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異聞録:東京異譚  作者: 小礒岳人
人の章

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中編 其の十五

超忍と鬼の戦いのドサクサに生じ、二人は丘の上の嘉手名邸へ向かっていた―

十五



―4月26日(月)夜11時31分―


―東京都あきる野市 秋川渓谷 秋川上道路―

挿絵(By みてみん)



二人は超忍と竜尾鬼の戦闘のドサクサに乗じて逃げ出し、別荘へと向かっていた。


クリフ「ッ…! あのっ…! 二人ッ…! 良かったッ…んですっ…かッ…?!」


息も絶え絶えにクリフが問うてくる。


黒い男「あ? …構わねーよ それに目的はあの二人じゃねぇ つか…お前の目的…そのコを助けんだろ? じゃ、チンタラ無駄な小競り合いしてる場合じゃねーだろーがよ」


クリフ「あ…まぁ、そうですね…」


素直に言われていることに納得する。


クリフ「あの…」


黒い男「ん?」


クリフ「ありがとうございます」


純粋にそう述べる。


黒い男「! …ああ…」


その純粋さに、言われると思っていなかった言葉に、一瞬だけ、驚く。


黒い男「…行くんだろ」


クリフ「ハイ」


頷きながら答える。


目的は美穂を助けることなのだから。


クリフは目的を(あらた)に、街灯の無い真っ暗な道を、前に歩んだ。


クリフ「あ、それと…」


気付いた様にくるりと振り返りながら言う。


クリフ「あの…()()N()I()N()J()A()()()が言ってた…力にのまれるって…」


黒い男「お前の気にする事じゃねーよ」


そこまでで話を遮る。


クリフ「あ…はい」


そこで会話は途切れ、クリフは前を向いて、再び歩き出した。


黒い男「…」


少し後を歩きながら、先刻の言葉を反芻していた。


()()()()()()()()()()()()()


―止せ!―


―友を斬るつもりか!―


―力にのまれるって―


自分は何をしようとしていたのか…?


仲間を―


友を―


斬る?


―殺す?



()()…??


何故…そんな思考に至るのだろう。


その思考を()()()()()()()()()()()()()


()()()()()()()()()()


あの人達とは戦いたくないのに―


戦いたくないハズなのに―


何故だ―


おかしいのか?


自分は―?


―それとも…


既に


スデに


オカシく―


クリフ「すみません…!」


黒い男「! ッ…なんだ…?」


突然声を掛けられ、我へと還る。


クリフ「…? 大丈夫ですか? 声を掛けても反応が無かったんで…」


覗き込む様に近付く。


黒い男「ッ …なんでもないッ…」


手で少し顔を覆い、表情を読まれない様にして平静を装う。


クリフ「あ…そうですか」


黒い男「で? なんだ…」


クリフ「あ、えっと…この畑って…何か分かりますか?」


指を指しながら問う。


歩きながら道路を抜け、その上に在る畑まで来ていた。



―4月26日(月)夜11時42分―


―東京都あきる野市 秋川渓谷 高台 嘉手名邸所有畑―

挿絵(By みてみん)



黒い男「…ああ…恐らく有機野菜だな…調べた限り、所有者の嘉手名貴代子はそーとー食にこだわりがあるらしいからな…」


クリフ「ここも所有しているんですか? へぇ…」


そう説明を受けても、クリフには今からその邸宅へ行く理由が繋がらなかった。


黒い男「…最近話題の低インシュリンダイエット…とかってのに手を出してるとか…食は全部自然由来でないとダメなんだと」


クリフ「そんな人のところに…??」


益々解らなかった。


周囲を見回し、野菜畑には様々な旬の野菜がなっている。


黒い男「…おかしいな」


小声で呟く。


低インシュリンダイエットは食事をバランス良くするのが前提。


だとすると、この状況に当て嵌まらない。


嘉手名貴代子の料理に対する拘りと当て嵌まらない。


そんな事を考えながら、更に高台に在る嘉手名邸へ眼を向ける。


高台に在るデザイナーズハウス。


二階建てで二階は前面ガラス張り、一階が入り口とガレージを兼ねており、この畑だらけの場には似付かわしくない。


周囲はとても静かで、ハウスに灯りは付いていなかった。


それを見て更に思う。


全て自分で用意するなら…確実に足りていない。


その疑問の答えは、後で解った。


その場に不釣り合いな嘉手名邸に到着する―

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