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男女比率1対100の世界で男の俺がVはじめました。(ただしVのときの性別は女である。)  作者: おまめあずき×梅崎さくら
第三章 波乱…………
40/83

40 外部コラボ! ④

外部コラボが終わります…。

そして長文セリフが多いです、すいません。

「ん〜、次が最後になりそうだね。

彼岸花さーん、彼岸さーん! 大丈夫ですか?」

「………あ、あ、テステス…。聞こえてるね。

只今、戻ってきました。彼岸花です。ごめんね、華ちゃん。」

「大丈夫です!」


〈彼岸ちゃん!〉

〈かえってきた〉

〈よかたああああああ〉

〈よかっったぁ(´;ω;`)〉

〈軍曹さーん!!!!!!!〉


「ごめんね、()()()(彼岸花のリスナーたちの通称)の皆も。」


〈いいよ〉

〈まってました〉

〈よかった〉

〈いいこでまってたよ〉

〈大丈夫〉


「ありがとね。そして本当にごめんなさい、華ちゃん。」

「いえ! 大丈夫です! …それより、体調は大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫。ごめんね。」


〈よかた〉

〈げんきでよかったわ〉

〈ε-(´∀`)ホッ〉

〈彼岸ちゃんは無理しがちだから〉

〈かぜっぴきなのに3時間も配信やってて、その後ぶっ倒れて初めて風邪が発覚するとかいうね。〉

〈伝説的エピソードwwwww〉


「あー! ちょっと! それを話題に出さないでってば。黒歴史なんだからさ〜!」


〈あ、良かった元気だ〉

〈元気だねぇ〉

〈大きな声を出せる=元気 ヨシ!〉

〈(๑•̀ㅂ•́)و✧〉


「もー。

…ところで華ちゃん、次が最後の曲?」

「はい。あ、彼岸花さんも歌います?」

「……うん、じゃあそうさせてもらおっかな。」


〈ぐんそうさああぁぁぁあん〉

〈お歌だ〉

〈やったぁああああああああ〉

〈うれちい〉


「曲は〜、えーっと、どうします?」

彼岸花は、チャットに一言、曲名を書き込み、送信する。

「…大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫です。じゃあ、歌いましょうか。」


「えーっと、曲名は―――」





「「―――『 (空白)』」」




『私の声は ねぇ あなたに届くでしょうか? 届けばいいな この気持ち(うた)が』


『あなたの声は ねぇ 誰かに届いてましたか?』


『何に傷ついても私は私で 居られるように』


『届いてほしいんだ 「ありがとう」』



最後の1音がなる。



音が消える。



〈…〉

〈……。〉

〈…8888〉

〈8888〉

〈88888〉


コメント欄には、拍手の大洪水が巻き起こっていた。


 ###


「―――お疲れさまでした、彼岸さん。」

『お疲れ様、華ちゃん。今回は、本当にごめんね。』

 配信終了後、二人は通話を繋いでいた。


「大丈夫ですよ! 彼岸さんはいっつもむちゃしてるから、逆に休んでくれてありがたいって皆言ってましたし!」

『あはは…個人的には、そこまで無茶してないんだけどね。

―――それでも、流石に今回のことは本当に申し訳ないと思ってる。』

「…」

『プロとして、いや。一端のVTuberとして。今回のことは本当に申し訳なかった。

本当に、本当に、申し訳ございませんでした。』

彼岸花は、深く、頭を下げる。

それが相手に見えていなかろうと、見えていようと、彼岸花は頭を下げ続けた。



「………大丈夫です、彼岸花さん。

私は、彼岸さんの過去に何があったのかは知りません。今後、無理に聞き出そうともしません。

ですが、何かがあったのだろう、ということは、今回の件で察せました。

貴方にはあんなにトラウマになってしまうほどの事があって、それを思い出させるような行動をしてしまったのはこちらの責任です。

本当に申し訳ございませんでした。」

『華ちゃん、それは違うよ。

今回のことは、私のせいだ。私が、過去の出来事をまだズルズルと引きずって、あまつさえその感情を配信に持ち込んでしまったのが悪い。』

本当にごめんなさい、と再び頭を下げる彼岸花。


「……私は、それでも配信に戻ってきてくれたことが、一番嬉しかったんです。

彼岸花さんは、VTuberが、あの場所が、大好きなんだって、分かったから。」

『………っ!』


「だから、ありがとうございます。彼岸花さん。」

『…っっ、ぅ…ぁ…あり、ありが、とぅ、華、華ちゃん…っ…!』

ごめんね、ありがとう、と何度も嗚咽をあげながら言う彼岸花は、どこか幼子のようだった。


彼岸ちゃんには救われてほしいです…切に…。

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