の鱗に覆われている。

そして、その瞳は縦に割れサトル達を獲物として睨みつけていた。

これだけの急激な成長をすれば、さぞ腹も減るだろう。

しかも、目の前には魔力を大量に含んだ天職持ち達が並んでいる。

そして、サトル達パーティーとドラゴンとの激戦がここに始まる。


読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