第四十五話 獣人の人権
次の日の朝サトルはいつもの5人で会社に向かった。
そして受付に挨拶に向かう。
「おはようございます。」
「おはようございます。ちょうどよかった。サトルさん、彩さん、舞さん、スノーさん、ホロさん、社長室で社長がお待ちです。すいませんが仕事の前にお願いします。」
「何かあったのですか?」
「私も大事な話があるとしか聞いておりませんので。」
「わかりました。行ってみます。」
そしてサトルたちは社長のもとを訪れた。
そこには社長のほかに銀二、クロ、松、フレイがいた。あと見知らぬ少女が一人。
「みんなおはよう。朝からよく集まってくれた。まず二人ほど紹介しよう。」
そして龍斗はまず少女の紹介を始めた。
「サトルたちは知っておると思うがこの子は儂の家族、猫獣人のリンネじゃ。この間、銀二に獣人に進化してもらった。リンネ、挨拶を」
そう言って龍斗はリンネを前に押し出す。
「私はリンネです。まだ小さくてお役に立てませんが成長した暁にはみんなの役に立てるように頑張ります。それとサトルさん、彩さん、スノーさん助けていただきありがとうございます。」
そう言ってリンネはお礼を言って龍斗の元へ戻った。
そして次はもう一人、松の隣にいる獣人の紹介に入った。
「こちらは昨日銀二んよって獣人に進化したフレイだ。松、続きを頼む。」
「彼女はフレイ。俺の相棒で嫁さんだ。」
「「「ブフーー」」」
数人が驚愕にむせ返る。
最初に質問をしたのはサトルだ。
「松さんどういうことだ?」
「どういうも何も言葉のとおりだ。俺たちは昨日誓い合ったところだ。」
続いて舞が質問する。
「フレイさん本気ですか?」
フレイはホロを一瞬見て笑顔で答える。
「本気よ。この人が死ぬ時が私の死ぬときよ。」
「と、儂の話に戻るのじゃがな。まあ実は昔から秘密裏に研究は行われておってな。」
松はすかさず質問を飛ばす。
「それは人道的な研究ですか?」
「当然じゃ。銀二に協力してもらって儂の立ち上げた研究機関で行っておる。馬鹿な事を考える物はそれ以上の地獄を見てきておるわ。」
「それなら安心ですね。」
「それで、話は戻るが端的に言おう。獣人と人間の間に子供は出来る。生まれるのは混血ではなく獣人か人間、はっきり分かれて生まれてくる。獣人同士も可能じゃ。種族が違ってもどちらかの種族で生まれてくる。」
「そこまでわかっているのですね。」
「ただ、妊娠すると変身ができなくなる。出産するまで固定される。その事を気を付けてもらいたい。」
「だから松、フレイ儂はお前たちを応援しておる。」
「ありがとうございます。社長」
「それで、今日皆に集まってもらったのは獣人の人権についてじゃ。」
「そうか、動物から進化する事で発生するから彼らはまだ日本政府に人権を保障されていない。」
「そのとおりじゃ。」
「なら、俺とフレイは結婚できないのか?」
「心配はいらん。最近表に出てくる獣人の数が増えておる。それにスノーとクロ、ホロのおかげでイメージはうなぎ上りじゃ。マスコットやグッズもバカ売れ・・・ごほん。それはよしとしてじゃ。そのおかげでとうとう日本政府も獣人を日本国民と認め人権を保障し、また積極的に保護していく事を決定した。近日中には確実に憲法にも盛り込まれることじゃろう。じゃがどこにでも馬鹿はおる。その場合はお主たちがしっかり守ってやるのじゃ。よいな。」
「当然です。」
「俺の嫁には指一本触れさせん。」
「まあ、儂はそんな輩は公開処刑か火あぶりにしろと言ったのじゃが聞き入れられんかった。まあ、いつかは盛り込ませるがな。」
そう言って龍斗は黒い笑みを浮かべる。
ちなみにそれを見た獣人は少し引いているようだ。
人間は同じように黒い笑みを向けている。
どちらが人でなしかわからない光景である。
「それでじゃ皆にはこれからも頑張って仕事をしてもらいたい。」
「ところで社長。もしかしてこの会社の意向と仕事内容は、今の話が大きく関わっているのですか?」
「関わっておるがこれはその内の一つにすぎん。サトルも知っておろう。この世には救ってくれる手を待っているものは沢山おる。」
「そうですね。」
「今日の話はこれだけじゃ。みな今日も頼んだぞ。」
「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
そして外に出ると松とフレイが待っていた。
「驚かせてすまないな。」
「いや、色々驚いたけどあの話を聞いた今なら素直におめでとうと言えるよ。」
「そうか、ありがとう。」
「それで今日はどうするんだ」
「フレイも進化したばかりでまだ慣れない事が多くてな。」
「今日は街を案内しながらのんびり過ごすよ。」
「そうだな、犬の姿だと一緒入れないところが多いからな。」
そしてサトルと松が話し込んでいる間、女性陣はというと。
「もうすぐ社員旅行だけど水着は大丈夫?」
彩は水着の心配をしているようだ。
「水着ですか?そういえば何も考えてなかったです。」
「それはダメです。水着は水辺の決戦兵器。しっかり選ばないと。」
ホロは力説した。
「そ、そうなんですか?でも知識がほとんどありません。」
「そういえば、銀二さんの知識がもとになってるからだね。」
彩は場合によっては進化させる人による弊害に気づく
「これはちょっと協力した方がいいかも。それじゃ、今日の昼過ぎに集合と言う事でどうですか?」
そして水着選びが決定される。当然それには松が巻き込まれ。
なぜかサトルも巻き込まれる。
簡単な仕事を取り昼までに終わらせた一行は素早く待ち合わせの場所へ向かっていた。
そして、そこには腕を絡めて待つ幸せそうな二人の恋人が立っていた。
もちろんそれを見た三人の女性は眩しいものを見るように目を細める。
(((羨まし)))
そして、一行は舞の先導で水着が豊富に売っているお店に向かった。
今回サトルは本当に付き添いなのでお店の前の椅子に座りのんびり待っている。
しかし松は前回のサトルのように店内に引きずり込まれ水着選びに付き合わされていた。
そして待つこと1時間。
やっと候補の絞り込みが終わり。
試着室のカーテンが開いた。
そこには
水着の色は白
肩ひものタイプで胸元はフリルで隠しているがその大きさに隠しきれていない。
そして背中は大胆に開いており下は軽くフリルの付いた紐パンタイプだ。
そして二人は固まった。
周りのお客も見とれているがそこだけ2人の世界のようだ。
そしてフレイは恥ずかしながら小声で話しかける。
「これ、どうかな?」
「女神に見える。」
その一言でカーテンは締まりすぐにスキルにより着替えたフレイは出てくる。
そして嬉しそうに松に抱き着いて店の外へと出てきた。
フレイは満足そうだ。
「どうですかフレイさん。水着の威力は」
ホロが楽しそうに質問する。
「素晴らしい決戦兵器ね。」
松はまだ先ほどの映像を幻視しているようだ。
そして俺たちは松さんとフレイと別れ家路についた。
もうじき社員旅行か。いったいどんな所に行くのやら。
サトルは不安なような楽しみなような気持ちになりながらその日を待つのであった。
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