幼馴染の友達も彼氏もヤバすぎん⁉︎そんな技…今は主流なの⁉︎
オレには、とってもかわいい結奈という幼馴染がいます。
結奈は、高校が別になってもオレの部屋に遊びに来る。
てか、くつろいでいる。
そんな結奈がいきなり伸びをしながら、
「わたしにもついに、はるが来たあ〜」
って言ったんだ。
…
「毎年だれにでも春は来るんだよ。夏も秋も冬もな」
オレの言葉に結奈は、
「は?違うよ?意味が。わたしのは、ガチのはる‼︎なの‼︎」
「ん?貼る?何、シップ貼って欲しいの?」
「違うから。てかさ、これからはると待ち合わせなんだ。じゃ、支度しなきゃだから、帰るー」
結奈は、帰ってしまった。
…
はる?
はると?
ん?
いまいち…急すぎてわかりません。
特急電車でも過ぎ去った?くらい、意味がわからないよ?
春が来て、はると待ち合わせ?
そもそも…はるなの?それともはるとなの?
…
それは、どっちでもいいか。
でもさ、なんでいきなり結奈のやつ…彼氏なんかつくってんの?
裏切り者め…
オレは、ずっと結奈が好きだったのに…
言わなかったけど、気づいてたよね⁇
ねぇ?
どうなのさ⁇
…
気づいてて…だったら、完全にオレはアウトだ。
気づかなかったにしても、彼氏できた時点でやっぱりオレは、アウトだ。
…どっちみちアウトすぎて腐…
いや、くさってその字じゃねーな。
フラれたあげく、腐敗してるやん…
次の日…オレは偶然を装って、結奈を朝から出待ちした。
そして、駅まで一緒に行こうって誘った。
誘われるがまま、ついてくる結奈。
ちょろいやつめ。
てか、どっちみち駅に行くんだから、ちょろいもなにもない…。
オレは、朝から手汗にぎにぎで結奈に言ってやった。
「オレ、彼女つくるわ」
って。
すると結奈は、
「じゃあ、わたし粘土こさえてくるよ」
って返してきた。
こさえる?
てか、そこじゃねー‼︎
粘土?
「なんで粘土?」
「だって、彼女つくるんでしょ?」
「だれが粘土でつくるんだよ!てか、こさえるとか、今どきいわねーだろ」
「ドキッ」
…
「なんか…かわいそうだね。君…」
「全然‼︎わたしは、幸せハッピーこちゃんだし」
…
「あー…、うるせーピーこな」
「ムゥ…てかさ、彼女欲しいなら紹介してあげるよ?」
⁉︎
それは…
ヤキモチやかすためにいっただけなのに…
めっちゃ脈なしすぎ…
「え…急すぎて追いつかない…」
「大丈夫、すっごいいい子だし。歩くの遅いし。で、明日の放課後でいい?」
「あー、うん…いい」
足遅い、いらなくね?
てか、急展開すぎるって…
オレ…ほんとは彼女いらないのに…
結奈が好きなのに…
…
「じゃ、明日ね!」
⁉︎
えっ⁉︎
オレ、今断っ…
て、なかった⁉︎
いいって…大丈夫ですって意味で…
あれ?
オレは、ううん、それはお断りいたしますって…いうべきでしたね。
うん、いいじゃ…
お願いしますって意味になるんだ…ね。
日本語って難しい…
いいですと、大丈夫です…
オーケーオーケーって意味になるのか…
オレは、否定したつもりで言ったのに…
どうしよう…
明日、足の遅い子が来てしまう…
あ、でも足遅いなら追いかけてお断りすることもできるか…な?
でも、申し訳ないな。
断る前提で会うとか…
アウト‼︎
結奈に今夜、言おうかな…
ほんとは彼女いらないんだって…
オレは結奈が欲しいんだ‼︎って…
いえねー…
彼氏できたのに…
いまさらだよね…
まぁ、彼氏できてなくても…言えなかったよな…。
せっかく幼馴染特権で、ずっと一緒にいられたのに…
突然やってきた、幼馴染特別セットプラン終了のお知らせ。
その日一日中、どうしようどうしようの波が押し寄せて、勉強どころではなかった。
そもそもいつも勉強どころではないけど…
ゲームとか、遊びしか脳みそ機能しないけど…
家に帰っても、どうしようの波は押し寄せていた。
その波にのまれてオレは…
オレは…
睡眠という波にのまれて、朝を迎えてしまった。
あー、よく寝た…とかそういう問題じゃない‼︎
あ、そうだ!
