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男女比率1対100の世界で男の俺がVはじめました。(ただしVのときの性別は女である。)  作者: おまめあずき×梅崎さくら
第四章 【咲久和 華】というVTuber
65/83

65 しろくろの葛藤

〈白黒視点〉


『あ…もう、こんな時間ですね! …本日は、【咲久和 華】五万人記念配信にお越し下さり誠にありがとうございました!

 ……ではでは〜〜〜〜、おつはな〜〜〜っ!』


「……。」

「……。」


「「可愛いかよ」」

華の配信が終わった瞬間、白黒兄弟は同時にそう発した。


「どうしようしろ、うちの留依が天才すぎる」

「大丈夫、留依が凄いのはもとから。

 ……でも今回はなんか、緊張してたみたいだね。」

「確かに。」

リハよりミスがちょっと多かった、と言う黒葉(くろば)


「何より演技がうまい。」

「怯えた演技がなんというか庇護欲そそったね…。」

「絶対ドコかの変態の胸撃ち抜いてそう…」

うちの子怖い、と二人してありそうな想像に身震いする。


「……疲れただろうし、今回は突撃はしないでおくか。」

「そうだね。初配信の時もリラックスしてたのを邪魔しちゃったみたいだし。」

二人はそう言って、もう一度PCに向き直る。


「「よし、切り抜き作るか。」」


 ###


〈留依視点〉


あの配信から数日後。


「……あ。」

自室にて、留依がスマホで配信の反響を確認していると、一つの動画を見つけた。

「もう切り抜かれてる…。」

はやっ、と思いながら切り抜き主を確認する。


「あー、この人か。」

アカウント名は、KB’s(黒葉と白夜)

「けーびーず? ……うーん、相変わらず読み方がわからんけど。」

【咲久和 華】の初配信から切り抜きを作ってくれている人で、時々他の個人勢の人(カモフ)の切り抜きも作る(ラージュ)ので留依も良く見ている。


「これからもお願いします〜」

聞こえるでもないのになんとなくアカウントにぺこりと礼をしてそのタブを閉じる。

「おし、配信準備だ。」


 ###


同時刻、とある部屋にて


「………華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃん可愛い華ちゃんという生命体が尊い華ちゃん可愛すぎる華ちゃんというもう、華ちゃんに関わった人全てにもう、祝福をみたいな。」

毛布にくるまった女がゲーミングチェアに体育座りで座り、PCと向き合っていた。

「お、おねぇちゃーん??」

その以上な様子に心配になった女の妹が声をかけると、

「…あ、水鶏(くいな)。」

カチリと停止ボタンをクリックして女は振り返った。


「何見てるの…って…あー…あの五万人配信の切り抜き?」

「そう。」

「アーカイブも見返してるのね…。」

「うん。」

呆れたようにため息を吐く水鶏。


「でもごめんお姉ちゃん。仕事です。」

「いや別にいいよ。

 何処から?」

「それが…。…。」

言うのをためらったかのように、水鶏と呼ばれた少女は目線をずらす。


「華ちゃんからなんだけど…」

「ふぁ。」

割と真面目に奇声を漏らした大久保(おおくぼ) 沙流葉(さるは)(26)。

彼女は、人気イラストレーターましゅなろとタッグを組んで活動する、2Dデザイナー。


「水鶏、それって」

「タッグのやつだよもちろん。

 …鶴さんに頼むはずだったんだけど、捻挫して予定日に間に合わなくなって。それで、急遽代打で、って形だね。」

「納期ずらせなかったの?」

「ずらせなかったから私達に依頼してんじゃない、行くよ」

「はーい」

ずるずると引きずられていく沙流葉。



大久保 水鶏(20)

大人気イラストレーターましゅなろ。

大久保 沙流葉(26)

ましゅなろとタッグを組むことの多い2Dデザイナー、CLIONE。華ちゃんの可愛さにやられたHENNTAI。


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