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第七十四話 新居と同居

そして次の日にサトルたちは我が家へと向かう。

そしてそこには3階建の新築で庭付きの屋敷が立っていた。

敷地の外周は4メートルほどの壁に囲まれ正面には門が付いている。

庭は壁に沿って水路がぐるりと一周しており、その内側に芝生が生えた地面があった。


サトル達はいきなりできた住居に驚いて門の前に固まっている。

すると門からアリアが出てきてサトル達へと声をかけた。


「どうぞお入りください。ここが今日から皆さんに住んでいただく家になります。」


そう言ってアリアはサトル達を家の中へと導いた。

門を通る時に一瞬、何かを通過する感じがしたがまずは全員家に入っていった。


中に入るとある意味驚きの空間だった。

そこには外壁以外の壁がなく唯一つの部屋のみとなっていた。


「これはどういう事ですか?」


サトルはこの状況が理解できなかったため素直に聞いてみた。


「それではみなさん今から間取りを決めましょう。」

「いや、説明をお願いします。」

「外観は昼間作ると目立つので夜のうちに作りました。」


(一晩で屋敷が出来れば目立つも何もないと思うけど。)


皆がそう思っている中、アリアは説明を続けた。


「これから皆様の希望に合わせてこの家の設備を整えようと思います。

家電や家具などは前の家々で使われていた物が代用できます。

そこは私の能力で新品同様にしました。

お風呂周りも大丈夫です。

ただ間取りだけはご自由に決めていただけるように、こういう状況となりました。

言っていただければその場所に壁を作ります。」

「そういう事か。それじゃみんな決めようか。」


そして最初に決まったのはキッチンと居間。

キッチンはカウンター型にしてそこに今の人数が入れるのに適したスペースの部屋を作った。

机は大きなテーブルを二つ並べ全員で座れるようにしている。

今度海にでもテーブルを作ってもらえばいいと皆の意見は一致しサトルの両親がさっそく電話をかけて依頼していた。

近日中に届くそうだ。


そして次に作ったのはお風呂だった。

ここは大きくしようと全員の一致を受け5人くらいが入れるお風呂にした。

だが浴槽がないためそこはアクアが代用品の浴槽を作ってくれた。

ここは後でどうするか話し合いが行われる予定だ。

後は一階には洗濯場、トイレ多数、客間が作られた。


そして1階が終われば2階だが、ここは皆16畳の部屋サイズで住人用のスペースとなった。

家具は自前の物や前の放置家具を利用した。

舞と彩はアイテムボックスを使いあっという間に引っ越しを終えた。


そして3階は一旦は倉庫となった。

何か利用目的が出来ればまた部屋をアリアが作ってくれるそうだ。


そして俺たちは一階の居間に集合しアリアに大事なことを聞いた。


「この家はアリアの働きで素晴らしい物になりました。

しかし材料はどうしたのですか?」

サトルはみんなを代表してアクアへと問いかける。


「この家を作る際、ウィンディーネ様が力を貸してくださいました。

ウィンディーネ様が言うには最良の環境でアニメが見たいそうです。

そしてこの家の周りに水路があるのは見ていただいたと思います。

あれは結界でこの家を守っています。

許可のない者が無断で侵入しようとすれば弾いたり拘束したりしてくれます。

これはウィンディーネ様が視聴途中に邪魔が入るのを嫌ったためです。

そして野外は昨日進化したヘルハウンド2匹が番犬を。

屋内は私と、昨日シルキーとなった風子が守護します。」


そこまで聞いて皆、ここはどこの要塞かと遠い目をする。

しかし、テレビで顔割れしている一般人なので夜に安心して寝られるのはありがたい。

そのためオタクのウィンディーネに皆感謝をした。


そして事件はその夜に起きた。

そこには先日、サトル達に請求額を上乗せして契約をしようとした男が立っていた。

男は探索者の装備をしており、手には侵入に役立つ道具が入ったカバンを持っている。

男は契約書の住所を覚えており今夜寝込みを襲うつもりなのだ。

この男の中には怒りが渦巻いており、この行為が犯罪であるという思考はない。

そして男はサトルの家の前に立ち驚愕した。

資料によればサトルの実家以外はすべて廃屋かそれに近い状態のはずだからだ。

しかしそこには屋敷が立っていた。

しかも周りは壁に囲まれ侵入は容易ではなかった。

そこでこの男も諦めれば不幸は起きなかった。


男は静かにしゃがみ、カバンの中からカギ付きのロープを取り出した。

そしてそのロープを壁の上に投げてひっかけ上り始める。


しかしそこで結界が反応しまずは優しくロープを壁から外した。

それにより男は地面に落ちる。

