こころさやけき

かぜがつよくなってきた。

あめもよこなぐりだ。

つめたいつぶて。

ほほをたたく。

いたみはひょうめんてきなものではなく、こころのおくぶかいとこにつもっていく。

まるで、いままでたのしいことなんてすこしもなかったかのようにおもえる。

やってきたこと、これからなすこと。

みんなみんなむだにつみかさねていくようにかんじられて、むねをつかんだ。

わすれたくないのに、かんじたこと、おもいや、ひびをおいていく。

わすれられたくないのに、こどくで、いつかひとりになるとかくごしてる。

わかってる。

たぶん、そういうことだ。

ぼくらは、ただまえだけむいてはいられないいきもの。

ふりかえり、こうかいし、あきらめてふりはらってはすすむ。

いさんで、つんのめってころび、こぶしでぐいってぬぐってたちあがる。

いっぱいのいたみと、ちょっぴりのこうふく。

よろこびみちあふれたまいにちなんて、えにかいたもちだとおもう。

うしなってはじめてわかる。

あやまってはじめてわかる。

そらがあかるくなってきて、あったかくなってきて、こもれびがここちいいって。

だからいられるんだな。

いきていける。