表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男女比率1対100の世界で男の俺がVはじめました。(ただしVのときの性別は女である。)  作者: おまめあずき×梅崎さくら
第三章 波乱…………
39/83

39 外部コラボ! ③

ここ最近、スランプになってしまっています……。すいません…。


「……はい! ということで、彼岸花さんが体調不良で10分ぐらい休んでくるので、私が引き継ぎますね!」


〈よろしく〉

〈おねしゃーす〉

〈―このコメントは削除されました―〉


「ん〜。何しましょうか?」


〈歌〉

〈なにするん〉

〈歌〉

〈歌以外ありえん〉

〈得意なことは?〉

〈雑談〉

〈歌〉


「あー、これは私のリスナーさんたちですね…。

歌をやれ、と。はい。わかりましたよ、もうヤケクソですよ。」


〈wwww〉

〈なんでこんなに歌を推すの?〉

〈Disappear歌って〉

〈ヤwwケwwクwwソww〉

〈草〉


「じゃあ、リクエストで……と言いたいところですが、最初と最後、私の好きな曲を歌わせてください!」


〈どぞ〉

〈なになに〉

〈どーぞ〉

〈((o(´∀`)o))ワクワク〉


「じゃあ、聞いてください。『猫が泣いてる』。」


柔らかな前奏が流れ出す。

〈猫泣!?〉

〈まじか〉

〈華ちゃん………〉

〈名曲!〉


 ###


『悪者でも良いですか? 同じじゃなくてもいいですか? それでも、良いことをしたって いいんでしょうか』


モニターだけが薄ぼんやりと光を放つ部屋で、布団にくるまり、華の歌を聞いている人物がいた。


「……。」


『「いいんだよ」って 君は言うけれど 怖いんだよ あぁ ねえ』


『同じじゃなくて良いんですか 本当に? 世界を敵に回してしまっても良いんですか』


『怖いものがないなんて人は いないでしょう?』


『ねぇ、また歩こうよ』


のろのろと、くるまっていた布団からでてくるその少女は、画面上の姿とは似ても似つかぬ表情をしていた。


「……華ちゃん…。」


ぽつりと、その少女―――VTuber・彼岸花の現実(リアル)天菜(あまな)は呟く。


自分の中身を歌ったような、癒やすようなその歌に、彼女は透明な雫をこぼす。


「……ご、めん。ごめん、ごめん…なさぃ。……ごめん、ごめんなさ、ぃ……ごめん、ごめん、ね……」


もう居ない、彼女の親友をおもい、涙をこぼす。


「あり、ありが、とう。ありがとう…ありがとう…ぅ、ありが、あり………。」


そして、昔の記憶と、向き合う機会をくれた彼女に、華に、リスナーに、そう、何度も言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