テーマ《SNS》

最近彼女は流行りのSNSを始めた。

僕と一緒に出掛けたあちこちの桜の写真をアップし、桜好き同士で盛り上がっているらしい。

僕はと言うと、その手には弱く知識もからっきしだ。

「よし、昨日行った桜の写真アップ完了っと」

「気を付けろよ、SNSは案外危険だぞ」

僕の忠告に彼女はぽかんとした表情をする。

「何で？」

「テレビで見た」

途端、彼女の頬が緩む。

「な、どうしたんだよ」

「心配してくれてるんでしょ？」

僕は当たり前だという様に大きく頷く。

「大事な人だから怖いんだよ。何かあったらって」

「大丈夫」

彼女がぎゅうっと抱き付いてきた。

「私はずっと貴方のそばに居る。桜の木に誓ったんだから」

僕も力の加減をして彼女を抱きしめる。

「……もう一回桜の木に誓おうか」

「うん。桜は約束守る子好きだから」

「何だよ、それ」

僕は苦笑した。

二人で桜の神様にもう一度お願いをしたのだった。