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男女比率1対100の世界で男の俺がVはじめました。(ただしVのときの性別は女である。)  作者: おまめあずき×梅崎さくら
第五章 休暇とイベント
74/83

74 【学力テスト解答編】流石にこれくらい大丈夫だよね?【ほろらば】①


『あーあー……華ちゃん音量大丈夫そう?』

「はい、だいじょうぶですよ」

私は画面の向こうの彼岸花さんの声に返答する。


『今回は企業様コラボだからね〜』

そう、私と彼岸さんは今日、ほろらば様の企画である学力テストに出演する予定なのである。

「私ド緊張してます。」

『私もだよ。というか緊張してなかったら一時間前にこうやって通話に入ってることもないよ』

「ははは…」


今の時刻は20時近く。

配信が始まるのは21時3分なので、丁度一時間ほどの猶予があるだろう。


『ん゙ん゙…みな、いえお二人共、はろかかお〜。ほろらば所属バーチャルライバー、【狭間(はざま) 加加阿(かかお)】です〜。』

私達の会話の途切れたその時、いつの間にか通話に入ってきていた猪口齢糖(ちょこれーと)色の髪を持つ糸目のライバー様のアイコンが喋った。

その横には、H.Kakao-hllvの文字。


『わっっ、加加阿〜。いつからいたの?』

加加阿さんと()()()()から交流のあった彼岸ちゃんが驚いた声を上げて問いかける。


『んっふふ〜。ド緊張のくだりからでしょうか〜?

 華ちゃんは打ち合わせぶりですね〜。お久しぶりです〜。』

事前の打ち合わせは、企画の担当であるスタッフさんと、司会役である加加阿さん、私達外部ゲストを交えて行った。

ちなみに、他の出演ライバー様にはゲストが本当に秘密だそうだ。

今回の通話も、私達はいつものアイコンとは違う、わかりにくいアイコンに変えてある。


「あっはい! お久しぶりです、加加阿さん!」

『はい〜。

 順次集まるようにほかライバーには言ってますので〜。それまで我々で雑談などしていましょうか〜。』

『そうだね。』

「そうしましょうか!」


 ###


 【学力テスト解答編】流石にこれくらい大丈夫だよね?【ほろらば】




「はいということでやってまいりました、ほろらば名物、学力テスト解答編!

 今回は私、【狭間 加加阿】が司会を務めさせていただきます〜。」


〈うおおおぉ〉

〈キタァ!!〉

〈一番のバカは誰だ!〉


「では、早速選手の紹介に移りましょう!

 二期生のお二人!」


「みんな、いい夢見れた〜? 【レーゼス・悪夢(あくむ)】だよ〜!

 先輩の威厳、見せつけるよ〜!」

白髪縦ロールツインテにゴスロリを身にまとった少女が意気揚々と声を上げ、


「千里の道も一歩から。こんにちは、【九重(ここのえ)穿地(うがち)】だ。

 まぁ四位くらいに入れると嬉しい。」

姿は小柄ながら低音のギャップを持つ少女が苦笑気味に挨拶をする。


「はい、このお二方です〜!」


〈アクたんじゃん!〉

〈うがっちー!!〉

〈穿地、上位っぽい〉

〈アクたん大丈夫?〉


「次、私、【狭間 加加阿】も所属する三期生!」


「こんエリィ! 【エリィナ・アーレンス】でーっす!

 まぁね、私の頭脳なら余裕ですよ!」

Tシャツにジーパンというラフな格好をした女性が元気よく自己紹介し、


「皆様、本日もいかがお過ごしでしょうか。【葉月(はづき)オーガスト】です。

 今回は上位狙いで、頑張らせていただきます。」

褐色肌の男装の麗人が恭しく挨拶をする。


「こんにちは。【三ヶ月(みかづき) 末亜(すえあ)】と申します。

 後輩には負けていられませんよね??」

最後に、純白の角を一本、額から生やした女子高校生が丁寧に挨拶をした。


〈全員!?〉

〈やった!!〉

ハヅすえ(葉月×末亜)〜!!〉


「三期生は、全員フルメンバーでお送りします!」

「もうね、加加阿にしつこいほどにお願いされたからね…。」

「エリィちゃん!? それは言わない約束でしょう!」


〈ww〉

〈しつこいほどお願いされたのかww〉

〈目に浮かぶ〉

〈加加阿…。〉


「はい! 我が後輩四期生! カモン!!」


〈ヤケクソww〉

〈wwww〉

〈草〉


「いつもキラキラ一番星☆【綺羅星(きらほし) セルナ】だよぉっ☆」


〈セルナ!〉

〈キラちゃん!〉


「今日はね、月ちゃん先輩も倒していく所存でございます!」

「これは月ちゃんも気が抜けないねぇ」


〈綺羅月コンビてぇてぇ〉

〈月とは???〉

〈三ヶ月末亜〉

〈理解〉


「最後! 五期生!」


「皆さん、おはぽよっ! 【九条(くじょう)ポヨリンヌ】でーすっ!

