第四十一話 旅行の計画
熊は無事に捕まえ引取り先も決まり、無事に仕事を終え会社に帰ってきた。
そして掲示板を見ると社員旅行という紙が張り出されている。
どうやら被災箇所もある程度落ち着いてきたため社員旅行を社長が計画してくれたようだ。
積立金などがない状態なのだが全額社長が負担してくれるみたいだ。
あと最後に全員参加の文字を発見し皆頭に?を浮かべる。
何はともあれ、期間は1週間とかなり長いためそれなりの準備が必要のようだ。
必須の部分に私服と水着があることから泳げる場所なのだろう。
(しかし困ったな。ホロに水着を買わないといけないかな?)
そう思い聞いてみることにした。
「ホロ、水着はいるか?」
「いえ、スキルで魔力を消費したら作れます。でも知識が乏しいので帰りに資料を買いたいです。」
「そうか、ならこんど本屋にでも行くか?」
「はい。お願いします。」(尻尾フリフリ)
そして俺たちは5人で家路につく。
俺とホロは家の前で彩さん、舞さん、スノーと別れ家に入っていく。
それを見送3人。
そして彼女たちも帰宅し机を囲んでいる。
「舞さんはあれをどうみますか?」
「どう見ても恋する乙女よね。」
「そうですね。これは想定外でした。」
「そうですか?二人の事を振り返れば十分可能性があると思いますが。」
二人はスノーに言われて自らを振り返る。
「あ、そういえばそうね。」
「理解したわ。これは対策を考えないと。」
「でもどうするの?」
「主、ちょうどいいイベントがあるではないですか。今日告知された社員旅行ですよ。」
そこで二人は内容を思い出す
{必須項目・・・私服、水着}
そして舞は叫ぶ
「・・・そうよ、これはここしばらく忙しくて何もできなかったけどアプローチチャンス。」
「そうですね。このイベントを利用しない手はないです。」
「そうですよ。私もクロさんをデートに誘ういい口実ですのでお二人もサトルさんを誘ってみてはどうですか?」
「そうね、ここは勇気を出すときね。」
「日時は今週のお休みの日でいいかしら。」
「そうですね。それでは私はクロさんに連絡を入れてきます。」
そう言ってスノーはケータイ片手に部屋を出て行った。
「あの子、時々残念な子だけど妙に行動力あるのよね。」
「まあ、曲がりなりにも天職は騎士だからね。でも、今回はそれに救われた形ね。」
二人もサトルを誘うために連絡を入れるのだった。
すると週末はホロを連れて本屋に行くというのでそれに便乗する形でお出かけとなった。
はたから見て男2人に女4人。
その内3人がサトルを狙っているという状態である。
だがサトルはホロはともかく彩と舞の好意にはちゃんと気づいていた。
ただ自分の年齢は30の後半なため年齢が釣り合わないと気づかないふりをしている。
いつか諦めてくれると思いながら。
そして数日がたち彼女たちは気合を入れてサトルの家に向かた。
今日は彼女たちの中では初デート。
結果としてはトライアングルデートだがそこはご愛敬である。
彼女たちはいつか二人きりのデートを目指し今日を全力で過ごす。
チャイムを鳴らしサトルは扉お開けた。
そして、サトルは目を奪われる。
いつもはダンジョンに行くために簡素な見た目の服ばかり目にしている。
散歩の時に出会ってもいつも落ち着いた服装をしていた。
しかし、今二人が着ているのは今日のために買いそろえた決戦服第一号。
それに二人は今日のために美容院に行き。
エステに行きと自分を磨いてきた。
ハッキリ言って二人とも何もしなくてもだれもが認める美人さんだ。
その二人が全力を出せば当然目を奪われる事となる。
二人は恥ずかしがりながら時間の止まっているサトルに問いかけた。
「ど、どうでしょうか。あまりこういう服には馴染みがなくて。」
彩は今まではスノーが最優先だった。だからオシャレをするのは学生以来だったりする。
服装は
下が薄緑のリラックスワイドパンツ
上は白いシャツに黄色いフレアキャミソール
「私もおかしくないですか?」
舞は受付をするまで探索者として各地を回っていた。そのため特定の相手はおらず彼女もオシャレをするのは本当に久しぶりだった。
服装は
下はぴっちりとしたデニムパンツ
上はオープンショルダーの赤のブラウスを着ている。
「あ、ああ。驚いた。凄く綺麗だね。」
その反応を見て二人は満面の笑顔をサトルへ向ける。
ちなみに両親が後ろで見ているのは割愛する。
しかし、それを見てホロは素早く自分の知識をあさり着替える。
出かけられることに浮かれて今着ているのは単純な白のワンピース。
ホロならそれでも十分可愛いのだが彼女たちの服装を見て対抗意識が顔を出したのだ。
そしてイメージした
生地は絹のような白の袖なし、丈は膝したくらいのワンピース
裾に小さなバラをぐるっとあしらい
メインとして大きなバラを一つ
腰には少し太めの皮ベルト
髪はツインテール
それをイメージして魔力で服を作る。
はたから見ればスキルの無駄使い以外の何者でもないが彼女は本気だ。
まさに決戦に赴く騎士のような面持ちで服を着替えた。
そして何食わぬ顔で二人の前に立った。
「おはようございます。」
その時サトルは火花を幻視した。
「そ、それじゃ、出かけようか。」
「「「はい」」」
ちなみに外にスノーもいたが彼女はこの戦いに参加する必要がないので空気を貫いている。
その後クロと待ち合わせ場所で合流を果たした。
しかし、そこで事件は起きた。
なんとスノーはクロを連れ立って。
「それではみなさん楽しんでくださいね。」
という軽い挨拶を告げるとクロと腕を組み人ごみに消えていった。
これでサトルは孤立無援となる。
クロもいるという安心感からの余裕は消え去り心境はズバリ。
チーター・ライオン・ヒョウに狙われるカピバラの心境だ。
サトルは今日を無難に乗り切るためにまずは本屋に向かうことにしたのだった。
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