57 総合評価1,000pt記念・【真の実と書いて】五万人記念配信❀歌枠【真実】④
昨日はゴタゴタあって投稿できずすみませんでした…。
今日も遅れてしまって…。
明日からは意地でも投稿します…。
何故突然現実世界の曲を参考にしだしたかって?
それは……え?
どうせ歌詞を考えるのが面倒くさくなったんだろうって?
違うよ歌わせたい曲があったんだよしょうがないじゃない(棒)
(※このお話はフィクションであり、作者の個人的な考えが反映されているものです。曲に対して独自の解釈をしていますが、ご了承の上お読みください。)
「涙腺閉めました? 良いですね?」
〈しまったしまった〉
〈節水だね〉
〈そんな蛇口を閉めるみたいにw〉
〈草〉
「ではではノリで入れたら結構地獄だった三曲目! 行きますよ〜〜〜!」
〈コレはww〉
〈ノリで入れちゃあかん。マジで〉
〈大丈夫!?〉
〈クォwレェwハァw〉
〈コレwww〉
ボーカロイドの根源を表したような曲。
独特なルビ振りが留依の琴線を刺激してしまったがゆえにこの激ムズ曲をセトリに入れる事となった。
コレが激ムズと言われる所以―――それは、一番はじめから歌い手を叩きつけるような、ボーカロイドだからこそ出せる高速の歌詞。
まずまずキーが高い上に厨ニゴコロを刺激してしまう様な独特なルビ。
白黒兄弟でさえルビに戸惑い、音域や時間のなさから流石に歌えないと一度は断念した曲(一度断念しただけでその後きっちり歌っていたが)。
そんな難曲を留依は配信で歌おうとしていた。
その上。
その上だ。
…留依は本来、男である。
本来の声とは真逆も真逆、女声を出したまま高速で綺麗に歌わなければならない。
それでも元々男にしては結構高めの音域の声ではあるのだ。
だが、それでも男と女という差異がなくなるわけでもなく、違和感は拭えない。
歌ともなるとそれが顕著になっていると留依も自覚していた。
取り繕う余裕が無くなっていくからだろう。
(大丈夫、大丈夫だ。)
このときのために、あんなに練習したじゃないか、と。
何度も練習を重ね、重ね、重ね…
重ねすぎて一週間前にちょっと声が出なくなってしまったときは冷や汗が出たが、きっちり療養し、三日ほどで復活した。
(……よし、大丈夫。)
留依は緊張でこわばる手を何度か握りしめてから、音源をながす。
カウントの直後。
速い、速い歌詞が始まる。
ラップもかくやというような速さに、噛まずそれでいて音量を調整し、息継ぎもきっちり行わないといけないというのだから難しい。
「VOCALOID」というものの現実。
VOCALOIDである原曲の歌い手だからこその様な歌詞。
未来を見通すかのような、まるでVOCALOIDという虚構の存在を信じさせるような。
―――否、VOCALOIDというものに意思を与えるかのような。
〈え〉
〈う そ で しょ〉
〈しろくろ!?〉
〈キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!〉
チラ、と見えたコメント欄にその様な書き込みがあるのがみえる。
そう。
今回、機械音声のようなパートを兄ちゃんたちに予め収録してもらい、編集した音源を使っている。
練習で何度も聞いていた音源ではあるが、いざ本番で聞くと何処か安心感がある。
(流石は兄ちゃんたち、めちゃくちゃ完璧に仕上げてきてるんだよなぁ…。)
準備期間さえあればどんなことも可能にしてしまえるのではないかと疑われるくろしろ兄妹である。
もちろん、今回もきっちり本家か!? と間違う人が出るくらいのクオリティで仕上げてきていた。
…間違えている人は黒白の熱狂的なファンが多すぎてひと目見ただけでは分からないが。
と、それはそれとして、集中力は切らさずに高速のパートを歌いきり、そのままサビまで突っ走る。
“歌姫”と称されることのある、VOCALOIDの幻想。
この曲は―――
また再び、高速なパートが始まる。
(あーーーー息が。まずいな、ミスった。)
息をする場所を一つ飛ばしてしまい、息が続かない。
(なら。)
歌い方が変わる。
まるで、怯えているような息継ぎが、わざと入った。
歌い方ごと変えて息継ぎをそれっぽくしてしまえ。
そう考えたはいいものの、もちろん練習なんて一回もしていないので間違える可能性大。
そのため、徐々に歌い方を戻していく。
高速パートが終わり、語りかけるような口調の歌に変わる。
特に大きなミスもなく、二番も歌い切る。
そして、再びの高速パート。
(どっかできいたことあるな…ここの歌詞、200BPM以上だっけ? はっや。)
そんな感想をいだきながらも、ルビに惑わされること無く最後まで歌い切る。
そして、機械音声のくろしろの声で曲は終わった。
〈8888888888888888888888〉
〈888888888〉
〈888〉
〈88888(スタンディングオベーション)〉
︙
〈お疲れ様!〉
〈おつかれ〜〜〜〉
〈息続いてたのすっげぇ〉
「―――…っありがとうございます!! …はぁ〜〜〜……。はや、すぎて、息が……今になってなんか反動きました……」
〈おつかれ〉
〈お疲れ様です〉
〈☆お☆つ☆か☆れ☆〉
「…ふぅ…。」
あらかた息を整えると、再び口を開く。
「はー…この曲は流石に…疲れますね〜…。
後四曲もありますよ? これ体力続きますかねぇ…」
〈まだ三曲??〉
〈困 惑〉
〈大丈夫だ、華ちゃんは。ウン。〉
〈うんうん〉
「私の謎の信頼……が、頑張ります!」
〈頑張れ〉
〈次アレか〉
〈ワンクッション挟んでまた高速曲入れてるよこの子…〉
「…てへっ☆」
〈ぐっ〉
〈可愛いから良いや〉
〈かわええ〉
〈ぐはっっ〉
〈かわいい…!〉
「…ということで茶番は置いといて取り敢えず次の曲! 行っちゃいますよ〜〜〜!!」
〈ウェイ〉
〈イェー!!〉
〈行っちゃうぞ〜〜〜〉
〈いっちゃうぞバカヤロー!!〉
〈草〉
《今回華が歌った曲(の参考にした曲)》
☆暴走p様 初音ミクの消失
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