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異聞録:東京異譚  作者: 小礒岳人
魔の章

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其の六

不忍池での事件から半月―

新宿アルタの巨大モニターから流れるニュースには…



―11月10日(水)昼―


―新宿区新宿駅東口アルタ前―

挿絵(By みてみん)



サングラスの司会がいつもの曲で別れの挨拶をして番組が閉められ、アルタのモニターからは、先日の事件のニュースが何度も垂れ流されている。


不忍池でのグレンデル親子に憑かれた二人を斃した。


その遺体のうち、9月のものは身元特定出来なかった中年の浮浪者男性、10月のものは近くの中年占い師であり、二人は全くの他人というニュースだった。


浮浪者はともかく、占い師の方はその界隈でちょっとした当てる占い師で人気だったらしく、その死に哀しみの声があった。


しかし、良い占いが当たるのと同時に悪い占いも当たるので、ハイリスク、ハイリターンの占いと裏で揶揄されていた。


上野警察署は二つの殺人に関連性を鑑みて、捜査を開始すると共に、周囲への安全と警戒を呼び掛けている。


その後はCMが流れ、再びニュースが流れる。


上野での事件だ。


ここ数ヶ月、上野での事件が本当に増えた。


不可解なものやら猟奇的なもの…一部では妙な噂も立っている。


戦時中の怨念だの、江戸時代の幽霊だの、革マル派の…と、噂は尽きない。


実際、上野での事件数も軒並み上がった。


大罪の影響が東京を覆っているとはいえ、異常なほど。


しかし、そんな情報も、日々を生きる現代人にとっては、消化する毎日の一瞬にしか過ぎない。


街行く人々は、そんな事を気に止めず、歩き続ける。


だが、そうで無い者も居る。


黒のコートで全身を覆った男が、そのニュースに足を止めて眺める。


黒い男「…また起きたのか」


喧騒に掻き消されてしまい、他人には全く聞き取れない声で、そう口(ずさ)む。


アルタ前の広場で、立ち止まってモニターを眺めた後、雑踏へと消えていった。


ノートPCを開くとメールが来ている―

其の差出人は…

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