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第二十四話 二人の決断

異常種を倒した直後スノーはスキルによるリバウンドのためその場へ倒れ来む。

このダメージはポーションの効きが悪い。すぐに歩けるようにはなるが激しい動きは出来ないだろう。


それを見てスノーのもとにクロが駆け寄る。

スノーに話しかけ心配しているようだ。


「スノー大丈夫か。」

「少し無理をしました。しばらくすれば動けるようになります。」

「そうか、何かしてほしい事はあるか?」

「今は集中するのは難しいの周囲の警戒をお願いします。心配してくれてありがとう。」

「いや、当然のことだ。気にしないでくれ」


そして互いに微笑みあう。


先ほどまでほとんど会話をしていなかったので互いに何か心境の変化がこの戦いで生じたのだろう。

前半からかなりきつい戦いだったが誰もかけることなく戦闘が終了した今ではいい結果になったと喜べる。


「これは何ですか?」

「ああ、鑑定しないと詳しくは分かりませんが、おそらく強化素材ですよ。」

「強化素材?」

「はい。剣などを作成する際にこれを金属に混ぜると何らかの特性を与えることが出来ます。」

「どんな特性があるのですか?」

「例えば鞭のように柔軟な金属やにしたり、逆に途轍もなく硬い金属にしたり。魔石を利用して付与出来る可能性もあります。」

「銀二さんこれらはどうします?」

「そうじゃなこれの権利じゃが今回は儂らパーチィー全員にある。だがこれを必要そうな者は一人しかおらん。」


そう言い銀二は彩の顔を見る。


「私ですか?」

「そうじゃ、今のところちゃんとした武器を持っておらんのはお前さんだけじゃ。これはお前さんが持っておれ。」

「ありがとうございます。みなさんもいいですか?」


それぞれ肯定の意思を示してくれた。


「後はこの魔石じゃな」

「これもお前さん方が持っていくといい。今回は色々助けてもらっておるから餞別じゃ。」

「復興資金に当てなくていいんですか?」

「そこは政府がどうにかするじゃろう。その魔石くらいの金額など雀の涙じゃ。それに彩ちゃんがいれば必ず魔石は必要になる。持っておきなさい。」

「ありがとうございます。」

「そのかわり悪いんじゃが何か食料を融通してくれんか?」

「わかりました。お礼に提供しますよ。」

「感謝する。」


そして一応の目的は果たせたことから一行は出口へと向かっていく。


しかしスノーがまだ回復していないためなかなか進めない。

そのため皆で話し合いクロにスノーをおぶってもらうことになった。

当然スノーは顔を赤くして反対した。

だがスノーの尻尾がかなり振られており誰も取り合わなかった。

ちなみにクロの尻尾も隠してはいるが微妙に動いていることから嬉しいのだろう。


俺たちはスピードをあげ出口に向かう。


戦闘は周りの俺たちがおこなうことで問題はなく無事にいろいろな食料をもって外に帰還することが出来た。


そのころにはスノーも普通に動けるようになっていたため俺たちはいったん分かれることとなった。


そしてこの夜、俺達は計画通りある行動にうつる。


コンコン


「儂らじゃがみなおるか?」

「はい、今出ます。」


そして銀二とクロが部屋に入ってくる。


しかし部屋にクロが入ってきたところで銀二は部屋の外に出た。

そしてサトル、彩、舞も部屋を出ていく。


「後はお前たちで話し合え。」

「スノーしっかり話すのよ。こんな時なのだからチャンスは今しかないかもしれないわよ。」


そう言い残し4人は部屋を退室し扉を閉めた。


二人は扉を見つめ固まった。


(その間に4人は素早く隣の部屋に入り聞き耳を立てる。)


二人は突然の出来事に面食らって驚くが彩の出ていくときの言葉を思い出し話をするために向かい合う。

来ることは分かっていたのでお茶の準備はしてあった。

スノーはお茶をコップに注ぎクロに出す。


しばしの沈黙が部屋を包む。


(なかなか話が進まんようじゃが大丈夫かの。)