結奈のお友達紹介されたら、なにも絶対付き合わないといけないってわけでもないし、お友達になればいいんだ!
オレって、たくさん寝たから冴えてるー。
冴えたオレは、放課後結奈との待ち合わせ場所へと向かった。
まだ時間じゃないけど、少し早めについてしまった…てか、
「結奈?早くね⁉︎」
「あっ、だ…大介…早かったね」
「うん、少し早く着きすぎた」
「あー…」
「オレ早すぎたね…」
張り切っている人みたいだな…
お友達は、まだみたいだな。
「友達って、同じ学校の人?」
オレの質問に挙動不審な結奈。
「えっ、あ、う…うん。同じっていうか…一緒」
「なんだそれ」
「あはは…」
「学校からお友達と一緒にきたの?」
「うん…一緒っていうか…うん…」
?
もしかして、お友達来ない系か?
オレに申し訳なくて、結奈はこんなに挙動不審なのか?
「もしかして、お友達来ない感じ?」
「えっ⁉︎ううん。来るっていうか…いるみたいな、いないみたいな…」
…
えっ…
もしかしてお友達いるの⁉︎
ヤバいぞ…
オレには、みえないのか⁉︎
え…
どういうことだ…
バカには、みえないとかないよな…
てか、なんなら…どこからか隠れてオレをみてたり…?ってこと?
…もしかして、不合格ならそのまま姿現さないで帰るとかって…計画してないよね⁉︎
でも、ありえるな。
なら…結奈と、このままお茶でもしたいところだけど、結奈…彼氏いるんだから、そんなことできるわけもないか。
「帰ろっか」
オレの言葉を聞いた結奈は、寂しそうな表情をみせた。
⁉︎
えっ⁉︎
えっえっえっ⁉︎
てか、泣いてるーー‼︎
「どうした⁉︎ハラ痛いか⁉︎トイレだな⁉︎えっと、トイレ…トイレ…は…」
…
トイレをキョロキョロ探すオレに、結奈は
「違う…フラれたから…だから…グズっ」
って、大泣きした。
「はっ⁉︎フラれただと⁉︎」
はるのやつめ‼︎
結奈が落ち着くまで、とりあえずひとけのない公園にやってきた。
「結奈、大丈夫?さっき自販機で買ったジュース飲みな。」
「…うん。ありがとう」
結奈がジュースを飲んだので、オレも隣でジュースをごくりと飲んだところで、結奈が
「今日でわたしたちも終わりだね」
なんて言い出すから、オレはジュースを吹いたよね…。
「はっ?なんで別れ話みたいになってんだよ⁉︎」
…
「あー、そうか。わたしたちは…付き合っていないんだ。」
…
なにこれ?
なんの時間だよ…
「それより…なんで別れたの?」
「うちら?」
「うん」
「それは、もちろん大介がフッたから」
⁉︎
はるってやつも大介っていうのかよ⁉︎
「あー…、理由は?ちゃんと聞いて納得したの?」
「え…理由なんて言わなかった。そもそもなぜあなたは、他人目線なの?」
⁇
え?
いや、他人事っていうか…
ん?
えっ…
今って…二人でベンチ座ってるんだよね⁇
オレと結奈の間に…はるが座ってたりしないよね⁉︎
結奈は、さっきからお友達といい、はるといい…
オレには、みえてない的な…なんなら、そこに当たり前にはるがいるみたいに言ってきますけど…
えっ…
一応聞いてみる?
透明人間に…
ちょい後ろをみつつ、
「おい、出てこいよ」
って、小声で言ってみた。
すると結奈のジトーって視線を浴びた。
「…なにしてるの?第二のオレが出てくるの?」
と、冷たい視線…
そして、やっぱり出てこない透明人間…
いや、ほんとに出てきてもコワイけどさ…
えっ⁉︎
てか…
ジュース‼︎
オレが結奈の好きなやつ…一応どっちがいいか、二本買っといたやつ…
もう一本空いてるよ⁉︎
透明人間って…飲み物飲んでも透明なの⁉︎
てか、なに勝手に飲んでんだ?
あつかましいやつめ…
あー‼︎
これか‼︎
わかったぞ!
生き霊ってやつか‼︎
結奈をフッた元カレの生き霊か‼︎
初めての体験…
あんまり経験したくなかったけどね…。
でも、仕方ない。
結奈は、生き霊がみえてんのか。
そもそも、友達も生き霊とばせる系なんかな?
