26 平和な日常と相談
「おはよう〜」
ふぁ、と軽くあくびを堪えながら食卓に着く。
「「おはよう、るい」」
「おっは〜、るいにぃ!」
しろ兄ちゃん、くろ兄ちゃん、雨の元気な挨拶が帰ってくる。
「あれ、父さんは?」
「ああ、父さんは仕事だよ。なんか、今じゃ無いとダメな仕事にぶち当たったみたいでさ。」
くろ兄ちゃんはやれやれ、とオーバーリアクションをしながら言う。
「こら、ぶち当たったとか乱暴な言葉遣いしないの。」
そう言いながら母さんはくろ兄ちゃんとしろ兄ちゃんの前に器を置く。
くろ兄ちゃんがちょっとなげやりにはーい、と言うと、満足げに母さんは微笑み、
「じゃあ、食べよっか。」
「「「「「いただきます」」」」」
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「あ、そうだ。るいにぃ?」
朝ご飯が終わり、のんびりとリビングでくつろいでいる時、背後から不意にそう声をかけられた。
「なに?」
この声は雨だな、と思って振り返った先には、案の定雨(制服ver)がいた。
もう学校に行く時間か。
「うちの学校ってさ、男女混合じゃん?」
「まぁそうだな。」
ちなみに、うちの兄弟は全員同じ学校に行っている。もちろん、雨も例外では無い。
学校の時はひたすら兄ちゃんたちのことを聞かれた記憶しかないな。うん。
「それでさ、私生徒会長じゃん?」
「あれ、そうだっけ?」
「そうだよ!! それぐらいは覚えておいて!?」
いや…そんなこと一言も言わなかったじゃん、と弁明すると、キッと睨まれた。理不尽な。
「それでさぁ、うちの学年の男子からなんか相談を受けてさ〜。」
相談といっても書面でのやり取りなんだけどね、と付け足して、雨は続ける。
「その子は、というかほぼ全員の男子生徒はそうなんだけどさ、不登校なんだよね。」
「へー。」
こっちの高校に通った記憶とか無いから知らん。
「んで、生徒会長として、なにが不安? って聞いたんだ。
まぁ、最初の方は全く返してくれなかったよ、ほんとに。
しつこいくらいに送り続けてさ、やーっと返してくれたわけなんだけどさ。」
そこで雨は一つ大きなため息をつく。
「入学式の時に大勢の女子から迫られたのがトラウマになっているらしくて。
手紙の中でうちの兄についても書いちゃったからさ、お兄ぃたちに相談したいって。」
「お、おう??」
「んで、こんどうちに来てほしいって。勿論、兄たちだけで。」
ええ……。俺たちでいいの?
俺は行かなくていいか、と聞こうとしたら途中でめっちゃ睨まれた。ゴメンナサイ。
「ま、結論は急がなくていいから。しろ兄ぃたちとも話して決めて。
あ、でもいくなら絶対にるいにぃはきてね。」
んじゃ、行ってきまーす、といって雨は玄関へと向かう。
「いや、どうしろと………??」
行くのは別にいいよ?
いいけど……俺じゃ頼りにならないと思うんだよなぁ…。
それこそ、兄ちゃんたちだけで行くほうがいいと思うんだけど……。
いや、なんで??
短くてすいません。
書く媒体を変えたので、少々この状態が続くやもしれません。いや、前も変わらないくらい短かったか…。
重ね重ねすいません。
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