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第二十九話 雇用と愛犬

告知が遅れました

今日から4日、5話連続投稿します。

帰り際に龍斗は元社長の黒田、サトルの元同僚の松、山、北。

そして彩のパーティーメンバーの葛城、木之下に声をかける。

「君たちにちょっと話があるのだが、もし時間があるなら一緒に食事でもどうかね?」


男性陣は少し話し合い元々これからみんなで飲みにでも行こうとしていたのでその話を受けることにした。

女性陣も帰り際に夕食を食べて帰る予定だったらしく快く了承してくれた。


そして、龍斗は自分の屋敷へ彼らを招待した。


「今日は手伝ってくれて感謝する。浴場を準備してある。まず汗を流して来るといい。

我が家には男女それぞれの浴場があるので同時に入れる。メイドに案内させるからついて行ってくれ。」



すかさずメイドが二人近寄ってきてそれぞれも浴場へ案内し始める。


浴場の中で彼らはこの状態を話し合った。


「どうなってんだ?」

「さあ、サトルの知り合いのようだが何か聞いてるか?」

「いや、何も聞いていない社長は何か知っていますか?」

「そろそろ社長はやめてくれ黒田で構わん。ある程度予想はつくが俺も彼の顔を見るのは初めてで確信が持てん。」

「予想ではどんな方なのですか?」

「政界・財界にも顔が利き時によっては総理大臣にも意見を言える。最初はあまり意識していなかったがこの屋敷の規模と彼の名前からすると本人かもしれん。」

「なんでそんな人がサトルと知り合いなんだ?」

「さあな、でもサトルのあの感じだと何も知らないんじゃないか?」

「「「あり得る。」」」


女性陣も二人で湯船につかり現状を話し合っていた。


「これは幻術か?」

「いいえ、現実よ。その証拠に」


ギュウ~


鈴は神無のほっぺをつねる。


「痛い痛い・・・確かに現実だ。」

「私も混乱してるけど、もしかして彩の入る会社を作る人があの人なのかもしれないわ。」

「こんな大金持ちが?」

「ええ、かなり高齢だけどね。私たちに何か話があるようだから気を引き締めていかないとダメね。」

「そうだなお腹を引き締めないとな。」

「・・・・」


そして全員がそろったところで夕食が始まった。


目の前にあるのは旅館で食べるように全てのメニューが目の前に並んでいる。

コース料理と違って好きなペースで食べられるようにとの配慮だろう。


皆、緊張しているのか料理は絶品だが箸の進みが悪い。

龍斗はまず本題を先に済ませ全員の懸念などを払うことにした。


「今日は招待に応じていいただき感謝する。まずここに呼んだ理由から話そう。簡単に言えば私はもう少ししたらある会社を立ち上げようと思っている。」


「それはサトルが就職する会社ですか?」

「後、彩もですか?」


「その通りだ。彼らには先に話をして入社してもらうことに決定した。それで君たちは彼らが信頼に足る人間であると私に推薦してきたメンバーだ。今日ともに作業をして私も同じことを思っている。どうだろう、話を聞いてからでもいいので返事を聞かせてもらいたい。」


そうしてサトル達にした説明を行う。


その話を聞き終えまずは鈴が質問をする。

「仕事はとても面白そうですがそんなことが可能なのですか?」

「可能だ。政府からは協力の確約を貰っている。あちらも自分たちの手が回らない依頼を処理できる。例えば今日のような仕事をな。後これを見よサトル達には先に別の仕事を体験してもらっておる。」


そういうと部屋にあるテレビに先日の救援活動が映し出される。


「あいつらこんなことしてたのか。」


「すでにうちの会社の宣伝活動の一環としても大きい成果を上げてくれた。もとは救助ではなく遺体の捜索だった。しかし彼らは状況から避難者の一部が「門」の中に逃げ込んだことをいち早く察知し9人もの人間と多くの動物たちを救助して見せた。」


「どうじゃお前たちも多くの命を救って見んか?」

「俺はするぞ。数年後子供に誇れる仕事がしたい。」

「俺はしばらくのんびりするつもりだったのだがなこれを逃す手はないな。」

「今のままだといつまともな仕事に就けるかわからないからな。俺もいいぞ」

「私もいいぞ探索者とそれほど変わらないしな。」

「私もいいかな。探索者だけするよりも面白そうだし。」


「あの、それならなぜ私が呼ばれたのですか?」


そこで黒田は疑問を投げかける。


「お前は経営の経験者じゃ。しかもそれなりに大きい工場を立ち上げ一代にして世界的な会社にしておる。そんな者を野放しにするのはもったいないじゃろう。当然お前は現場ではなく幹部としてうちの会社で働いてもらう。」

