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第六十三話 襲撃の目的

俺たちはしばらくここで休息をとることにした。

エリザとローリーの疲労が濃いためだ。

そして3時間ほど交代で仮眠を取っているとフロントから電話がかかって来た。

リンダは受話器を取り耳に当てる。


「もしもし、そちらにエリザさんという方はいますか?」

「どうかされましたか?」


リンダは質問には答えず質問を返す。


「いえね、こちらに何かお客さんが来てましてね。あんたらを探してるみたいなんです・・・てなんだ。何しやがる離せ・・・」


その直後、別の男が電話で話しかけてきた。


「困りますね。予定を狂わせてもらっちゃ。そいつはあのホテルで愛犬と共に焼死してもらわないといけなかったんですよ。」


次に電話に出たのは別の男だ。

しかも今回の犯行を企てた一味とわかるセリフだ。


「それは残念ですね。でも石化のナイフまで使っておいて焼死ですか?面白いこと言いますね。」


しかしリンダは気にせずに相手を挑発する。


「ちぃ、あのバカが切り札を使っても仕留められなかったのか。まあいい。これから向かいを出す。待っててください。」


そう言って電話は切れた。

そしてリンダは叫んだ。


「敵襲です。全員起床。」


それを聞いて全員が起きだす。

エリザも若返ったためか目覚めがいい。


「若いっていいわね。簡単に起きられるわ。」

「エリザ、まだ眠い。」


ローリーも人の姿で起き上がる


「ローリー起きて敵が来たわよ。私を守ってくれるんでしょ。」

「うん、ローリー頑張る。」


エリザの言葉を聞いてローリーは目を覚ましやる気を表すように両手を上へ突き上げる。


「そう、いい子ね。」


そう言ってエリザはローリーの頭をなでた。

ホロも撫でてほしそうだったのでサトルはホロの頭を撫でる。


「皆さん余裕ですね。これからどうしますか。」


それを見て苦笑しながらリンダはこれからの行動方針を聞く。


「簡単な事よ。私の責任で許可するわ。いかなる手段を用いても私を安全な所に避難させて。」

「分かりました。死人が出た場合は?」


サトルも先ほど一人始末しているが先ほどとは状況が違うため皆を代表して質問する。


「相手はテロリストよ私と龍斗ならどうとでも出来るわ。」

「分かりました。安全を最優先にしましょう。」

「あら、平和な日本の人なのに簡単に決めるのね。」


エリザはサトル達が簡単に判断を下したことに少し驚いた。


「この前、色々ありましてね。」

「それにあいつら言ってたでしょ。あなたとローリーを、ローリーを殺すと。」


サトルはそう言いながら軽く微笑む。


「あら、ローリーが二回出てきたけど。」

「大事な事なので2回言いました。奴等にはその罪を償ってもらわないといけません。」


そう言ってサトルの笑顔に影が差す。


「そう、あなたはそういう人なのね。なんだかいいお友達になれそうよ。」


そう言ってエリザの笑顔にも影が差した。


「ええ、俺もそう思います。」

サトルもエリザも愛犬家だが特にコーギーがトップに来る。

それを堂々と殺すという相手には容赦する気が全く無かった。

そして一行はロビーへ向かい歩き出した。


現在はホテル2階の通路。

彼らならば飛び降りて逃走も可能だ。

しかし、怒れる彼らに逃走の文字はない。

そして通路を歩いていると前方から数人の男が手に武器を持ち向かってくる。

それを見あリンダは先頭に立つ。


「ここは私が行きます。」


そう言って手に持つ槍を全力で投げつけた。

その槍は敵をまとめて貫き相手を絶命させる。

ここは安宿なので通路は狭い。

そのためリンダにとって回避スペースのないこの通路は絶好のポイントなのだ。

そして後ろからも敵が現れた。

こちらはホロが水の槍を飛ばしてまとめて薙ぎ払う。


敵はサトル達の歩みよ数秒しか止めることが出来なかった。


相手が来なくなったところでロビーに下りると10人ほどの人間が待ち構えていた。

入国して間もないためか銃器はもっていない。

全員が剣や槍などの近接武器を所持しているようだ。

そして、ここで護衛対象のエリザが前に出た。

そしてその横をサトルとスノーが盾を持って守っている。

エリザの武器は彩と同じ短剣二刀流だ。

天職は舞姫を得ていると先ほど聞いた。


そして彼女は敵の只中に飛び込んだ。

彼女は華麗な舞のごとく相手を切り刻んでいく。

攻撃は流され、それが同士討ちにつながる。

エリザの攻撃は的確に相手の急所を突いて倒していく。

1分かからずに残りは1人となった。


「あなたが今回の黒幕?」


エリザは念のために確認を行う。


「残念だが俺は下っ端だ。今回の黒幕は他にいる。俺を始末してもすぐに次が来るぞ。」

「そうなの、それは大変ね。」


そう言ってエリザは男の腕を切り取った。

男の腕は足元に転がり傷口から血が噴き出す。