男はたまたま外れたのだろうと同じように壁にロープをかけ登り始めた。

そして男は壁をよじ登ることに成功した。

男は庭に侵入しほくそ笑む。

そして先日の事がよぎった。

若い男が二人。

美女、美少女を連れている。

そして彼の脳裏に明確な殺意が浮かぶ。

男は殺す。

女は犯し、いたぶり尽くして殺す。

もしくは監禁してもいい。

それを感じた結界が男の腕を切り落とした。

「ぎゃ・・・・・」


結界はすかさず口に張り付き声を抑えた。


さらにその殺気を感じたヘルハウンドが襲い掛かる。

二匹に噛みつかれ両足を食いちぎられた。

そこで普通ならアクアが出てきて確認するが、ここでも男に不幸が起きた。

アクアはサトルから借りたアニメを1話から視聴中だった。


アクアは動けない。

今動けばウィンディーネが激怒するだろう。

代わりに風子が出てくるが初めての侵入者のために対応がわからなかった。

そして男は意識が薄らいでいき死へのカウントダウンを開始した。

そこで男は走馬燈を見る。

そこで男は相手を騙し、おとしいれ、金をむしり取る。

それはホロが過去に見た物に比べて酷い物だった。

男は意識を失い死んでいった。

その時、男の意識が闇に染まる。

{もっと金が欲しい}

{死にたくない}

{あの男たちを殺す}

{あの女たちを犯す}


そして男は悪霊となって自らの死んだ体の上に浮いていた。

男は死んだことに気づかず、ただ溢れてくる黒い欲望と感情に任せて進もうとした。


「奴等を殺す。」


しかしそれは不可能だった。

水のロープが悪霊を縛り動きを封じ。

ヘルハウンドが噛みつき霊体となった体をズタボロにした。

そして明確な悪意のある相手に家を守るシルキーも手加減はしない。

彼女は手刀により悪霊を両断し消滅させた。


最後に残った死体は水が掛かると血の跡も残さず綺麗に消えてなくなり、一人の人間がこの世から跡形もなく消えた。


「あ、アクアさんに報告しないと。」


そして報告によりアクアはこの事を知った。

アクアはその事を朝全員が集まった時に何でもない事のように報告した。


「皆さん、昨日庭に侵入者がありました。

相手は先日我々に水増し請求を行おうとした男です。」


それを聞いて彩と舞は不安な顔をする。

そして、それを見てサトルはアクアに問いかけた。


「それで、その男はどうなったのですか?逃げたのなら通報しないと。」

「その心配はありません。」

アクアはいつも通りの口調で問題ないと断言する。

「捕まえたのですか?」

それを聞いてサトル達は頭に?マークを浮かべる。

「いいえ、男は夜の警備の者が始末してくれました。」

アクアは表情を動かすことなく答える。

「え、始末?殺したんですか?」

それを聞いて3人を除いて驚愕した。

「ええ。」

アクアは自分達の仕事をこなしただけなのでなぜそんなに驚くのかが分からなかった。

そこで、アクアは昨日の出来事を説明した。

そしてサトルの両親は説明を聞き答える。


「それは仕方がないな。」

「そうね。殺しに来て返り討ちにあう事はよくある事よ。それにサトル、その男は貴方の大事なものを奪いに来たのよ。もし彼女たちが通してもあなたが始末するだけよ。」

サトルの両親は敵に容赦しないようだ。


「それもそうだね。」

そしてその二人の教育を受けたサトルも同じ考えに染まっていた。


そしてサトルは風子とヘルハウンドにお礼を伝えた。

初めての警備の仕事だったため結果が不安だったが褒められて嬉しいのか1人と2匹は嬉しそうだ。


しかしこれではいつかは間違いが発生するので風子はサトルと舞が教育し。

ヘルハウンドは彩が躾けることとなった。


風子はもともとの精神が幼いので素直にサトルと舞の教えることを覚えてくれた。

ヘルハウンドは彩がしっかり躾けることで従順な番犬となった。

そして侵入者がきた時はサトル達に伝達し。

不在の時には死なない程度に撃退することを教え込んだ。

結界については殺気がなければ無害なのであえて放置とした。

この家に殺す気で侵入した者をただで返す人間は一人もいないのだ。


そしてサトルたちは安全で快適な住居を手に入れた。


余談ながらこの家の門の横には二つの注意書きが張られている。


1つは

番犬注意


もう一つは

ウィンディーネの名のもとに、この家に侵入する者には制裁を加える。


と書かれている。

しかし、一つ目はともかく二つ目を本気にする者はそういない。

いたとすればそれは例外なく上級探索者だろう。


そして、それをサトルたちが知ったのは事件後であった。

読んでいただきありがとうございます。

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