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 大天使の願い


 久々に短編書きました。題名は『【陰キャと王子】振られて傷心の男の子が女心を学ぶために女装してメイドカフェで働きます。そこで一目惚れした超絶美少女はなんと……』です。下にリンク張ってますのでよかったら見に来て下さい。


https://book1.adouzi.eu.org/n1116ir/


 短編書く暇あったら、こっち書けよと思われる方もいらっしゃると思いますが、こっちも地道に更新しますので、暖かい目で見守って下さいm(_ _)m


「これで黒いのは無くなったぞ。これからは清い心で白い羽根生やせよ」


 まあ、僕は肩もみでウシオがほとんどの先っちょ黒い羽根を抜いたんだが。結構な数あるんだが、どうやって持って帰ろう。


「はい」


 エルエルが僕らに籠を差し出す。これを使えって事か?


「ありがとう」


 僕は受け取る。


「十万円」


「え?」


「十万円払いなさいって言ってるのよ」


「ちょっ、こんなボロい籠でそりゃ高過ぎだろ」


「何言ってるのよ。羽根も込みで十万円よ。それ、なんかに使うんでしょ? 自分の体の一部が何かに使われるって気持ち悪いでしょ。その迷惑料も込みよ。で、なんに使うの? 用途によってはそれ返してもらうわ」


「んー、魔法薬って言ってたな」


「えっ、薬? なんかキモいわよね。私の羽根が誰かの口に入るって事? やっぱ売るの止めようかしら。マリンも考えてみて、誰かが自分の髪の毛食べたりするって考えたら良い気分しないでしょ」


 まあ、そうだな。食べ物に髪の毛入ってたら、気持ち悪いし、さらにその食べ時が髪の毛を出汁にとってるなんて聞いた日にゃ鳥肌もんだ。けど、なんとかしてエルエルの羽根はもらわないと、無駄骨になっちまう。


「多分そうだな。エルエルの綺麗な羽根を使うんだから、高価で貴重な魔法薬になるんじゃないかな。病気を癒したり美肌効果あったりとか、人々の役に立つものなんだろうね。気分は良くないかもしれないけど、これも人助けだと思って。当然お金は払うから」


 ウシオに頼んでカードからお金を転送する。



「結構、羽根無くなったから、約束通り回復魔法かけてよね」


 あ、そうだったな。結構羽根貰った事だし奮発してやるか。


「背中向けろ肩凝りにも効くかもしれんからな」


「よろしく」


 背中を向けて岩に座ったエルエルの肩に手を置く。コイツが闇落ちしない事を祈りながらマナを注ぎ込む。


「タッチヒール」


 癒しの力をエルエルに注ぎ込む。


「ん、思ったより効果無いな。羽根生えないな」


 出力不足か? なんかつまんないな。もっとブチ込んでやるか。


「そりゃそうよ。髪の毛や爪と一緒で羽根も少しづつしか伸びないのよ」


「えっ……」


 まじか、そうなのか。って羽根伸び始めてるよ。という事は……


 やり過ぎた……


『ケツ痛ぇー』


 これはエルエルの心の声?


『尻穴痛ぇー』


 下品なおっさんか!


『くっそ。尻と尻穴が鋼みたいに固かったらあんな目に合わなかったのに!』


 エルエルまだカンチョーの事根にもってたのか? この事に触れたらまた怒り始めるかもな。けど、コイツ、頭の中空っぽなのか? 多分僕は今、エルエルの心も癒してしまってる。コイツの最大の望みは固い尻を手に入れる事なのか? 多分、エルエルは進化したはずだ。鋼の尻をもつ天使に……


「ほら、白い羽根生えてきたぞ」


 僕は手を離す。


「さすが、マリー凄いわ」


 エルエルは振り返って花が飛ぶような笑顔を見せてくれる。この華麗な顔で頭の中は尻の事しか考えてないんだよな。けど、この事は僕の心の底にそっとしまっとこう。


「じゃ、僕たちは帰るよ」


「フフッ。次はまた下でね。手加減はしないから」


 僕たちはエルエルに別れを告げて滝壺を後にした。


 


 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

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