56 総合評価1,000pt記念・【真の実と書いて】五万人記念配信❀歌枠【真実】③
華が紡ぐのは、無機質なようで、どこか深い悲しみがあるような、そんな歌声。
もういいよ、と諦めて。
それでもどこか、期待して。
―――貴方を待っている。
―――裏切らないで。
皮肉げに、そんな事を考える己を笑うような。
そんな気持ちを、込めて歌う。
馬鹿らしいと。
そうだ。
どうせ、どうせ私は変われない。
一つしか見れていなかったあのころの濁りきった瞳は。
後悔しか、もうできない。
後悔も、もうしたくない。
嗚呼―――わらってしまえ。
――
―――
〈8888〉
〈88888888888〉
〈8888〉
〈8888888〉
「―――………。っふー。ということで一曲目、どうでしたでしょうか!!」
〈相変わらずすげぇな〉
〈え、やばくね?〉
〈888888〉
〈いやぁ……〉
〈心にしみたねぇ…〉
「ふふふふふ、好感触のようですね!
…この曲は、ちょっと思い入れのある曲なので。かなり歌いなれているんですよ。」
〈華ちゃんの言うちょっとはちょっとじゃないんだ〉
〈入れ込み具合が常人じゃないんよ〉
〈怖いほどに凄い〉
〈いい意味で化け物。〉
〈いい意味の化け物ってなんだよ〉
「ほんとにね!? いい意味の化け物とは!?」
〈知らん〉
〈わかるわけなし〉
〈はははw〉
「まいっか。」
〈いいんだw〉
〈すっぱり諦めたな〉
〈諦めが早いw〉
〈草〉
「ではでは、二曲目行っちゃいましょう!」
二曲目も、一曲目と同じようにカウントから始まる。
華は、目を閉じてイメージする。
原曲のMVに描かれた少女の、話を。
コレが正解なのかはわからない。
だけど、私の、【咲久和 華】の解釈。私なりの、私だけの解釈。
そんなことを、刹那の間に考えて。
口を開く。
息を吸う。
音を紡ぐ。
昔の、遠い昔の夢。
夢のような、現実のような。
未だ受け止めきれない感情を、歌に込めるような。
生きる意味も、生まれた意味もわからない。
―――そんなことが無くても生きていいと言う人間も居る。
だが、いずれ意味もなく死んでしまうのなら。
意味のないものより、誰かに、良い何かを残せる死なら。
そう思って生きる、少女の話―――
「――――………。ふぃ〜〜〜。
っと、言うことで二曲目、いかがでしたでしょうか?」
〈……〉
〈……88888〉
〈8888888〉
〈8888888888888〉
〈88888888888〉
「おおー、拍手の大洪水! ありがとうございます!」
〈なんかね〉
〈気持ちがこもってて綺麗だった! [彼岸花]〉
〈すごかった〉
〈なんか、もう、うん〉
〈すごかったとしか言いようがない〉
「わ、彼岸さんも! ありがとうございます!」
〈どうしようなんか泣けてきた〉
〈今になってじんわりしてきた〉
〈気持ち大爆発〉
〈華ちゃん、すごすぎ〉
「うぇ!? だいじょうぶですか!? 涙は拭いてくださいね!?
まだまだこれからが本番ですよ〜〜!!」
〈まだ、十五分くらいだと…〉
〈ほぇ?(困惑)〉
〈本番じゃ〜〜〜うぃ〜〜〜!!〉
〈まだまだ宴も酣よ〉
参考までに。
《今回華が歌った曲(の参考にした曲)》
☆バルーン様 シャルル
☆ユリイ・カノン様 誰かの心臓になれたなら
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