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第132話 黒い影!(3)
「何だぁっ!」
「何事だぁっ!?」
「あれは?」
「いや、あいつは誰だ?」
俺は自分の後方を確認して──黒い影!
そう、韓黄の糞、変態爺の時のように、漆黒の闇が段々と人の容姿へと移り変わっていく中で当の本人たち……。楊氏妃とアルトミラAの二人は、自分たちの背──後方から邪悪な者が湧いているにかかわらず。
「さぁ?」
「知りません?」
「誰ですか彼は? アルトミラA?」
「太后さまが知らない殿方を自分が知るわけ、ないでしょう?」
「まあ、そうですね?」
「そうでしょう?」
二人の会話は360度立体モニターを通して、さぁ~、知らない、のジェスチャーまで加えて、自分たちの後方に沸く、湧いた。黒い煙から人影になりつつ、自分は出来損ないの種なしスイカ、カボチャではないと。




