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第五十四話 帰還

サトルたちは帰宅するために港へ来ていた。

「長い休みだったが・・・まあ充実はしていたな。」

サトルはここ数日を思い出しながら彩達を見て笑顔を浮かべる。

「私は楽しかったですし、これからが楽しみです。」

彩はサトルを見つめ返してこちらは満面の笑顔で答えた。

「私も楽しかったな、この会社に転職してよかったよ。」

舞は昔を思いだしながらやっと出来た恋人に笑顔で答える。

「私も楽しかった。特にお肉が最高だった。」

ホロは食事の度に出る最高級の肉の味を思い出しているようだ。

みんな満足できたようでサトルは微笑む。


そして船の準備ができ全員が乗り込むと本土に向けて出発していった。

今回も行きと同じように乗客は分かれている。

しかし今回サトルたちの乗っている船には乗客が増えていた

それは獣人全員

サトルの両親

銀二夫婦

霧島

紅蓮

である。

そして船内で龍斗は皆にあることを告げた。


「皆聞いてくれ。今、日本中がこのニュースで大変な騒ぎになっておる。」


そう言って龍斗は船内のモニターを付けて皆に見せた。

そこには獣人を日本国民と認め人権を政府が保証し、また積極的に保護していくことを告げていた。


「知らない者も多くいただろう。。マスコミ関係は俺が全て押さえ、情報を世間にまったく流さないようにしておったからな。」


「・・・・」


それを聞いて半数以上が驚愕した。

そして龍斗の言葉は続く。


「そしてそんな事を俺がしたのには理由がある。それは今まで獣人を虐げてきた組織に逃げる隙を与えず一気に撲滅するためだ。これを見てくれ。」


そして、そこには獣人を奴隷のように扱い虐待し、辱めている画像が映し出された。


「俺はこれからこの日本のゴミ共を処分しに向かう。無理は言わん。来たい者は付いて来てくれ。別に相手を倒すことが全てではない。救った彼らを安全に誘導・治療する人員が必要だ。どうだ、俺と一緒にボランティアでゴミ掃除に行かないか。」

その言葉と供に龍斗は片手を振り上げた。


「「「「「「「「「「おーーーーーーう」」」」」」」」」」

それと供にここにいる全員が腕を掲げ雄叫びを上げる。

「いい返事だ。それでは現地到着後、この者たちの誘導に従ってくれ。ほとんどの者はサポートに回ってもらうがこちらで指定した何名かは突撃チームだ。もし志願があり実力的に可能ならば、その者も突撃チームに加える。だが無理はするなよ。」


そしてメイドたちが名簿をもって各人に指示を出していく。

ちなみに俺たちのパーティーは突撃チームとなっていた。

当然俺のチームは愛犬家または獣人ばかり、あの映像を見て殺気立たない者はいない。


そして数時間後、俺たちはある港の倉庫街に到着していた。

この倉庫街の倉庫に海外に売られる獣人たちがいる。

そして彼らは奴隷のように働かされ、死ねば捨てられるという過酷な地へ送られるのだ。

それを察知した紅蓮は最初のターゲットをこの場所にしたらしい。

そう、あくまで最初のターゲットである。

俺たちは今から制圧目標を梯子して周り、殲滅と救助に当たるのだ。

そして栄えある一つ目がここだった。


サトルたちは倉庫の影に隠れ様子をうかがっている。

そしてその前を龍斗と紅蓮が悠々と歩いて目的の倉庫に向かっていった。

倉庫の前にはお約束通り見張りが立っている。

2人の姿を見た見張りは大声で脅しにかかった。


「お前ら何こっちに来てる、死にてーんか?」


そういって胸元に手を入れる。

しかし二人は止まらない。

そして見張りは懐からナイフを抜き大声を出しながら突っ込んできた。


「聞こえねーのかゴラー」


そして二人の間合いに入った途端見張りの肘から先が無くなり意識を失って倒れた。

しかし、その声を聴いた周りの見張りが集まってくる。


「何モンだお前ら、どこのモンか話してもらおうか?」


しかし二人は無言で歩みを止めることなく、前進を続ける。


「どうやらこいつらには言葉が通じんようだ。お前ら、遠慮するな。男はひき肉にでもして中の奴らに食わせろ。女は上物だ。捕らえて遊んだ後にでも両手両足の腱をきって変態にでも売りつけてやれ。」

先頭の男は周りに指示を出し終え再び龍斗達へ視線を向ける。

そしてその時、光が走った。

見張り達は光の線は認識できたようだが、いまだに何が起きたのか理解していないようだ。

そして、見張りが大きく動いた時、それは起こった。

彼らの形は崩れそこには赤い染みと人だったものが残った。

2人はさらに進み倉庫の扉をノックする。


(バキッ)


見た目は普通のノックに見えたがそれだけで扉はハズレ飛んで行った。

そして二人は入り口から中へ堂々と入っていく。

そこは酷い空間だた。


檻には大勢の獣人が監禁され、皆目が死んでいるようだ。

体のいたるところに傷跡や治っていない傷や痣も見受けられる。

また衛生面でもひどい状況だ。

糞尿の匂いにまみれ、ろくな管理すらされていない。

それを見て二人の表情が急激に変わっていく。

そこから感じられる感情を怒りのみである。

そして先ほどの音を聞いて中の連中が集まってきた。


「何じゃいわれ。ここがなんか知ってきとんかい」


そして初めて龍斗は喋った。


「善良な市民を監禁しているゴミの溜まり場だ。」

「もういい、殺せ」


中のリーダー格の男が指示を出して周りの人間は銃を構え連射する。


「お前ら商品に当てるなよ。まあ、死んだらこいつらに食わせればいいか」


しかし、いつまで経っても二人は倒れない。

そして発砲がやむとそこには何もなかったかのように二人はたたずんでいた。

そして龍斗はサトルたちを呼んだ。


「お前たちも戦闘に加われ。これからの事を考えれば人間相手の戦闘も慣れておいたほういい。殺す必要まではない。しかし躊躇するな。死んでもこちらで処理するので遠慮はいらん。」


