第三十三話 レッサードラゴン
14日まで一日5話投稿します。
サトル達は階段を下りて10階層へ到着した。
そしてボス部屋を覗き込んだ。
そこにはコモドオオトカゲのようなトカゲが部屋の中央で待ち構えている。
しかしサイズが遥かに大きい
通常のコモドオオトカゲ体長2メートルほどとするならばこのモンスターは5倍の10メートルほどだろうか。
今まではオーガの4メートルが敵として戦った中でも最大だったことを考えれば一気に2倍以上の大きさだ。
敵を見た舞はいったん全員を階段まで下がらせた。
「あれは今までの相手とはわけが違います。」
「強いのですか?」
「はっきり言って強いです。あれはレッサードラゴン。外皮は固く私の弓矢では貫けません。銀二さんはどうですか?」
「儂の攻撃は通ると思うがそれほど大きなダメージにはならんじゃろう。」
「そうですか。後、爪と牙には細菌性の毒をもっています。これは遅効性で毒消しでは治りません。万能薬がいります。幸い万能薬はここに来るまでに確保できているので心配いりません。」
「それならどう攻めますか?」
「彩さん、毒はまだありますか?」
「あります。」
「それではスノーとサトルさんを前衛に置き外皮に傷をつけえ貰います。そこから毒を注入してください。」
「わかったわ」
「私はなるべく頭を狙い相手の行動を阻害します。出来れば冷却系のアイテムか魔法が欲しい所ですがしょうがないですね。」
そこで轟さんが意見を言う。
「冷却系のアイテムならあるわ。」
そして何やらガラスの玉みたいな物をアイテムボックスから大量に取り出した。
「ここに来る前に他のダンジョンで大量にドロップしたの。良ければ使って」
「助かります。」
「皆さんこれは氷の雫というアイテムです。これを使えば相手に冷却系のダメージを与えることができます。」
「相手はレッサードラゴンといっても火を吐くわけではありません。そのため冷却系の攻撃に弱くこれを使えば相手の動きを大きく鈍らせることができます。これは主に前衛で手の空いているクロさんが使ってください。」
そう言ってクロに氷の雫をアイテムボックスごと渡した。
「分かった。任せろ。」
「それでは行きましょう。」
そして一行はボス部屋へと踏み込んでいく。
まず最初に動いたのはクロだ。
クロはそのスピードを生かしレッサードラゴンの側面に走り込み氷の雫を当てていく。
それを受けてレッサードラゴンは怯む。
「スノー、サトル、今だ。」
クロの合図でスノーとサトルは突撃を開始した。
動きが鈍り始めているレッサードラゴンだがその巨体から繰り出される攻撃は範囲は広く
尾や爪、噛みつきの攻撃によりなかなか接近できない。
「スノー、お前のスピードを生かして何とか接近できないか?」
「やってみます。」
「クロ、スノーの接近する反対側から氷の雫を使って気をそらしてくれ。」
「分かった。」
そしてサトルは正面で盾を構え挑発し、スノーは左から。クロは右からそれぞれ攻撃を仕掛ける。
そしてレッサードラゴンはサトルに噛みつき攻撃を仕掛けようとした時後方からの援護射撃が始まった。
それにより一瞬ひるんだレッサードラゴンの脇腹にスノーは全力で切りつけた。
それにより外皮を切り裂きその下の筋繊維を露出させた。
それを見ていた彩はすかさずその傷へオーガロードにも使った特別製の投げナイフを投げつけた。
そして投げナイフはスノーのつけた傷に見事に命中し毒を注入した。
「みんな、毒の注入には成功したけど、あの巨体に効くのにどれくらいかかるかはわからないわ、みんなも可能な限り相手の体力を削って。」
「わかった。こちらはもうじき氷の雫が尽きそうだ。尽きると同時にこちらも攻撃に加わる。」
「分かった俺はこのままこいつを挑発し続けるから側面からの攻撃は任せたぞ。」
「後衛もフォローします。」
そして爪攻撃はサトルが盾でいなし、噛みつきは舞と銀二の攻撃で阻害することで戦いを有利に進めている。
しかしすでにサトルは爪攻撃を何度か躱しきれず毒状態になっている。
遅効性の毒なのが救いだが、もし即効性ならかなり危険な状態に陥ってしまっただろう。
そしてスノーは外皮を幾度も切りつけ彩も二本目のナイフをレッサードラゴンに投げつけ毒を注入する。
その時クロは氷の雫が無くなったようだ。
先ほど言っていたようにクロは右側面から接近し殴打による攻撃を開始した。
そしてその一撃を受けた途端レッサードラゴンはクロを最大に警戒する。
クロの攻撃により外皮には損傷がないにも関わらず内臓に大きなダメージを負ったからだ。
「俺の拳は衝撃を打ち出せる。ダメージを与える所は思いのままだ。」
(それって空手なら奥義の一つじゃなかったか?)
しかしそれが功をそうし、レッサードラゴンに大きな隙ができる。
そして、それを逃さずサトルは一気に接近し全力で切りつけた。
「ぎゃああああ」
その一撃によりレッサードラゴンの右前足は骨まで届く傷を受け大きな叫びをあげた。
「よし、これで移動力を削いだぞ。」
そして傷口からは大量の血が流れだしている。
その時、動きが鈍ったレッサードラゴンの目に銀二の銃弾が命中し片目を奪った。
その痛みに耐えられなかったのか、その巨体は大きく暴れだした。
だがそれはこちらとしては思うつぼである。
激しく動けば毒のまわりが早くなるからだ。
いったん全員レッサードラゴンから距離を置いた。
そしてしばらくすると毒が回ってきたのか。
それとも血を流しすぎたのか。
動きが緩慢になっていく。
それを見計らって全員で一斉攻撃を仕掛ける。
まずはクロが接近し側面からの殴打を加える。
続いてスノーは剣をまっすぐ突き刺しそのまま素早く離れた。
すると剣は魔力に戻り消え。そこに刺し傷ができた。
サトルは魔力を纏わせた剣で首を狙い切りつけた。
頸動脈を傷つけたのか血が噴水のように噴き出ている。
そこでレッサードラゴンは力尽き光の粒子になり消えた。
そしてそこにはレッサードラゴンの巨大な皮と魔石、
ポーションがドロップいた。
サトルはすぐに轟とフェイトを呼び寄せる。
「轟さん、急いで鑑定してみてください。」
「はい、フェイトもう少し待ってて。」
そしてポーションを慎重に受け取り鑑定を始める。
そして轟さんはその結果に涙していた。
「もしかして別のポーションでしたか!」
「いいえ、これはちゃんと上級ポーションです。ただ嬉しくて。これでフェイトが助かります。」
どうやら嬉し涙だったようだ。
全員それを聞いて安堵した。
「でもどうやって飲ませますか。」
「いえ、この場合患部は頭部なので頭にかければ大丈夫です。」
「分かりました。フェイト起きて。」
祈るように話しかけながら轟はポーションをフェイトの頭に少しずつかける。
するとフェイトは淡い光を放ちながらゆっくりと目を開けた。
「フェイト・・・」
そしてフェイトは嬉しさのあまり轟に飛びついて顔をこれでもかと舐め上げた。
轟は泣いて喜んでいるがその涙はすべてフェイトが舐め取ってしまい零れることはない。
「良かったですね。」
「はい、みなさんありがとうございます。」
「それじゃ、帰るまでが遠足です。皆さん地上に戻りましょう。」
そして一行は地上へ帰還していく。
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