 バカとか言われてるけど、挽回しまぁす!」

「できるかなぁ…?」

「アクたん先輩!?」


〈それはそう〉

〈できないと思う〉

〈頑張れ〉


「ぽよらー(ポヨリンヌリスナーの名称)もひどいなぁ!!」

「あはは…もう一種のお家芸とかしてるからね。」


〈これで一位とかだったら解釈違い〉

〈草〉

〈味方いなくて草〉


「ひどぉ!」

「はい、ということで今回も、外部の方をお呼びしています!」

「ちょっと待って無視された!?」

「ゲストのみなさんが挨拶するのに喋らない!」

「アッッスミマセン」


〈無視されてるwww〉

〈雑な扱いされてるな、ポヨリンヌ〉

〈無視乙〉

〈先輩面してるなぁエリィ〉

〈こえちっっっちゃw〉


「あはは。」


〈まてこの声は!?〉

〈この笑い声…〉

〈この涼やかな声…〉

〈待って!?!?!?!?!?!?!〉


「あ、もう気がついた方居るのかな?

 皆様、おはこんばんにちは! 【咲久和 華】です!」

「皆、こんひが〜。【彼岸花】だよ!」

「はい! ということでね、このお二方を! お呼びいたしました!

 頑張って交渉しました( ・´ー・`)どや」


〈華ちゃん!?〉

〈彼岸ちゃん!!!〉

〈軍曹さんじゃん!〉

〈加加阿の交渉力舐めてたわ、すんません〉

〈華ちゃんキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!〉


「おお、すっごいコメント早くなってるんですが。

 彼岸ちゃんと華ちゃんのの影響力スゴ。」

「加加阿はね、妹ということで。」


〈あー!〉

〈彼岸ちゃんと加加阿、おんなじママだ!〉

〈同じイラストレーターさんか!〉

〈ままー!!〉

〈ママ〉

〈妹!〉


SENKO(センコ)ママには頭が上がりません。」

「本当にね…いつもいつもビジュバッチリなイラストありがとうございます。」


〈いえいえ [SENKO]〉

〈センコママ!?〉

〈SENKOさんじゃないか!〉


「ママァ!?」

「…あれ、なら何で私は引っ張ってこられたんでしょう…??」

「面白そうだったから?」

「彼岸ちゃん!?」


〈草〉

〈っぱ華彼岸なんすよ〉

〈仲いい〉

〈すこ〉

〈良いぞもっとやれ〉


「はいまぁこんなメンツで! 今回やらせていただくわけですが!

 私ね、皆賢いと思うんですよ。」

「うんまぁ賢いよ?」

「エリィ?」

「あっごめん」


〈即座に回収w〉

〈仲いいなぁ四期生。〉

〈エリィw〉

〈草〉


「ということでね、今回もあります罰ゲーム!」

「いやぁあああああ!」


〈ポヨリンヌwwwww〉

〈すっげぇきれいな叫び声w〉

〈罰ゲームw〉


「…ちょっと不安になってきた。」

「大丈夫だよ華ちゃんなら」

「そう?」


〈てぇてぇ〉

〈はなひが…〉

〈いやこの空気は浄化されますて〉

〈お二人さん?〉

〈おいてぇてぇ製造機おいたのどこのどいつだ〉


「まぁね、今回のテスト、国数社理英の五教科で500点満点なんですよ。

 なので、その半分!

 250点に届かなかったら罰ゲームでございます!」


「無理だよそんなのぉっ!!」

早々に諦めているポヨリンヌ。

彼女は自他共に認めるほろらばのバカ代表である。


〈あ〉

〈ポヨリンヌ終わったな〉

〈おつ〉

〈ばつばつばつばつばつげーむ♪〉


「あら、ここに苦いと評判のセンブリ茶が☆」

茶目っ気たっぷりに加加阿が言うと、数名が怨嗟の声を上げる。

「加加阿ぉ!!」

「この裏切り者ぉ!」


〈w〉

〈草〉

〈草しか生えない〉


「えー…ここで私の点数を発表します。

 どどんっ!」


【狭間 加加阿】『国 49』『数 45』『社 36』『理 64』『英 68』


「えーっ…。合計は…」


〈あー〉

〈草〉

〈おいw〉


「262点! ギリギリボーダー超え!

 英語頑張ったもん!」

「おい人のこと言えないじゃないか!」

「それは自分の点数見てからいってよエリィ!」


〈漫才??〉

〈漫才か何かですか?〉

〈草〉


「…これほろらば大丈夫かい? 加加阿って結構頭がいい方だったはずなんだけど…」

「…さぁ…?」

比較的落ち着いていたインプ(穿地)執事(葉月)が不安げに語り合う。


〈落ち着いてる〉

〈なんか頭良さげな穿地葉月ペアw〉

〈だいじょばないとおもう〉


学力テスト解答編の始まりであった。

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