「そんないきなり。」

「知っておるぞ、お主は社員の金銭的補償のためにかなりの金を出し貯金もあまりないじゃろう。あの工場跡地など売っても二束三文じゃぞ」

「黒田さんそこまでしてくれていたんですね。」


黒田の実情を知り元社員は驚愕を隠し切れない。


「儂はお主のその誠実さをかっておる。何よりこれから立ち上げる会社には必要不可欠じゃ。どうじゃ儂の会社に来てくれんか。」

「分かりました全力で頑張ります。」


そして全員が就職を果たした。


「そうじゃそこの男衆3人。お主たちは犬を飼いたいと言っておったが本気か?」

「飼いたいのは山々ですが・・・」

「確か北は条件を言ってなかったが何かあるか?」

「子犬からがいいのですが結構値段が高いですからね。サイズや犬種はあまり気にしないのですが。」

「そうかちょうどこの前3か月ほどの子犬を保護しての貰い手を探して居るがどうする。」

「少し待ってください」


北は自宅に電話をかけ妻にお伺いを立てる。北は妻の尻に敷かれているようだ。


「写真などはありますか?」

「おお、これじゃ。そしてこれが動画じゃ」


そのデータを妻に送りしばし待つと電話が鳴る。


「うちの子で確定です。」


どうやら了承が取れたようだ。


「いつ連れて帰れますか?」

「すべての検査と処置は終わっておる。あと、予防接種は上北動物病院に行けばただで受けられるように手配しておく。」

「ありがとうございます。」


「次は山だな確か躾がしてあるといいと言っておったな。」

「はい、若い犬でがいいですが赤ん坊がいるので。」

「ならばちょっと待っておれ。」


そう言って備え付けの受話器で何処かに電話をかける。


「銀二、少し悪いがコンを連れてこちらまで来てくれ。」

「銀二さんというのは?」

「お前たちの同僚になる者の一人じゃ。銀二は動物と意思疎通できるからの躾は一発じゃ。」

「それは便利ですね。」


そしてしばらくすると扉が開き若い雌犬と銀二が入ってくる。

犬は見た感じではボーダーコリーのようだ。

「こいつはどうじゃこいつは賢いからな言えばする聞いてくれる。それに子供も守ってくれるぞ。」


「そういう事なら少し相談してみます。」


山が電話をかけ妻に説明する。


「それならいいわよ。」


結構あっさりと電話が終わり連れて帰ることが確定した。


「最後は松じゃな。お主は留守番と言っておったが一緒に探索者をしてはどうじゃ?」

「それが可能なのですか?」

「そこは銀二に説明してもらおう。」


そうして銀二が説明を始める。


「実は「門」に避難した際に戦えるのが儂と相棒のクロしかいなくてな。仕方なく一緒にいた動物たちと一緒にモンスターを倒したんだがな。当然モンスターを倒したからレベルとステータスを手に入れてな。普通の人には譲渡出来んようになってしまったんじゃ。」

「一応聞くが犬種はどれがいいんじゃ?」

「いえ犬種は気にしません。でも顔合わせをさせてもらっていいですか?」

「いいぞ、今日はここにそいつらを連れて来たついでに滞在しておったからな。少し待っておれ。」

「全員集合」


そういうと数匹の犬が現れ静かに伏せる。


「この中で俺を気に入ってくれているのは・・・お前だな。」

「???その通りだが分かるのか。」

「どことなくですけどね。赤い糸?犬とは何色ですかね?」

「変わったやつだな。まあいい。互いに気に入ってるならそれに越したことはない。あと名前は付けてないから自分でつけてやれよ。」

「分かりました。」


「あとそこのお嬢さん方。実はこいつらがあんたらを気に入ったらしくてな、よかったらどうじゃ。」

「わたしも相棒は欲しいけどうちのアパートは動物禁止なんだ。」

「私もです。」


そこで素早く龍斗は説明する。


「うちの会社は寮完備じゃ。駐車場付きペット可じゃ」


そしてそれを聞いた二人はしゃがんで手を前に出す。


「「おいで~」」


途端に二人へ向けてそれぞれ一匹ずつが飛び込んでいく。


「ああ~最高~夢にまで見た愛犬」

「ああ~筆舌に尽くしがたし」


「これであの災害の被災犬も減ってくれたな。」

「この子たちは被災犬なんですか?」

「ああ、それだけこの災害は大きかったんじゃ。おそらくこれでも一部なんだろうな。」

「残ったやつらもいい貰い手を探してやるさ。」



読んでいただきありがとうございます

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