「があああ・・・」


男はとっさに腕を掴み止血を試みる。


「あら、根性がないのね。さっきのホテルで襲ってきた相手は悲鳴すら上げなかったわよ。」

「奴等みたいな狂信者と一緒にするな。」

「あらそう?」


そして今度は残った腕を切り取った。

もう一方の腕も床に転がり傷を押さえることのできなくなった男の腕からは止めどなく血が流れだしている。

「ぎゃあああ・・・やめてくれ。」

「何を言ってるのかしら。他人の命を狙い、しかも私の愛犬のローリーの命を狙ったのよ。これ位は当然でしょ。」

「貴様、頭がおかしいのか?」

「それはないわ。そう思うならあなたが愛を知らないだけよ。それじゃ、さようなら。」


男の言葉にエリザは軽く返し、その男の首をはねた。


「それじゃ皆さん行きましょ。」

「そうですね。」


しかし、歩き出そうとした足を止めエリザはリンダに質問した。


「ところでこの辺で死人が出ても大丈夫な所ってあるかしら。」


それを聞いてリンダは少し考えた後口を開く。


「そうですね。クロさんが前に住んでいた村のダンジョンならいい感じでしょうか。あそこなら死体はモンスターがすべて食べてくれますし。一時避難は解除されていないので人もいません。よくて自衛隊員でしょうか。それにアクセスラインも一つしかないのでこちらとしては便利ですね。」

「ならそこに行きましょう。相手をおびき出さないといけないから少し目立つように移動しましょ。」

「分かりました。一応、龍斗様に連絡を入れておきます。」


リンダはもしもの時のために龍斗へ行き先を送信しておいた。


「よろしくね。それじゃ、準備出来次第、出発しましょう。」


一行は移動を開始した。

そしてサトルたちは移動しながら今回の事件について質問した。


「エリザさんは今回の事件をどう見ますか?」


それを聞いてエリザは少し困ったような顔をサトルへと向ける。


「あら、龍斗から本当に何も聞いてないのね。」


そう言ってエリザは歩きながら説明を始めた。


「彼らは私の国の軍関係者よ。彼らは獣人を兵士として使いたいみたいなの。でも私は愛犬家でしょ。もしその愛犬が獣人に成って私が獣人の保護を言い出したら計画が失敗してしまうから。私を殺してでも阻止したんのよ。」


それを聞いて周りのメンバーは一月前の組織との戦闘や獣人の扱いを思い出して苦い顔をする。


「それで日本でローリーをこっそり獣人にして既成事実を作ってしまおうと。」

「そう言う事ね。それに進化のスキル持ちの人が軍関係者に独占されていてあちらでの進化が出来なかったの。だから今の彼らの狙いは私とローリーになるわ。きっと最初の計画はホテルでテロリストの自爆テロによる死亡を狙ったのね。」

「へーそうだったんですね。」


サトルは棒読み気味に軽く答えた。


「なんだか軽い返事ね。驚かないの?」

「驚いてますよ。ただ守る者は何も変わらないのであまり気にならないだけです。」

「そう、あなたのそう言う所は嫌いじゃないわ。」


そう言ってエリザはサトルの腕に抱き着いておどける。


「ありがとうございます。」

「それに高レベルの人間を送り込むとそれだけで目立つからきっとレベル30位が最高戦力になると思うわ。それでも目立つからおそらく数人程度ね。」


そして俺たちは道を歩いて郊外まで向かった。

既に何人か追ってきている。


「そろそろいいかしら。スピードを上げましょう。」


その言葉を合図に全員が走り出した。

尾行の者たちも付いて来ているがそれは計画通りなので問題ない。

サトル達は1時間もしないうちに目的地に到着した。


「前来た時の半分くらいかな」


サトルは時計を確認しながらそう呟いた。

それを聞いたエリザがサトルに質問する。


「何が半分なの。」

「ああ、移動にかかった時間です。」

「前はいつぐらいに来たの?」

「2か月くらい前でしょうかダンジョンもそのあたりから潜り始めました。」


それを聞いてエリザは自分と比較する。


「やけに成長が早いのね。驚いたわ。」

「まあ、色々ありましたから。」

「面白そうだから今度聞かせてね。」

「あなた達もお願いね。サトルと付き合い長いんでしょ。」


そう言ってエリザは彩たちに視線を向ける。


「はい、彼は私の恋人ですから。」

「私も恋人ですよ彼とは初探索からの付き合いです。」

「私は生後二か月からだよ。いまは恋人。」


そして3人は先ほどから妙にスキンシップの多いエリザを警戒し牽制を入れる。


「あら、あなた3人も恋人がいるの。本命は誰。」

「恥ずかしながら全員本命です。」


サトルは笑顔で答えた。

「ははは、やるわね。」


(これなら私が愛人になっても大丈夫かしら?)


そして、一行は尾行が付いているのを確認しダンジョンへ入っていった。

読んでいただきありがとうございます。

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