其の三
帰宅しソファーに倒れ込む黒い男―
そこで思惑するのは…
三
―9月24日(金)深夜―
―都内某所―
黒い男「―はァ…」
一息吐くと共に、簡素な部屋のソファーへと倒れ込む。
他には生活に必要な物以外置いていない。
完全に休むだけの場所―
―あれ以来、DPPへは戻っていない。
日本政府からの依頼は受けず、情報のみを覗いて、勝手に対処している。
誰とも顔を合わせたくなかった―
誰とも関わりたくなかった―
悪意を狩る―その思いだけで、ただ、東京の大罪を狩っていた―
…―しかし、終わりは来ない。
いつまでもいつまでも、終わりの無い無間地獄の様に…
その思いが、心を全て支配していた。
あれからトシ達―クリフにすら会っていない。
そもそも基本、携帯は閉じている。
着信を受ける事も無い。
―無能共が。
自分だけがこんなにも動いている事に対し、全て自分に片付けられてしまっている事態を、東京を護れていない事を、憤っていた。
しかし、その憤り事態も、理不尽な事ではあるが―…
東京の敵対してくる悪意は全て根刮ぎ無くさねばならない。
その意志だけで、動いている。
動いているというより、使命感だった。
俯せに倒れ込んだソファーの上で、腹が鳴る。
黒い男「…腹減ったな…何食うか…」
顔を横にしながら呟く。
結局食事を取ったのは、その後朝を迎え、昼を過ぎた頃だった。
1ヶ月後―
人の居なくなった不忍池には―…