最近は、そんなことまでできる時代になってしまったのか。
オレの学校は、少し遅れているんだな。
いや、オレが知らないだけだった⁇
「で、キミはどうしたいの?」
オレは透明人間生き霊に話しかけた。
すると結奈が、
「だいすき」
と言い出した。
…
結奈は、復縁希望。
切ないけど、仕方ない…
てか、元カレの声…オレには聞こえん。
しばらくすると、また結奈が泣き出した。
⁉︎
えっ…
オレには、わからない方法で二人は…会話してるっぽいな。
なんて言ったんだよ⁉︎
元カレのヤツ‼︎
「結奈…泣くなって」
…
「よっぽどわたしが嫌いなんだね…。わかったよ。今までありがとう。さようなら」
結奈は、泣きながら走って行こうとした。
…
でも、結奈は…足がそこそこ遅い。
走り出そうとするタイミングで、オレは結奈の手を握った。
「結奈、元カレになんて言われたか知らないけど、オレなら結奈を大切にする自信ある」
…
「え…?」
「えっ…?あ、ごめん。元カレの話とかして…」
「元カレってなに?そもそも元とかなくない?」
…
まだ別れてないって言いたいのかな…
ヤバすぎる…
勝手にオレは、別れたって決めつけて…オレの方に引き寄せようなんて…
オレは、なんてブラックな心を…
そうだよな…
そもそも生き霊とばすくらいだし、結奈のこと、まだ好きなんだろうな…
「あの…ごめん。彼氏、そうだよ彼氏とまだやり直せるって!だから、泣くなよ」
…
結奈は、こいつ何言ってるの?みたいな顔をみせた。
「あ、オレがいたら…あれだから二人でゆっくり話すといいよ」
友達の生き霊もいるかもだから、実質三人かもだけど…
「じゃ、オレ行くわ」
数分後、生き霊と合体して本物登場するかもだからな。
その時、オレがいたら台無しだ。
おまえ…その男なんだ?って揉めてもね…
「そうやって…逃げるんだ?ちゃんとフッたらいいじゃない!わたしのこと、好きじゃないって、はっきり言ってよ!そしたら、もう…幼馴染もやめるし、部屋行かない‼︎だから…だから、わたしを奈落の底に突き落として蓋してよ」
⁉︎
幼馴染⁉︎
えっと…
オレたちの間に…もう一人幼馴染って…いた?
ん?
どういうことだ⁇
「え、結奈…?意味がわからないけど…」
「なんで?わかるよね⁉︎わざと言ってるの?そもそも、彼女欲しいんだよね?だから、わたしが友達連れてくるって言って、そこにわたししかいなかったら、彼女候補にわたしをよろしくお願いしますってことじゃん‼︎でも、それを知った時点で、大介が帰ろうって言ったんじゃん。おまえは、不合格ってことでしょ⁉︎意味がわからないってのは、なに?」
…え、でも結奈には彼氏が…
「彼女候補って…結奈最近彼氏できたのにそれは、どういうつもりで?」
「彼氏?できてないけど」
「だって、はるがきたって」
「はるは、きたよ?はるちゃんっていう女友達ができたよ。嬉しい出来事があったりしたら、はるがきたって言うんじゃないの?心地よい風に包まれるみたいな、心がモコモコのわたわたに包まれることを言うんでしょ?」
そういうことね…
「結奈、泣かせてごめん」
オレは、やっと理解して結奈をわたわたに包むように抱きしめた。
「好き。オレ結奈が大好きだよ。一緒にはるを迎えよう」
「えっ、なんで…さっきまで、わたしのこと拒絶してたのに…どうして…」
「オレ、結奈に彼氏できたと勘違いしてた。他にも色々勘違いしてたわ。ごめん…でも、オレはずっと結奈が大好きだから。だから、付き合おう?」
「うん。うん‼︎」
結奈も、オレに抱きついてくれた。
はるがきた。
ところで…
生き霊なんかいなかったわけだけど…
ジュースは、なぜ減っていたのか…?と、不思議がっていたら、結奈が普通に二本飲んでいただけだった。
「結奈、今度の土曜日デートしない?」
「うん、する!でも、土曜日まで待ち遠しいな」
「オレも」
「ねぇ、土曜日…わたし達の記念日になるのかな?」
「うーん、土曜日じゃなくてやっぱ今日じゃない?」
「今日?」
「うん、そうだよ。結奈大好きだ」
チュ♡
「うゎ♡びっくり…した…けど、嬉しい」
「オレも嬉しいよ♡」
チュ〜♡♡♡
こうして、オレたちの交際が始まりましたとさ♡
おしまい♡




