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魔族の存在

 アルフェリズのギルドに戻っていつも通りに任務達成の報告と、一緒に仕事を受けたロイドたちの話もしておいた。

 ついでにバフォメットのことも伝えておく。

 あんなのがそう現れるとは思えないが、こういう警告を発するのも冒険者の義務だ。


「魔族ですね……たしかにこのライフコアは……トロールの物とは違いますね」


 ちょっと信じられないって顔でエレナが書類に色々と書き込みを入れていく。


「よく勝てましたね」

「俺もそう思うね。あれは手ごわいというか物理攻撃だと倒せるか怪しいぞ」


 ロイドとヴァレンの武器での攻撃を受けてもまるで強力な治癒魔法が掛かっているかのように傷が癒えてしまった。

 俺の雷撃はどうにかダメージがあったっぽいが、トドメはテレーザの魔法だ。


 ただ、魔法に弱いというより物理攻撃に耐性があるという方が適切だろう。

 並みの魔法が通じるかは分からない。


「ありがとうございました。物理攻撃で倒せないとしたら厄介ですね」


 エレナが物憂げに言う。

 当世のパーティは前衛の武器による物理攻撃で魔獣を殴り倒すのが主流だ。

 たまたま今回はテレーザがいたからどうにかなったが、いなかったら全滅もあり得ただろう。


「まあ確実とはいえないがな」


 相手の戦力や性質を分析する余裕はなかったから、あいつの正確な能力や特性は謎だ。


「分かりました。上に報告しておきます」


 そう言ってエレナが書類を綴じた。


「討伐評価については後日とさせてください。特殊な相手ですから。報酬についても」


「それでいいか?」

「ああ、構わない。なるべく高い方がありがたいな」


 テレーザが答える


「ええ、勿論、これほどの相手ですからね」


 そういうとテレーザが満足げに頷いた。



 いつも通り、帰りも路面汽車トラムに乗った

 すぐに次の任務に行くぞといいそうなテレーザだが、流石にトロールとバフォメットを倒して討伐点が稼げたからなのか、今日は特に何も言わない。


 ギシギシと聞きなれた軋み音を立てながらトラムが緩い坂を下っていく。

 テレーザがちらちらとこっちを見ているのがわかった。窓の外を見ているふりをしているがバレバレだな。


「どうかしたか?」

「どうか、とは?」


「何か聞きたいことでもあるのか?」


 さっきからの目線はそうだと解釈したんだが。


「いや……その。お前は」


 そう言ってテレーザが言葉を切った。


「どうした?」

「いや、なんでもない」


 そう言ってテレーザが窓の外に目をやった。

  


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普通のリーマン、異世界渋谷でジョブチェンジ/僕は御茶ノ水勤務のサラリーマン。新宿で転職の話をしたら、渋谷で探索者をすることになった。
元サラリーマンが異世界の探索者とともに、モンスターが現れるようになった無人の東京の探索に挑む、異世界転移ものです。
こちらは本作のベースになった現代ダンジョンものです。
高校二年生、魔討士乙類7位、風使い。令和の街角に現れるダンジョンに挑む~例えば夕刻の竹下通りにダンジョンが現れる。そんな日常について~
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