そして最初に沈黙を破ったのはスノーであった。


「そういえばダンジョンで助けてもらった時は余裕がなくてお礼を言えませんでした。あの時はありがとうございます。それに私をかばったために腕を・・・」

「それについては気にしないでくれ。腕はすぐに回復してもらったし俺は君を守れて嬉しかった」

「それはどういう・・・?」

「・・・俺は君が好きだ。一目見た時からずっと好きなんだ。だから君を守りたい。」

「・・・ありがとう、とても嬉しい。実は私もダンジョンで最初に見た時からあなたのことが好きだったの。本能というのかな。私は貴方に惹かれてしまった。」

「それじゃあ俺と?」

「また伝えることがあるの。守ってくれるのはとても嬉しい。でも、私が今一番守りたいのは主なの。」

「・・・」

「私たちは明日には住んでる街に戻らなければいけないの。だからここでは一緒になれない。」


(スノーあなた・・・)


「これ以上は私もつらいからちょっと夜風にあったって来るわ。」


そう言ってスノーは部屋を出ていく。


そしてクロは涙を堪えたまま部屋にしばらくの間座り込んでいた。


そして隣の部屋では。


「まさかこんなことになるとは。彩さんどうしますか?」

「私はスノーの気持ちを尊重します。」

「私はある意味部外者だから今回はノーコメントで」

「俺も今回のことには口出しできないな。」

「儂はちょっと考えることがあるから先に帰るわ」

「???今日はお疲れさまでした。」

「おう明日は見送りに行くからの」

「わかりました。」


そして銀二は部屋を出ていく。

建物から出て銀二は星空を見上げ一人考える。


(あの話は受けんつもりじゃったがそれも一興かの~。どのみちここにはもう何も残っておらん。。家も思い出も何もかも土砂に埋もれてしもうた。まあ、急な事じゃが連絡手段がない以上直接会いに行くか。あやつならすぐに対応してくれるじゃろう。)


そう結論づけクロを迎えに行く。

あのままではいつ動き出すかわからない。


銀二は部屋に入りクロに話掛ける。


「クロ、お前に話がある。」

「なんだ。」

「儂はこの村を出ることに決めた。お前もついてきてくれるか。」

「当然ついていくがどこへ行くつもり?いや、どこでもいいか。」


「お前には儂の女房がどこに入院してるか言ってなかったな。」

「ああ、俺の見た目は目立つからな俺もいけないから気にしなかった。」

「そうじゃな。実はあの隊長さんに聞いたのじゃが今回の捜索活動はマスコミが大々的にとりあげるそうじゃ。スノーやお前の活躍もな。」

「それでどうなるというんだ」

「鈍い奴じゃの。報道の力は強い。おそらく今回のことで探索者やスノー、それにお前を見る目は確実に変化するじゃろう。町に降りられるということじゃ。」

「そういうことか。だがどこへ移住するんだ?」


「スノーたちが住んでいる町じゃ」

「!!!それは本当か?しかし俺は・・・。」

「バカモン。もう一度言われたことを思い出してみろ。ここではダメと言われたはずじゃ。」

「!聞いていたのか。」


「・・・それはどうでもいいことじゃ。」

「・・・今の間はなんだ。」


「ともかく、スノーがこちらに住めないのが最大の障害じゃ。ならばこちらから向かうのみ。男なら行動で示せ。」

「わかった。」


「それはスノーに伝えてもいいのか?」

「当然じゃ、すぐに行ってこい。」


クロは部屋を飛び出し匂いを頼りにスノーを探す。


(近いな、あの茂みか。)


そして近づくと微かな鳴き声が聞こえてくる。


クロは急いでその茂みに飛び込んだ。


「スノー」


「あ、え、クロさんどうしたんですか?」

「スノー聞いてほしいことがある。」

「何ですか?」


スノーは驚きで泣き止んでくれたが一人にしたらまた泣き出しそうな雰囲気を纏っている。


それを見たクロはそっとスノーを抱きしめた。


そしてスノーが驚きに固まっているうちにクロは話し始めた


「スノー聞いてくれ俺もお前たちが住んでいる町に住むことになった。」

「!どうしていきなり。」

「今回のことで住む所が無くなってな。それでそちらの街に住みなおすことにしたらしい。・・・それで先ほどの質問をもう一度さしてくれ。」


「俺と結婚を前提に付き合ってくれ。」

「・・・・・・・・・・・・・・はい。」

「ほんとにいいのか?」

「私もあなたが好き。だからあなたが傍にいてくれると嬉しいわ。」


そういって二人は今度は互いに抱きしめあい微笑みあう。




読んでいただきありがとうございます。


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