70 魅せてあげるから見においで・【彼岸花】④
遅れてスミマセン。
彼岸ちゃん配信編は次回で終わりです。多分。
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私にぴったりな曲だね。私もこの曲が一番好きだった。
後悔と後悔を掛け算したみたいな曲
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拝啓 天国にいる親友へ
こちらは肌寒く、銀色の世界がほんのりと色づく季節となりました。
今の世界は楽しいですか? 私はあまり楽しくありませんでした。貴女がいなかったからです。
なんで一緒に行けなかったのか、自分を否定する日々を過ごしています。
貴女のいない世界は、
悲しくて、
真っ暗で、
呼吸をしているだけなのに苦しいです。
…別に日向の判断を否定しているわけじゃない。
ただ、また出逢いたいだけ。
私が天国にいったとき、私を案内してほしい。
あはは、そんなに遅くも早くもないよ。
ただ、ここを案内してほしいの。
今で抗って朽ちていった私達の最後の旅行って、皮肉が効いてていいんじゃない?
あはは、そうでしょ?
日向ならわかってくれるって知ってるよww。
君のいるここを案内してって言ったらどんな反応するんだろうか。
考えてみました。
私は、久しぶり! なんて言って。
日向も、結構早かったね、なんて言ってくれて。
私は、「そんなに早かった? それよりも君のいるこの世界を案内してよ。」って。楽しみ〜なんて言ってみて。
まかせて、って。ついてきてって、あるき出す貴方を見て、またなきそうになるんだろうな、とか思ったりして。
みたいな感じ? 最高じゃん。
冗談だよ。嘘。冗談さ。まだ行く気はないよ。でも希望を見たって、夢見るっていいべよね。
こんな感じでずっと妄想をしている私です。悲しくて、虚しいことをやっている私を叱ってね。
ごめん。気づいていれば。私が間違えてしまったのに。なんで。
…こんな事書いてないで、ちゃんとしろって話だよね。
次回はまた、親友として、楽しい時間を過ごしましょう。
敬具
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これはVtuberを始める前の手紙。君に当てて書いた手紙。
何度も何度も書き直して、グシャグシャになって。便箋を買い足して、やっとやっと、書ききった手紙。
一言一句、思い出せてしまう。
もう会えないなんて思いたくなくて。
あえるよねって。そんな希望を託して書いた手紙。
中途半端だったんだ。全部。
VTuberも、学校も、友達も。
中途半端で、お遊びにしか見えなくて、目を背けて。
…最低だよ。
最低だったんだよ、ほんと。
でもね、今ならこう書くだろう。
今が楽しいって。
貴方がいない世界が、今は悪いことばかりじゃないって思えるんだって。
ただ本心から、VTuberというものを楽しめているんだって。
そこで会うときは、私もたっくさん、思い出話を持ってくねって。
だから、もうちょっと待ってて。
きっと、きっと、ここで精一杯輝くから。
【彼岸花】として、生きるから。
待ってて、日向。
「はーい...えっと7曲目でした~」
〈88888888888888〉
〈乙〉
〈88888888888888〉
〈乙〉
「いつもならここでおつひが〜って言って終わるんですが、きょうはなんと〜?」
〈おおおおおおおおお〉
〈テレビショピングみたいな口調やな〉
〈だべだべ〉
〈主さては道民か?〉
「テレビショッピングってひどくないですか?まあ、ちょっと歌いたい曲がありまして、歌おうかなって」
〈ほーん〉
〈いいね〉
〈なんの歌?〉
「皆さん感づいていた予定してたあの曲と、華ちゃんがさっき歌ってた曲ですよ〜。」
〈やったぜベイビー〉
〈てえてえ〉
〈はくしよねねね〉
「あと、真ん中に一曲リクエストいれようかなと思います。まあ、思いついたの、喉潰したときなので最初の発言から矛盾してるんですけど」
〈やっったぜ〉
〈88888888888888888888888888888888888888888888〉
〈米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米〉
「アーティストさんしばりは継続のままで!
今から30秒間募集して、私の目に一番止まったやつにしようと思います。
じゃあ…すたーと!」
〈え、なににしよ〉
〈全部好きなんだよ〉
〈あの曲なんて言ったっけ?〉
「わくわくっ!」
〈効果音口でいった〉
〈可愛いな〉
〈可愛い [咲久和 華]〉
〈可愛い〉
「ふふふふ~ん」
〈はあああああ(尊死)〉
〈やべえ、可愛すぎて曲が打てない〉
〈頑張れよニキ〉
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