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第二十五話 帰宅そして失業

俺たちは次の日の朝、帰宅することを伝えるために霧島さんのいるテントへ向かっていた。

そして、テントの周りには銀二さんだけでなく多くの村人が集まっていた。

皆がお礼の言葉をかけてくれる。

スノーなどはいろいろなテレビ局からインタビューされていたため少し疲れが見える。


俺たちは霧島さんと銀二さん、それとクロの前に行き挨拶を交わす。

「霧島さん、色々ありがとうございました」

「いや、こちらこそ多いに助けられた感謝する。」

「霧島さん借りていたアイテムボックスをお返しします。」

「ああ、そのことなんだがそのアイテムボックスは君のものだ」

「どう言う事ですか?」


「この度君たちは支援という形で依頼を出しているが功績が大きくてな。何か報酬を出さないと体裁が悪くなると上は判断したようだ。マスコミも大きく取り上げるだろうしな。君にはそのアイテムボックスとなったが問題なかったかね」


「それは構いません。かなり高価なものなので。」

「それは助かる。こちらで勝手に手続きしてしまったので断られたらどうしようかと思っていたんだ。ただ、貸し出した双剣は返してくれ。それは自衛隊の登録武器だから紛失すると大変なんだ。」

「わかりました。こちらもとても助かりました。」

「ああ、それとサトルと舞さんはどんな報酬にするかね。」

「俺は今アイテムには困っていないので金一封で構いませんよ。今仕事先が休業中で収入がないんです。」

「私もその形でお願いできますか?」

「わかった。そう上に伝えておこう。ただ、どこもこんな状態だ。金額はあまり期待できんと思うぞ。」

「いいですよ。おまけみたいなものですから。」

「そうですね。」

「そういってくれると助かる。君たちの街には自衛隊の基地があるからまた会えるかもしれんなその時には飲みにでも行こう。」

「その時はお手柔らかに」


そして次に銀二とクロの所へ行く。


「それでは町に来たらまた会いましょう。」

「そうじゃな、あまり詳しくないから出来れば案内を頼む。」

「わかりました。その時を楽しみにしています。」


「クロさん、待ってますね。」

「ああ、必ず行くから待っていてくれ。」

「はい、その時は、あの・・・」

「???」

「デートしましょうね。」

「お、あ、ああもちろんだ。できるだけ急いで向かう。」

「はい」


((ラブラブで羨ましいな~))


「嬢ちゃんたちも頑張れよ」(ニヤリ)


((ばれてる~!!!))


「それじゃみんな帰ろう。」


「はい、そうしましょう。私はそろそろリーンニウムが切れてきたので補充したいです。」

「あ、俺もホロリンとイクスニウムが切れてきた。早く帰らねば禁断症状が~。」

「彩さんがうらやましい。」


そこで彩はなんとスノーを犬形態にしてモフりだす。

それはだれが見てもわかる自慢の行動。


「フフ」


「俺たち今鼻で笑われた気がする。」

「私もそう思いました。」

「妬んでもしょうがない。急いで帰ろう。皆さんそれではさようなら。」

「「さようなら」」

「ワウ」


そして一行は来た時よりもはるかに早く帰っていくのであった。


町に帰り着いたサトルと舞は急いで自分の愛犬の所へ猛然と走った。

まさにラストスパートである。

そして扉を引き千切らんばかりにあけ放った彼らに向け3匹の愛犬は・・・。


寝ころんだままそっぽを向いた。

どうやら出かけている間、会えなかった事でヘソを曲げているようだ。

しかしそれはサトルと舞には予想通りの行動だ。

二人はアイテムボックスからある秘密兵器を取り出す。

それは先のダンジョンで手に入れこんな事もあろうかと持ておいた。


調理済み虎肉である。


その匂いを嗅いだとたん3匹は立ち上がり、今度は犬たちが猛然と向かってくる。


犬まっしぐら。

涎を泉のようにあふれさせ目線は全く動かない。


サトルと舞は焦らすことなくお肉を与え犬たちの機嫌を取った。

その結果彼らは愛犬から甘えられるひと時を勝ち取ったのだ。


そしてサトルたちはまた明日にでも集まることを打合せして解散していく。

レベルが上がっても慣れない事をすれば精神的に疲れる。

彼らは疲れをいやすため今日をのんびり過ごした。


そしてサトルのもとに会社からの緊急メールが届く。

その内容とは驚くべき事柄だった。


わが社はこの度の豪雨災害により工場施設に甚大な被害を受けた。

そのため工場は閉鎖し従業員は解雇となる。


その説明をするため明日の朝9時より工場前の敷地にて説明会を行う。

可能なかぎり全員来られたし。

なお退職金は確保してあるのでその手続きのために印鑑と通帳を持ってくるように。


「・・・」


サトルは固まった。

今までポーションを集めることに必死で職場の事をまったく気にしていなかった。

断水になっている地域だから休みになっているのだろうと単純に考えていたのだ。


(ハアー、明日はどうなることやら。)


自然とため息が漏れる


サトルの両親は年金暮らし。まだまだ健康で趣味は柔術と剣道。

そして愛犬を2匹飼っている。

収入がなくなれば

そう無くなってしまえば愛犬に贅沢をさせてやれない。


愛犬家は愛犬家ゆえに愛犬基準。

仕事を頑張るのも愛犬のため。

愛犬のために定時に帰りお金も稼ぐ。

彼にとってはそれが普通だった。


そしてサトルは眠りにつく。


朝になりサトルは出社していく。

道路はまだ朝から渋滞のため徒歩、又は走って向かっている。

今では車より早く到着できる。


そしてサトルは会社について絶句した。

言うなればそこはほぼ更地と化していた。

建物は流され少し残った柱が見える。壁など何処にもない。

使っていた機械は土に埋まりどこにあるのか確認すらできなかった。


「これは酷い。」


そして説明会が始まった。


簡単にまとめるとこんな感じだった。


復旧には国の支援がもらえるが復旧しきるまでの年月や金額を考えると現実的ではない。

そのため変に足掻いて傷を広げる前に残っているお金を皆の退職金にあて当分の生活の助けにしてほしいと言う事らしい。


実際この惨状を見て異論を唱えられるものは誰もいなかった。

逆に社長たちに感謝するものがほとんどだ。


「社長はこれからどうするのですか?」

「まだ決めてはいないな。残った金で細々生きるか。お金を融資してもらって新しい事業を始めるか。まあ、しばらく時間はあるからゆっくり考えることにする。」


彼は一代でこの工場を世界的に需要のある部品製造工場へ育てたやりてだ。

サトルは彼がまだチャンスがあれば這い上がれると信じ心の中で応援した。


そしてサトルは周りにも話しかけた。


「松さんはどうするんですか?」

「そうだな、急いで他の仕事を探さないといけないが現状でそれが可能かどうか。」


「山さんは?」

「俺は子供が生まればかりだからな俺も次の仕事探さないと。」


「北さんは?」

「俺は貯金もあるし少しのんびりかな。子供も独立してるしな。」


「そういうサトルはどうするんだ」

「俺ものんびりはできませんね。愛犬のために。」

「お前はブレないな。」

「まあ、互いに連絡先も家も知ってるから何かあったら連絡をくれ。」


(俺もどうするか。探索者にでもなるか?今日会う二人に相談してみるか。)


そしてサトルは工場跡地から自宅へ帰っていく。

読んでいただきありがとうございます

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