そう言い終えると2人は剣を手に突撃していった。


「それじゃ、ゴミ掃除を始めようか。」


それを聞いてサトルたちも突撃していく。

相手の強さは大した事がない。

レベルにしても10前後だろう。

高くても20前半、倒せない相手ではなかった。

しかし初めての対人戦が足枷となっているようだ。

逆にあちらは対人戦になれているのか、躊躇なく攻撃してくる。


それを逆手に取られ、サトルは防戦一方だ。

他のメンバーはというと。

舞は過去に経験があるのか、躊躇なく攻撃を加えていく。

スノー、クロ、ホロもあまり気にしていないようだ。

そして彩は躊躇なく止めまで刺している。

その顔は初めて会った時のようだ。


そしてサトルの前に新たな相手がやってきた。


「お前ら、ただで済むと思うなよ。」

その男はサトルを睨み付けながら剣を構えて叫ぶ。

「・・・」

サトルは先程から精神的な余裕が無いため言葉を返せない。

「それにいい女共も連れてるな。お前らの処理が終わったら楽しめそうだぜ。」

それを見て男は調子づき彩達へと視線を向ける下卑た想像をする。

「・・・・」

その言葉を聞いてサトルの中で何かが代わり始める。

「お前を殺した後はあいつらを捕らえて死ぬまで使ってやるよ。お前の肉はあの金髪の獣人に食わしてやるから安心しな。」


サトルはそこまで聞いて自分の中で何かが組み変わるのを感じた。


天職・・・・守護鬼


スキル・・・・守護者・決意・守りの左手・救いの右手・身代わり・身体強化


守護者

仲間を守るときステータス上昇(最大50%)・精神負担軽減


決意

他者を救おうと動くときステータス上昇(最大50%)・精神負担軽減


守りの左手

左手で触れた仲間の防御力上昇、魔力消費5(最大50%)


救いの右手

触れた相手の傷と心を癒す。肉体回復時魔力継続消費。精神回復時精神負担


身代わり

任意の相手のダメージを半分請け負う。


身体強化

魔力を消費して自身の肉体を強化する。


それは天職が進化した瞬間。

サトルは新たなスキルを発動し躊躇なく目の前の敵を切り捨てた。


その数分後、龍斗が最後の敵を切り捨てて戦闘は終わった。

そして檻の扉が開けられる。

しかし、そこから出ようとするものは誰もいない。

皆目は開いているがその目には何も映っていないようだ。


龍斗も紅蓮も予想していたのか動じていないが、どうするか悩んでいるようだ。

ここには20人ほどの獣人がおり、全員がその状態だ。

これを見ればいかに凄惨な扱いを受けてきたかが想像できる。

そこでサトルが少女の獣人に近づき右手で触れた。

すると彼女は瞳の色を取り戻しサトルを見つめる。


「貴方は誰ですか?」


今まで何も反応をしなかった少女は初めて反応した。


「君たちを助けに来たんだ。」


そうサトルは微笑んだ。


「助けに?あのここはどこでしょうか?私はなぜここに?たしか犬だった私はダンジョンでレベル上げをさせられて、その後進化をした後に・・・ダメだわその後が思出せない。」


そして少女は立ち上がろうとした


「痛っ、なに、どうしてこんなに傷だらけなの?」


そこでサトルはポーションを取り出し少女に渡した。


「これは何でしょうか?」

「ポーションだよ使ったことないの?」

「・・・あ、知識としてはありました。でも使うのは初めてです。いつもはドロップしても他の人が持って行ってしまって使ったことはないです。」


どうやら回復すらろくにしてもらえなかったようだ。

だが今の彼女の姿を見れば納得できてしまう。


「使うといいよ元気になる。」

少女は視線をサトルの顔とポーションをいったりきたりさせる。

そして、少女は意を決してポーションを飲み体を癒した。


「凄い、体が痛くないのは進化したとき以外は久しぶりな気がします。」

そう言ってポーションの効果に驚きながら呟きをこぼす。

「そうか・・・立てるかな?」

サトルは少女に手を貸して優しく立たせる。

しかし、その内心には怒りと悲しみが渦巻いていた。

「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」

それを見ていたサポート要員が駆け寄り、清潔な毛布を少女にかけ肩を抱いて歩き出す。

そして少女は檻から出て行った。


彼女を見送っていると、龍斗が近づいてきて話しかける。


「何をしたんだ?」

「天職が変化しました。それと同時にスキルも変化して精神を癒せるようになったみたいです。でも今の感じだと癒すというより消す感じみたいですね。進化した直後までの記憶はあるようですがそれからの記憶がすべて失われていました。」

サトルは説明すると、先程助けた少女を見る。

「そうか、それはまだ使用可能か?」

龍斗は残りの獣人達に目を向けサトルへ問いかける。

「これの代償は精神負担です。でも変化したスキルに仲間を護るときと人を救う時に精神負担を軽減してくれる効果があるのでこの人数なら大丈夫でしょう。」

そしてサトルも龍斗と同じ様に獣人達へと向き直る。

「そうか。回復後の対応はこちらでするので、まずは全員の回復を頼む。」

そう言ってサトルの肩を叩いた。

そしてサトルは獣人たちを回復させる。

その後の獣人たちへの説明や肉体の回復は龍斗の連れてきていたサポート要員に任せ、一行は新たな拠点をつぶしに向かった。

読んでいただきありがとうございます。

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