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異聞録:東京異譚  作者: 小礒岳人
魔の章

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其の七

グレンデル親子の事件から半月―

室内でPCを弄る中―…



―11月24日(水)夕刻―


―都内某所―

挿絵(By みてみん)


簡素な室内でノートPCを弄る。


携帯のメールと同期したメールBOXを開く。


また同じメールが届いている。


2004/11/2 22:48

From:AGENT A

To:Code B

Sub:

件名:上野の怪異の件


黒い男「…」


無言でそのメールをクリックする。



私だ。

先日の不忍池での怪異を片付けたのは君だな? 政府を代表して感謝する。

8月以降連絡が取れなくなって大分経つが、このメールもきっと読んでくれていると思っている。

引き続き協会の崩壊と立て直し、諸々の手続き等事後処理で手が回っていない。なので、このメールを送った。

今の上野で起きている怪異の元を絶ってくれ。

恐らく原因は



そこまで文章を読むと立ち上がり、PCを閉じた。


コートを羽織り、銃をコートの腰裏部分に収め、刀袋に収めた閻魔を手に、携帯を弄りながら部屋を出た。



―11月24日(水)午後11時58分―


―台東区上野 上野公園内国立西洋美術館 地獄門前―

挿絵(By みてみん)


深夜12時目前、誰も居ない国立西洋美術館…そこに強い足取りで現れる男…


黒い男「…こんな所が元凶だったとはなぁ…!」


袋から取り出した"閻魔"を背中に背負って口にする。


同時に開くハズのない地獄門の扉が、ゴロゴロと石が擦れる重い音と共に開き始める。


黒い男「『この門を潜る者、一切の希望を捨てよ』…」


背中に背負った刀を背中から左腰に降ろし、腰を下ろしつつ呟く。


??『PER ME SI VA NE LA CITTA DOLENTE,PER ME SI VA NE L’ETTERNO DOLORE,PER ME SI VA TRA LA PERDUTA GENTE.

GIUSTIZIA MOSSE IL MIO ALTO FATTORE;FECEMI LA DIVINA PODE…』


重苦しい響く音で、門に付いている彫刻の口達が一斉に語り出す。


黒い男「…英語でもなきゃわかんねーよ…英語でもわかんねぇが」


門が喋っている耳慣れない言葉に耳を傾けながらも、悪態を吐きつつ腰を落として右手を刀の柄に添える。


??『…STATE,LA SOMMA SAPIENZA E’L PRIMO AMORE.

DINANZI A ME NON FUOR COSE CREATESE NON ETTERNE, E IO ETTERNA DURO.LASCIATE OGNE SPERANZA, VOI CH’INTRATE』


門の喋りが終わると同時に、一帯の空間が歪む様に変貌する。


夜の暗がりなのに空は明るく、風も吹いていないのに雲の動きは速い…そして、周囲は一気に不穏な空気に包まれた。


黒い男「逢魔ヶ刻…さながら辺獄(リンボー)か…」


呟いている間に、ゆっくり開いていた門は全開し、中から亡者や悪魔が現れた。


あるものは這いずり、あるものは翼を羽ばたかせ、品の無い声を上げつつ飛び出してきた。


瞬間、その空間に複数の切れ目が入り、ほんの一瞬待った後、その亡者や悪魔達はバラバラに斬り刻まれて、地に落下する。


()めで抜刀した"閻魔"に、右手の"力"を込めて神速で抜刀し、意識した空間を斬り刻む。


悪魔だったモノは、落下すると地面を血で汚し、亡者達は怨嗟の叫びを出しながら霧散していった。


しかし、門からはそんな"死"など構わず、悪魔達が飛び出してくる。


再び刀を納刀し、同じ様に連続で空間を斬り裂き始めた。


黒い男「そらそらそらそら!」


悪魔達の刻まれた破片がドシャドシャと地面に落下していく。


飛び出してくる魔を片っ端から斬り刻んでいくと、ついには門から出てこなくなった。


黒い男「…こんなモンか?」


そう言うと、門の奥から再び何かが聞こえてくる。


??『Pape Satan… Pape Satan… aleppe…!』


重苦しく、地の底から響いてくる暗い音…


黒い男「だから何言ってっかわかんねぇって…!」


余裕有り気な発言をしながらも、警戒は解かない。


とても大きな足音が、門の中から近付いて来ていた。


地獄門から溢れる悪魔を薙ぎ倒すとそこからは―…

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