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男女比率1対100の世界で男の俺がVはじめました。(ただしVのときの性別は女である。)  作者: おまめあずき×梅崎さくら
第三章 波乱…………
38/83

38 外部コラボ! ②

割と重め(?)注意です⚠


〈彼岸花視点〉

(おとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこおとこなんでなんでなんでここにいるの、なんでなんで………。)


わかってる。

この人達は大丈夫な人だ。

()()()とは違う。


でも、怖い。


わたしは、小学生の時に男子からいじめられていた。

そいつが、私の家族の絆をぐちゃぐちゃにした。

許せなかった。

悔しかった。

惨めだった。


ソイツは、自分が男だから、と私たちに危害を加えるようなやつだった。

私の親友は、現実から逃げたくて、百合の世界に逃げていった。

あいつの声が響く

『お前らは俺の玩具だ。所有物なんだよ、黙ってかしずけよ。それすらできないのか。本当に女は出来損ないだな。』


壊れてしまった親友の声が響く。

『ごめんあーちゃん、私、私、私…―――』

あぁ、私はなんと返したのだっけ。

もう、親友(あの子)は、この世に存在していない。


何もやってくれなかった担任の声が響く。

『しょうがないのよ、私達は女だから』

その、諦めきった声色に、私は絶望した。

こんな事が起こるのは、この小さな世界だけで、外の世界にこんなことはないと思っていたから。

どこに行っても、この地獄は終わらないと、気づいてしまったから。


嬉々としていじめを容認していた校長の声が響く。

『男に黙って従わない馬鹿な子供には、罰が必要ですねぇ〜?』

楽しそうに鞭を床に叩きつけるあの音が、耳にこびりついて離れない。


警察は言う。

『この小学校では、いじめが行われた事実はありません。このことは、今すぐ忘れるのです。…良いですね?』

『…はい。』

あの子の生きた証拠が次々と消されていく。


社会に向けた会見では白々しく、

『〇〇小学校では、調査の結果いじめは行われていないと判断しました。』

なんてのたまっていた。


あの頃の私は、あの子がいた証拠を消されないために必死で。

『自殺をした少女の死因、ですか? いじめは関係ありません。家族関係でトラブルが起きたのだと推測されます。変な言いがかりはやめて下さい。

この件は、もともと行政機関が担当するものではない案件なのですよ?

男性が関わっていると聞いたから来ただけですし…。

こちらだって暇じゃないんですから。』




国の偉い人は私達に男性を敬え、とそう言われて育った私達を男だからといって、あんな奴を、私は許せなかった。私達をあんなに、あんなに壊しておいて何を偉そうにしているんだよ、と、何度も叫びそうになった。国を恨んだ。

男だから何? そんなに偉いの? 神なの? 私達はおもちゃ? 政府は何をしているの? 男性を保護するための法律? そんなものなんのためになる? 女はもうとっくに男を見放しているというのに。

女だから黙って従え?

っふざけるな!

何が使用人だ。何が奴隷だ。何が人形だ。

私たちは使用人でも奴隷でも人形でもない。

人だ。


アイツは、アイツは、私の親友を、壊して、めちゃくちゃにして、私も、なんで、アイツが、アイツが、アイツが、もう男なんて信じれない、恐怖すら感じる、もう逃げたいきおくからけしたいわすれたいでもあのこのことはわすれたくない、だれかだれかだれか、だれでもいい、たすけて、たすけてよ―――


『おーい。大丈夫ですか? 彼岸花さーん! 彼岸花さんってば!!』


―――真っ暗闇に、光が差すような。優しい、案じるような声が、した。


 ###


「……っ、ごめんね。ちょっと混乱してたわ。」


〈彼岸ちゃん復活〉

〈大丈夫大丈夫、まだ2分〉

〈戻ってくるのが早い…さすがは彼岸ちゃん〉


「大丈夫ですよ〜。

このゲームサクサク進めちゃいましょー!!」


再び、ゲーム画面が動き出す。

正面に画面が戻り、先程の声の主であろう少女の姿を映し出す。


〈はいきたー〉

〈おおおお〉

〈主要キャラその2〉


「可愛いね。」

「そうですね! 金髪碧眼でハーフっぽいですし。」


『ふふふ、素敵なお名前。私は、チェルノ。チェルノ・アンバサダー01(ゼロワン)

私はあなた(プレイヤー)達を導くために作られた存在よ。』


〈かわいい〉

〈同性目線でも可愛いよね、この子。〉

〈ああああああああああ清楚っっっっっ〉


「チェルノちゃん、ですか。」

「可愛い名前だね〜。」


『…チェ、ルノ?』


「あ、男の子のほうが喋ってる。」

「…ひっ………。」

声を潜め、少しだけ彼岸花が悲鳴を漏らす。


〈あれ?〉

〈彼岸ちゃん、だいじょぶそ?〉

〈顔色悪いぞー〉


「あれ、大丈夫ですか? …もしかして、こういうの苦手だったり?」

「あ、違うよ、うん……ごめんね。」

それでも、どんどん彼岸花の呼吸は荒くなっていき、画面上の顔も顔も青くなっていく。


「ゆっくり深呼吸をしましょう?」

「……はぁ……すぅ…はぁ…。

 あ、はは…ごめんね、私が先輩なのに、不甲斐ないとこ見せて」


〈彼岸ちゃんダイジョブそう?〉

〈お姉さん心配〉

〈無理しないで〉


「大丈夫です、それに声から判断するに中高生ですよね?私のほうが人生としては先輩ですよ」

「えっ? なんでわかるの……。」

「いえ、数回前の配信を見させてもらってまして……。その時の声と、今の声とでは若干音程が低くなっているので…。」

「わかるんだ...」


〈華ちゃん怖い〉

〈すっご〉

〈すごいというかそれはもう神の領域すぎる〉

〈こわいwwwww〉


「…っあー、ごめん。ちょっと今回このゲーム無理かもしれん。」

「大丈夫ですか?」

「だいじょばないです…。」


〈だいじょーぶです〉

〈彼岸ちゃんの体調のほうが心配〉

〈おやすみしな〉

〈そうそう〉


「…ゔー。あー。」

「流石にその体調で続けるっていうのは無理があると思いますよ、彼岸さん。」


〈そうだそうだ〉

〈こういうときこそ休め!!〉

〈彼岸を休ませろー!〉

〈軍曹さん、普段自分から休まないからなぁ……〉


「…。わかりました…休みます…。」


〈わあああああああ〉

〈やったねやったねがんばったね〉

〈(*^^*)〉


…普通にゲーム配信をするはずが、どんどん予定がずれていくコラボ配信であった。

難産です…。

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